魔力読み
魔法使いオーフ
過去の人間で今の魔法の基礎を作ったといわれる偉大な存在で、全魔法使いの憧れ
英雄ルグーラ
オーフと同じ時代を生きた偉大な存在、さまざまな伝記にその名を遺した英雄
「さぁて!!会場は多いいに盛り上がっております!!」
熱気に包まれた会場の真ん中でアンサルはそう言う
「ディラン大隊長今年は豊作の年ですね!!」
アンサルはそう言いディランの顔の前に拡声器を持ってくる
その拡声器はディランの頬に刺さっているがディランは何もないかのように答える
「あぁそうだな、なんでも今回の選別は西の大貴族アーシュビッツ家から一人出てたり、去年のフラムメ王国魔導大会の準優勝者だったりと注目株が多いな」
アンサルは拡声器を自分の顔の前に戻す
「なんと!アーシュッビッツ家と言えば代々国王守護隊忠犬の副大隊長を務める超名門一家の!?、いやぁこれはとても期待できる大会になりそうですね!」
そう言いアンサルはマリベルに拡声器を近づける
マリベルは少しの静寂の後口を開いた
「親の名前じゃないと取り上げてもらえない七光りに、準優勝の二番煎じ、ふざk」
言い終わる前にアンサルが拡声器を自分の顔の前に戻す
「さ、さぁ!、武道大会一日目は後半に差し掛かっております!!」
アンサルがそう言ってる中でディランがマリベルに小声で言う
「お、お前!何言ってるんだよ!アーシュビッツ家の人間に目をつけられたらめんどくさいんだぞ!」
「どうせアーシュビッツの奴は現場経験を積ますためにこの大会に参加したんでしょう、新設部隊に入ってある程度の功績を残せば忠犬の副大隊長になるときに反感に合いにくい」
「いわば、私の部隊を足場だと考えてるんですよ」
真面目な顔をしながら言うマリベルにディランは少し戸惑う
「い、いやしかしだな」
「彼はこの大会きっと通り抜けて私の部隊に入るでしょう…」
「その時は私がきっちり教えてあげましょう」
そう言うマリベルの目はどこか炎がついたようになっていた
「ええぇ…、て、てか魔導大会準優勝者に対してもお前ボロックソに行ってたけど」
そう言うディランの声を遮るようにマリベルは言う
「準優勝じゃ意味ないんですよ、いいですか一位と二位の間にある差は計り知れません」
「かの有名な魔法使いオーフはこう言ったそうです「魔法に際限は無い」この言葉の通り魔法の力は膨大です」
「聞いた話によればサーナトス王は死んだ人間を蘇らせたり、時間を止めることができるそうですよ」
マリベルにそう言われてまたディランは戸惑う
「それにリーベの教育係はどうせなら一流が良いのに」
そうマリベルがつぶやく
「ん?なんか言ったか?」
聞き取れなかったディランがマリベルに聞き返すがマリベルは返事をしない
途端マリベルが席から立ちあがりすごい速さで自分のいた席から離れる
そして今まさに魔法を放とうとする者の首筋に、鞘に収まったままの刀を突き付ける
その身長は180㎝はあるだろうかマリベルよりも一回り以上大きな男を制止させていた
マリベルの咄嗟の行動に会場中はどよめきアンサルは目を見開きディランは席に座ったまま上を見て目を手で覆う
マリベルの刀は魔法使いの男の首筋に狙いを定めていた
「おい!マリベル!!何してるんだよ!」
そうブランが叫ぶ、それに続くようにアンサルが大会の一時中止を宣言する
「おい、お前今第7階級の魔法【精神崩壊】を使うつもりだったろ」
「今朝アンサルが説明したように今後の生活に支障の出る行為は禁止とされてる」
そう言うと会場は一気にどよめく
「ちょちょ!マリベル大隊長!いきなり疑われるなんて心外だな~」
男はふざけたように両手を挙げながら一方後ろに下がる
「いや、確信もなくマリベルは自分の武器を構えねぇよ」
ディランはそう言い魔法使いの男の前に来る
「ど、どうゆうことですかぁ…?ディラン大隊長?」
男は先ほどのようにふざけた声で聞くがその額には大粒の汗をかいていた
「馬鹿にしてんのか?」
そう言ったディランの声は闘技場全体を大きく揺らした、ディランのたった一声でさっきまでどよめいていた、会場は完全に静寂に包まれた
「俺たち猟犬はこの国の城壁を物の数百人程度で守ってる、そのため魔法使いとの戦いも心得てる」
そう言うディランの発言を遮り男は叫ぶ
「だ、だが!魔法発動前でわかるはずがないだろ!なぜ第7階級の【精神崩壊】とわかるんだ!」
ディランが頭を掻きながら言う
「なぁんでみんな俺の発言を遮るんだぁ…」
そう言うとディランを中心に地面に亀裂が入る
そんな中マリベルは「あ、気にしてたんだ」と呑気に思っていた
「俺たちは普段から魔法使いとも戦うんだ、魔法が発動される前に適切な行動をとるために魔力の読み方は心得てる」
「まぁ、できるやつは少ないが、少なくとも俺とマリベルは魔力読みの心得はある」
魔力読みとは
戦場において魔法使いの存在は戦況を大きく左右させる
そんな中魔法を行使できないものは多く、昔の戦場で魔法使いの存在は大きかった
その状況を打開すべくできた技術が魔力読み
魔法が発動されたら戦況が不利になるなら、どんな魔法を行使するかわかるようにすればいいと過去の英雄ルグーラが編み出し伝えていった技術
が、この技術は魔力の流れを完璧に感知できる超人的な目の良さとその魔力にどんな魔法が刻まれてるか理解する知識力が必要になり
この技術ができて500年以上経つが部分的に使えるものは多いものの完璧に使いこなせるのはごく少数に絞られる
「畜生魔力読みができるなんて聞いてないぞ!」
そういい男は腕をマリベルに向かって振りかぶる
がその腕はマリベルにあたることはなく男の腕は宙を舞っていた
男は綺麗に切断された腕の断面を押さえながら地面に転がる
「第4階級【燃える魚】完全に命を狙った魔法だ、このまま連行させてもらうぞ」
マリベルはそう言い男の足を掴もうとする
するとマリベルの周りから爆発音がし白い靄が全体に広がる
マリベルは咄嗟に後ろに下がりその爆発地点を確認する
するとその靄の中から男が現れ先ほどの男を脇に抱えて立っている
男は端正なスーツに身を纏い、中折れ帽を深くかぶっていてその人相は確認できない
「いやはや、まさかお二方がここまで強いとは想像がつきませんでした」
スーツを着た男がそう言った
その声は低いのか高いのか聞き取れず、だが確かに会場にいた全員の耳に届いていた
「おいおいまさかそいつ連れてくんじゃないだろうな?」「一応言っておくが、そいつ置いてけよ、てかお前も泊ってくか?いい部屋用意してやるぜ?」
ディランはそう言うと自分の剣を抜いた
「まさか!御冗談を!今日は宿を取っております故、ここで失礼します」
男はそう言い自分の帽子を脱ぐ
スーツの男の人相はまるでゲームのバグのように崩れていて確認はできなかった、ただ一つわかるのはこの男は只者じゃないという事
「逃がすと思ってんのか?」
ディランがそう言いスーツの男に向かって歩を進める
「もちろん、私じゃあなたに勝てませんからね、少しズルをさせてもらいますよ」
そう言いスーツの男は帽子を地面に落とす
すると地面がまるで水になったかのように崩れる
ディランとマリベルは咄嗟に後ろに飛びその水には飲まれることはなかったが魔法使いの男と戦っていた男がその水の中に飲まれてしまった
その水はスーツの男を中心に50㎝ほどに広がっていた
「おいおいプールの時期はもう終わってるぞ」
「これは失礼!何分文化に疎いもので、これは謝罪の代わりです」
そう言いスーツの男は指を鳴らす
すると国中の水の中から無数のモンスターが現れる
井戸の中コップの中フラムメ王国のありとあらゆる水の中から現れる、”それ”は現れる
そのモンスターの体は紫色の人型だがその体は無数の縫い傷がある、またモンスターの中には一匹に無理やり複数体を混ぜたような歪な姿や腕や足が刃物に置き換えられたものがいる
数千はいるだろうかそのモンスターたちは一斉にマリベルとディランに襲い掛かる
「なんだこのモンスター、見たことないぞ」そういいディランは襲い掛かってくるモンスターを切る
「試験者諸君!君たちに第二試験だ!民間人を安全に非難させろ!」
「ブラン!現場の指示を取れ!民間人の避難を最優先に!城下町の方にも被害が出てるかもしれない!闘技場防衛をしてるスガキ班に応援を頼め!」
マリベルは襲い掛かってくるモンスターを切り伏せながらブランにそう叫ぶ
「了解!、皆さんここから逃げてください!」
ブランはそう叫び民間人の避難指示を開始する
ブランに続くようにスガキ班の人間や試験に参加していた者たちが避難指示をする
「マリベル、首を切ることを忘れるな…、こいつら人間だ」
ディランがそうつぶやく
「ほんとか…?」
「あぁ、正確には元人間だ、こいつらどこかで見たことあると思ったら、俺の行きつけの酒場のマスターだったり、常連だったり」
「ここ最近で行方不明になった奴らばっかだ」
そう言うディランの声はどこか重みを帯びていた
「わかった、弔ってやろう…」
そういい、マリベルは刀を鞘から抜き刀身を露出させる
鞘から露出した刃からは異常なほどに煮え切られた魔力が辺り一面を覆い
モンスターたちはその場で足踏みをした
するとスーツの男が叫んだ
「ははは!それが神の血を吸った伝説の魔剣カッシミー、恐怖なんて感情を持たないミュータントたちが怖気づくなんて!」
マリベルはカッシミーを振りかぶる
その刃から斬撃が飛びマリベルの前方にいたミュータントたちを一斉に倒した
「さて、今回のフラムメ王国国民に対する所業万死に値する」
そういいマリベルはスーツの男に向かって石を蹴る
その蹴られた石はとんでもないスピードでスーツの男に直撃した
と思われたがその石は男の後方の壁に食い込む
「ははは!好戦的ですね!、それでは!」
スーツの男はそう言い足元の水の中に消えていく
「畜生マリベル!顔を覚えたから!俺の腕の恨み必ず晴らさせてもらうぞ!」
スーツの男に抱えられた魔法使いの男はそう言い地面に吸い込まれていく
するとフラムメ王国全体で暴れていたミュータント全員とスーツの男と魔法使いの男の頭上に金色に光る魔法陣が現れる
「第4階級【黄金の楔】」
何処かからそんな声が聞こえ、その魔法陣の中から金色の光が現れ、その光はミュータント全員を縦に貫く
最後まで読んでいただけましたでしょうか。
読んでいただけたのなら幸いです。




