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ロードバスターズ  作者: 碧衣玄
独りの旅編
18/40

レストランの攻防

「小僧! 冷静になれ!」


「何だよオッサン! 早くしないとレストランが!」


「走って行ける距離じゃないだろ」


「バスは走ってないぞ!」


「車に乗るんだ」


「そんな簡単に乗っけてもらえるのかよ!?」


「乗せてもらうんじゃない……乗るんだ」


「どういうことだ?」


「付いてこい」


 ガイにムロが付いていくと、草木に隠すように車が置いてあった。


「俺が運転する」


「オッサン運転出来るのか?」


「俺の車だぞ」


「……まあいいや、早く行こう!」


「分かった」


 ガイが運転する車にムロが乗り、アキが居るレストランに向かった。


※ ※ ※


「着いたぞ」


「アキねーちゃん!」


「全く」


 ムロが車を飛び出し、ガイが追いかけた。


「なんだ、これ!?」


 ムロは絶句した。朝、自分が居たレストランは崩壊していたのだ。


「ザンなら当然の行為だな」


「あのヤロウ!」


「……たす……け」


「この声? ねーちゃん!?」


 ムロが瓦礫の山と化した店内に入る。


「何処だ! 何処に居るんだよ!?」


「ムロ……くん……」


 消えてしまいそうな声が聞こえた。


「そっちか! 」


 ムロは壊れた椅子や崩れた壁を退かしながら、声のする方向へ向かう。


「う……」


「ねーちゃん!? ……アキねーちゃん!!」


 ムロはアキを見つけた。しかし無事とは言い難く、意識が無くなりかけていた。


「……ムロ……くん?」


「オレだよ! ムロだよ! 約束通り疑問を解明したんだ……だから死ぬな!」


 ムロがアキの手を強く握る。


「家族とかを除けば……異性に手を握られたのは初めてかな……ムロくん、もう少し……強く握っても良いよ? 私、寝ちゃいそう………だ……から」


 ムロの目に涙が浮かぶ。


「これ以上は無理だよ……アキねーちゃん」


「……」


「ねーちゃん?」


「……」


「アキねーちゃあああん!!!!!!」


 アキの身体は冷たくなっていた。


「小僧!」


「流石は俺の武装石(最高傑作)!……? まだ残ってる箇所が有るな……」


「小僧! ザンが来たぞ!」


 ザンの剣が迫る。


「どーした? 誰か生きてるのか?」


 ザンがガイを振り飛ばした。


「くそっ!」


 ガイが地面に背中を打つ。


「あん? ガキか?」


「……小僧! 逃げろ!」


「逃がすかよ?」


 ザンが目に見えない速さでムロに近づく。


「首、頂き!」


「……」


「その感じ、武装石かあ?」


「……」


「なんか言えよ?」


「……す」


「あん? 聞こえねえよ」


「……ろす」


「聞こえねえんだあああよおおお!!」


 ザンが剣を素早く振る。


「……ブッ殺す!!」


 ザンが吹き飛ばされた。


「嘗めやがって」


 身体を回転させながら地面に着地して、その勢いのまま突進してきた。


「生意気なんだよおおお!!」


 ザンの攻撃が当たったかに見えたが、ムロは避けながら攻撃を加えていた。


「俺の血いいいいい!」


 ザンの腕から血が流れた。


「俺の武装を砕いただとおおお」


「黙れ」


 ムロが右腕の剣で斬りつける。


「このガアアアキイイイ……!!」


 ザンも剣で応戦する。


「小僧……あのままじゃ」


 ガイの不安を他所に、ムロは攻撃を続け、ザンも攻撃を続けた。


「ガキだからと手を抜いて悪かったなあああ……これで終いだあああ」


 ザンが剣を天に掲げる。


「月は神秘の塊だあああ。それが満月なら尚更だあああ……!!」


「ザン、まさか……街その物を消すつもりか!」


「消えろおおお!!」


 ザンが剣から閃光を出すと、閃光は巨大な光の塊となって返ってくる。


「あんなモノが落ちたら街が消えて無くなる!」


「みんな消えろおおお!!!!」


「小僧、逃げるんだ!!」


「……オッサンは逃げてくれ」


「小僧!?」


「オレはコイツを殺す!!……だからオッサンは街から出ろーーー!!」


 ムロはガイに聞こえるように叫んだ。


(駄目だ、小僧の理性が飛んでいる)


「もうムダだあああ……俺のほかは街ごと消える」


 光の塊は街を飲み込んでいく。


「!?」


 ムロがザンに近づく。


「言ったろ……殺すってよ……」


 ムロの剣がザンを貫いた。


「どうせ、キサマも消える」


 ザンが倒れた。


「小僧!」


「オッサン?」


「!?」


「俺なりの償いだ」


 ガイはムロを気絶させると車に乗り、博物館に向かうと、ムロを地下に放り込んだ。


「地下に居れば平気だろ」


 ガイは地上に戻る。


「この先へは行かせん」


 ガイが光の塊に向かって武装石を押し込む。


「……小僧……精々、達者でな」


 ガイの武装石が光を吸い込む。


「うおおお……!!」


 光の塊がグジアを覆った。闇夜に眩しすぎる光が現れて全てを奪う。


「最期に、お前のような奴に逢えて……」


 ガイの言葉と共に、花と風車の街グジアは一夜で滅んだ。

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