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ロードバスターズ  作者: 碧衣玄
独りの旅編
14/40

都市伝説が終わるとき

 翌朝。ムロは街を散策するため、腹ごしらえに昨夜行ったレストランを訪れていた。


「ふぅ……食った食った」


「あら? ムロ君、もしかしてトマト苦手?」


「ねーちゃんが運んでくれた料理だから残したくなかったけど、やっぱりトマトは苦手だ」


「どういうところが苦手?」


「トマトの醍醐味全部」


「正直者だね、ムロ君は」


「そういう事にしとくよ」


「ムロ君は、いつまでグジアに居るのかな?」


「んー……探しモノが見つかるまで」


「探し物?」


「……例えば……都市伝説の石とか……」


「あー。素手で割れちゃう不思議な石ね!」


(誘拐犯と傷害犯も、とは言えないよな)


「何か知らない? ねーちゃん」


「そうね……ちょっと待って?」


 店員は食器を下げに行った。


「ポリスさんに定時連絡しないとな」


 ムロは刑事に電話を掛けた。


「ちぇ……手がかり無しかよ」


 刑事からは特に情報は得られなかった。


「お待たせ!」


「ねーちゃん、接客はいいの!?」


「ムロ君は私のお得意さんよ! 待たせる訳にはいかないわ」


「何か悪いね」


「気にしない、気にしない」


 そう言いながらテーブルに地図を広げる。


「ここがグジアのシンボルの風車で、ここがグジアの名物のフラワーロード……」


 店員が赤丸で目印を付けていく。


「最後にここ!」


「?」


「グジアの代表的な場所を同じ長さの線で、ある場所に引けるの」


「これは……!?」


「偶然にしては出来すぎじゃない?」


 ムロが見た地図は、十在るグジアの名所を同じ長さの線で引ける場所が存在している証明をしていた。


「風力発電所……名所を線で同じ長さで引けるっていうことが、そもそも出来すぎよ!」


「何かある、か」


「ええ」


「よし! 決めた!」


「どうしたの?」


「ねーちゃんの疑問を解決するぜ!」


「どうする気なの!?」


「風力発電所に乗り込む! ねーちゃんの疑問も解決するかもしれないし、オレの探しモノも見つかるかもしれないしな!」


「でも、そんな簡単には入れないよ!?」


「……考えがある」


 ムロは地図を見易く畳むと代金を払う。


「今日も私の奢りでいいのに」


「毎回それじゃ、オレが困っちゃうよ」


「ホントに行くの!?」


「ねーちゃんは気にしなくていいから。用が済んだら必ず来るよ」


 店員がムロに紙を渡した。


「私の電話番号を書いといたら! それと私の名前はアキっていうの!」


「教えてくれてありがとう」


 アキが手を握る。


「無茶はしないで。約束ね」


「……うん」


 ムロがアキに背を向けて歩き出した。


「やべー、ドキドキした……あれが年上の魅力!?」


 ムロがバスに乗りながら心臓の鼓動が高鳴っているのを確認する。


「あっちこっちに風車があるな」


 バスの中からでも、街の風車が見れた。


「あれが風力発電所か」


 ムロはバスから降りると、発電所の裏口を見つけて入った。


「さてと」


 ごみ捨て場で出し時間を確かめると、人が来るのを待つ。


「……もうすぐ……」


 人が扉から出てくる。


「今だ!」


 ムロが一気に扉に走り出す。


(あの手の扉はゆっくり閉じる!)


 扉が閉まりきる直前に身体を滑り込ませた。


「はあ……はあ……」


 ムロは息を切らしながらも辺りを見渡す。


「KEEP OUT……悪いが却下だ」


 ムロが構わず先に進むと、扉があった。


「開かない」


 ムロが押しても引いても開かない。


「じゃあ、ずらす!」


 扉が静かに開かれた。


「イジ悪いぜ」


 ムロが階段を下りると、装置があった。


「クラッティスにあった感知機だっけか?」


 ムロは考えた挙げ句、構わず突入した。

 ムロの侵入に、感知器が反応する


「ヤバ!」


 ムロは咄嗟に物陰に隠れた。


「ん? なんだ、この感触は」


 ムロの手にゴツゴツとした、しかしツルッとした感触が伝わる。


「これは……!? 武装石ぶそうせきってやつか!」


 すると、足音が部屋に響く。


「侵入者、出てこい……」


「ちぃ……」


 ムロは思わず舌打ちをした。


「出てこなければ、炙り出してやる」


 部屋が白煙に包まれる。


「ぐっ!」


 ムロの身体がよろける。


(何とかしねえと)


 ムロの視界に手が現れた。


「!?」


 ムロの身体が壁に叩きつけられた。

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