武装石、発動
ムロは身体を壁に叩きつけられ、身動きがとれなくなっていた。
「いっ……!」
「何者だ小僧」
ムロの視界に、鍛え上げられた腕が入る。
「アンタこそ誰だ!」
「生意気な小僧だ」
「しょうがねえだろ、それがオレだ」
「そうか……」
ムロが身体を投げ飛ばされる。
「いてー!」
「生きているから痛みを感じるんだ」
「オレを殺すのか!?」
「小僧を殺ってなんになる。それこそ時間の無駄だ」
「?」
「小僧、何故来た」
「この街の疑問を解決したくてな。風力発電所とグジアの名所を線で結ぶと、線が全部同じ長さになるっていうな」
「なるほどな」
「質問は以上か?」
「もう一つ、ある」
「なんだよ?」
「その石を知っているのか?」
「詳しくは知らない……オレを怪我させた凶器って事以外はな」
「凶器、なるほどな」
男が笑みを浮かべる。
「何が可笑しいんだよ!」
「ソイツはザンだ。ザンなら殺りかねん」
「ザン?」
「その石の名は武装石。ザンは石の実験台になっていたんだ」
「それがなんだってんだ?」
「武装石の製造は、ここでしたらしい」
「おい! さっきから何なんだよ!?」
「この街の名所は順に造られた」
「おい!」
「この発電所が出来るまでは、街の電力は地熱を使って生み出していた」
「どういうことだ」
「この発電所は最後に出来た」
「いい加減にしろ! さっきからご託並べやがって! ハッキリしやがれ!」
「武装石は……此処で創られた」
ムロの脳裏に何かが過る。
「まさか……風力発電はオマケか!?」
男が武装石を取り出す。
「名所の地下には秘密の部屋がある。その部屋は秘密の通路を通じて繋がっている。当然この部屋も通路がある」
「何処に在る?」
「知ってどうする」
「此処が造る場所なら、オレの勘が正しいなら……名所の地下には材料が有る!」
「御明察だ小僧、だが行くことは勧めない」
「何でだ!」
「知らないほうが幸せだ」
「何故だ!?」
「小僧が子供だからだ!!」
男の眼がカッと開いた。
「!?」
思わずムロが後退る。
「どうしても行きたいのなら俺を殺してみろ」
「なっ……」
「俺は通さない。小僧の手足を折ってでも」
男が武装石を割った。
「武装石、発動!」
石の破片が男の身体を包み込み、身体が包まれ防具となり、手には武装石の剣が握られていた。
「どうする小僧」
「それでも!」
ムロが武装石を掴む。
「目的に近づくなら意地でも通る!」
「俺はガイ。心意気は買った」
「オレはムロ! 小僧じゃねえ!」
ムロとガイが向かい合った。




