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序幕 世界のはじまりの物語

ファンタジー世界の物語です。実在する宗教、人物などとは一切無関係です。

 はるか昔の物語……。

 この世界には、暗黒の象徴である大魔王が存在した。

 昼も夜もない、ただ闇が広がる世界。

 人々は恐れおののき、絶望を味わった。


 世界には希望なんてない。そう思われた時……。

 天空から眩い光を放つ、一人の青年が現れた。

 彼の背中には真っ白な翼が4つ生えており、その手には剣が握られていた。

 彼が剣を頭上に掲げると、暗雲が一気に晴れ渡り、一筋の光が天空から降り注いだ。

 その光は魔王を撃ち滅ぼし、暗雲の世界を薙ぎ払った。


 青年は自らの名を『ベネディクト・ラ・フェスタ』と名乗った。


 人々は敬意を込めて、彼をこう呼んだ。

『偉大なる大魔法使い(エルグランデ・マーゴ)』と。

『光の勇者』『聖者』『すぐれた存在』……などなど。

 とにかく、彼を称賛する者は後を絶たなかった。


 この世界には4つの魔法が存在している。

 火、水、風、土の魔法である。

 そして、この世界の魔法には法則があり、相対する魔法を習得することはできない。

 火と水。風と土。それぞれに相反あいはんしている。

 ……つまり、火を覚えれば水を覚える事ができず。

 風を覚えれば、土を覚える事はできない仕組みである。


 ……しかし、その青年はどういうわけか、4つの魔法すべてと光魔法を習得していたのだ。

 光魔法は、彼がこの世界に登場するまでは、誰も目にした事がない特殊な魔法であった。

『見たこともない大魔法使い』

 そのように呼ばれたのは、こういう世界の事情があるが由縁ゆえんである。


 それから、世界に光が訪れた。

 ベネディクトには富と名誉と国が与えれた。

 その名は、『ラ・フェスタ』

 いつしか、『希望の王国』と呼ばれるようになった。


 魔王を倒したあとの彼の背中には翼がなくなり、人間と変わらない姿になった。


 なぜ、翼が消えたのか?

 そんなことを考える人間は、この世界には一人もいなかった。

 彼自身でさえ、忘れてしまったかのように、翼の事は一切口に出さなかった。


 しかし、世界に平和が訪れた。

 このことだけは変わりようのない事実であると、後世にまで語り継がれる事になる。


『シャングリラ』と呼ばれる、この世界においての、はじまりの物語である。

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