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ロードバスターズ  作者: 碧衣玄
独りの旅編
13/40

花と風車のグジア

「レルバニルとコーツァ……」


「レルバニル、コーツァ……以上ですか?」


「ねーちゃん! ララバも!」


「ララバ……以上ですか?」


「うん」


「では少々お待ちください」


 ムロは、クラッティスを北に進む列車で三十分の街、グジアを訪れていた。


「すっかり夜になっちまったな」


十分後、ムロが注文していた物が運ばれる。


「お待たせしました。ご注文のレルバニルとコーツァとララバになります」


「ありがとう」


 ムロが注文した料理を食べながら夕刊を読む。


『・ジンさん救出から八日、果たして犯人は?』


『・匿名希望の発見者、正体は子供か!?』


『・クラッティスで傷害事件、犯人は逃亡中!』


『・イグラズ最北端の街ラウードで殺人予告』


『・本日のピックアップ! ……都市伝説、素手で割れちゃう!? 不思議な石の謎』


『・本日のNo.1……注目の二十歳、グジア・フラワーレストランの看板娘!』


「う~ん」


「どうかしましたか?」


 ムロを接客した店員が尋ねてきた。


「グジア・フラワーレストランで二十歳って誰がいるの?」


「二十歳は私だけよ?」


「そうなんだ。じゃあこの新聞は嘘っぱちだな」


 ムロが記事の写真を叩く。


「新聞には〝今、注目の看板娘〟って書いてあるけど、もう注目されてるからさ」


「どういうこと?」


「今、注目しても、もう遅いってことだよ! ねーちゃん目的で客が増えてるのは半年も前かららしいじゃんか」


「ありがとう。少なからず私が、お店に貢献してるってことよね」


「まーな」


 ムロが食事を終えた。


「ねーちゃん、会計!」


「お代は今回は結構よ」


「オレ、何か気にさわる事でも言ったかな?」


「逆よ。私は凄く良い気分なの。君のお陰で自分に自信が持てたからね! だから今回は私の奢りです!」


 店員は食器を手で器用に運びながら接客をしている。それがムロには眩しく映っていた。


「また来るよ」


「待ってるわね」


 ムロが手を振りながら歩き出す。店員さんも負けじと手を振り続けた。


「ホテルに戻ろう」


 ムロは宿泊するホテルに向かった。


「こいつは嘘っぱちじゃねえだろうな」


 ムロが先ほどの夕刊を読みながら言う。


「〝素手で割れちゃう不思議な石の謎〟……これはオレを襲いやがった男が持ってたやつか」


「情報が少ねえ!」


 ムロが足をジタバタさせる。


「……街を少し歩かないとな。話はそれからだ!」


 ムロは、頬を叩いて気合いをいれた。

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