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ロードバスターズ  作者: 碧衣玄
独りの旅編
17/40

決意の夜

「血を飲む石、……か」


 ムロが発した。


「上手い例えだな」


「オレ、考えたんだけど、やっぱり進みたい」


「秘密を知ってもなおか?」


「耳では知ったけど、目では知らないから」


「酷だぞ」


「オレなりの、覚醒させた責任だ」


 ムロがガイを見据えた。


「……付いてこい」


 ムロはガイの案内に従い部屋を出る。人力のトロッコに乗り、グジアの名所の一、グジア博物館の地下へ向かった。


「着いたぞ」


「ウッ!?…………!?」


「そう簡単に慣れるものではない」


「慣れたくない臭いだ……」


 ムロが鼻をつまむ臭いの正体は、扉を開けると現れた。


「!?」


「目を背けるな……小僧」


「こ……れ……は……!?」


 ムロとガイの前に現れたのは、血を抜かれ無惨に身体を積み重ねられた子供達だった。


「武装石に使う材料の血は若い血が適性だった」


「この子供達は一体!?」


「様々な理由で売られた子供だ。研究のために買われたんだ」


「……人身……売買か!?」


「よく知ってるな、子供のくせに」


「友達が売られかけたことがあったからな」


「その歳で修羅場を潜り抜けたみたいだな」


 ムロは目の前の現実を受け止めるのに必死だった。


「もうすぐ埋めてやらないといけないな」


「土葬するのか?」


「死体とはいえ、子供を焼くのは御免だ」


「あんた、子供に情が湧くのに、よく実験材料に出来たな」


「武装石で俺が関わっているのは鉱石の調達のみだ」


「ほかに居るのか!」


「俺もヤツに買われた者の一人だ。俺もヤツにとっては、あの子供達と変わらんのだ」


「ヤツ?」


「さっき名前を出した……ザンだ」


「ザン!!」


 ムロは怒りを込み上げた。自分に怪我をさせただけでなく、子供を買い、利用するだけ利用して無惨に死なすザンに激しく怒りを覚える。


「ザンは言っていたな……イグラズは変わらなければならない。その為には限りある犠牲で無限の力を手に入れる必要がある、とな」


「力を得てすることが戦争かよ!」


「俺は異を唱えたことがあるが、所有物が意見するのかと片目を失ったがな」


 ガイが眼帯を着けた右目を見せた。


「恐いか? 小僧」


「……気の毒だ……」


 ムロが死体に近づく。


「あんたも子供たちも気の毒だ。恐ろしいよ……現実であることに。けど、あんたには同情出来ないや。加担していたのには変わらない、判っていても続けたんだからな」


「反論の余地は無いのは承知だ」


「ザンは何時いつ、行動を始めるんだ」


「満月の夜と言っていた」


 ムロとガイは博物館の中から外を見た。


「夜になっちまった」


「満月か」


 ムロは裏口を開け、外に出た。


「ザンを止める!」


「小僧は全てを忘れて帰るんだ」


「断る!」


 ムロが決意を表した。


「俺は責任は取れんぞ」


「そうかい」


 街の一部が光だす。


「ザンが動き出した様だな」


「あの方角は……レストラン!?」


 ムロに不安が過る。


「アキねーちゃん!?」


「待て小僧!!」


 ムロはガイの言葉に耳を貸さず走り出した。ガイもムロの後を追った。

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