あーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 18話 濡れ
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図女学院。
そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。
あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。
池図女学院部室棟、あーかい部部室。
「あ〜めあ〜めふ〜れふ〜れ♪」
きはだが窓を少し開けて、ザブザブと降りしきる外の雨模様を眺めていると、
「もう、なんなのよ〜!?」
肩と髪をびしょびしょに濡らした白ちゃんが部室に入ってきた。
「し〜ろちゃ〜んだ〜♪」
「……ぁあめふりのメロディッ!?」
きはだはカバンから真っ白なタオルを取り出すと、なにか葛藤するように、じいっとタオルを見つめた。
「……降参で良い?」
「格闘技……?」
きはだはポイっと白ちゃんにタオルを投げ渡すと、白ちゃんはそれをキャッチして頭と肩を拭いた。
「ふぅ……。ありがとうきはだちゃん。」
「傘ささなかったのぉ?」
「すぐそこだし大丈夫って思ったらこの有様よ……。」
「う〜ん、これは敗北者。」
「笑いたくば笑いなさい。」
「そんじゃあお言葉に甘えて……、
「いやいやそこは『そんな日もあるよねぇ〜』とかいって同情するとこ
「あっはっはっはっは♪」
高笑いしながら全身ずぶ濡れのあさぎが入ってきた。
「いや〜濡れた濡れた。」
「ずぶ濡れで草ァ!」
「どうしたの……?」
「このバカ、傘もささずに歌い散らかしてたんだ。」
遅れてひいろが入ってきた。
「ひいろちゃんは無事なんだねぇ。」
「傘を使うからな、普通は。」
「 」
「白ちゃん……傘は?」
「……どうせ私はズボラですよ。」
白ちゃんがいじける後ろであさぎがいそいそと制服を脱ぎだした。
「着替え持ってるのか?」
「あらかじめ用意しておいたものがこちらになります。」
あさぎは下着姿のまま、部室の隅っこに置いてあった自分のジャージを持ってきてテーブルに乗せると、料理番組のように両手を広げてジャーン!と見せびらかした。
「さっさと着ろ。」
「風邪ひいちゃうよぉ?」
「はーい。」
ひいろは脱ぎ散らかされたあさぎの制服をハンガーに引っかけて干し、きはだはあさぎの髪やら身体をタオルで拭いた。
「流れる様に世話されるわね……。」
「白ちゃんのタオルは誰のだったか?」
「く……ッ!」
あさぎがジャージに着替え、4人はぼちぼち着席した。
「あさぎちゃんはなんで歌ってたの?」
「だって、インザレインですよ……!?」
「インザレイン……?」
「ミュージカルだねぇ。」
「へ〜。」
「あれって本家は傘さしてなかったか?」
「傘さしたら本家越えできないじゃん。」
「張り合うな張り合うな。」
「本家越えられたぁ?」
「どうだろ?あっちはたくさんいたからなあ……。」
「……ワタシはやらんぞ」
「わたしもパスぅ〜。」
「……わ、私もやらないわよっ!?」
「……しゅん。」
「あ〜、あさぎちゃんが『しゅん』ってしちゃったぁ〜。」
「流石に今のは可哀想じゃないか?」
「先に断ったのアンタらでしょうが。」
「しゅん……チラッ。」
「いや、やんないって。」
「にしても、雨ってなんか憂鬱よね〜。」
「そうか?」.
「ひいろちゃんは何か楽しいことでもあるの?」
「雨の日は相合い傘が…………すまない白ちゃん。」
「そこまで言ったなら最後までのろけなさいよ……。」
「干物の白ちゃんには縁遠いお話だったようだねぇ……?」
「雨だけにかあ。」
「やかましいわっ!」
「雨だしお部屋の中でなんかしよぉ〜?」
「だいたいいつもお部屋の中でなんかやってるけどな。」
「トランプでもする?」
あさぎはおもむろにトランプの束を取り出すと、滑らかな手つきでシャッフルしだした。
「あさぎちゃん、ハマってるねぇ〜。」
「これがあれば賭け事には困らないからね♪」
「おい高校生。」
「あれ?もしかして白ちゃん、トランプ弱い……?」
「そんなことないわよ?」
1時間後。
「くうぅぅぅ……ッ!」
「嘘だろ……。ポーカー、七並べ、大富豪に神経衰弱……ババ抜き全部やったのに……、
「全……敗……。」
「弱すぎて草ァ!」
「きはだちゃんが数字止めたり素数数えだしたりするからでしょうがっ!?」
「でもワタシとあさぎはそれなりに勝ったぞ?」
「他責は良くないねぇ……白久澄河養護教諭ぅ?」
「く……っ!」
「それはそうとあさぎ強すぎじゃないか?」
「もしかしてイカサマしたんじゃないでしょうね……!?思い返せばなんか襟足ぴょこぴょこしてたし……!」
「犬の尻尾じゃないんだから……。」
「あさぎちゃんぴょこぴょこできるぅ?」
「神経通ってないから無理。」
「だよねぇ。」
「勝てるなら何か賭けとけば良かったなあ。」
「野球拳式なら今ごろ白ちゃん全裸だが……、
「「「きつ……。」」」
「おい。」
「……あ。雨上がってきた。」
あさぎが窓の外を指差すと、黄金色の細い日差しが雲の切れ間からところどころ地上に差し込んでいた。
「これなら傘なしでも帰れるな。」
「あ〜あ、みどりちゃんかわいそぉ〜。」
「いいんだよ、毎日相合い傘してたら心臓が持たないし。」
「毎日雨だとジャージの洗濯も間に合わないしなあ。」
「それは自業自得でしょ……。」
あーかい部!(4)
きはだ:投稿かんりょ〜!
白ちゃん:お疲れ様♪
ひいろ:あさぎ風邪引かなかったか?
あさぎ:大丈夫、むしろ今身体ポッカポカだから
きはだ:何度くらい?
あさぎ:38度ちょい
白ちゃん:おもくそ風邪ひいとるやないかいっ!
あさぎ:もっと鍛えてから歌い散らかすべきだった……反省
白ちゃん:反省するとこそこじゃないのよ
きはだ:力が欲しいか……
白ちゃん:煽るな煽るな
白ちゃん:しんどかったらこんな雑談無視してもらって大丈夫だからね?
あさぎ:むしろハイです
ひいろ:う〜ん……
きはだ:風邪でお休みしてるときってちょっとワクワクするよねぇ
ひいろ:まあそれは
白ちゃん:とりあえず明日は休みなさい
あさぎ:え〜
白ちゃん:え〜じゃありませんっ!
あさぎ:ィィイイッ!
きはだ:バッタな人に轢かれそ〜
あさぎ:ビデオあったかな……
白ちゃん:寝ろ
あさぎ:退屈すぎて寝れないってことないですか?
白ちゃん:あるけど
あさぎ:お隣さんに聞いて来よ
白ちゃん:寝ろぉ!




