世界終末ですけど。
2xxx年、俺たちのいる地球は…世界終末を迎えるそうです。
世界終末のニュースでテレビは大盛り上がり、悪ふざけをする人が増えて最近は治安も悪化。
でも、もう世界は終わるからと警察も相手にしない。
法律も法廷も機能していなかった。
そんな悪化した世の中で俺は、ある少女に会った。
「ねぇ、そこの徳を積んでいる君_」
世界終末だけど、願い事はある?
* * *
それは突然の出来事であった。
「巨大隕石の接近により、世界は終末をむかえます!」
渋谷のスクランブル交差点のテレビに何回も繰り返し流されるその言葉は、受け入れ難いものであった。
辺りは騒然とする。
世界はこの出来事のあと、仕事をするのをやめたのであった。
大人は、酒とギャンブルまたは、やりたいことをやりたい放題
俺、御風 蓮は誰もいなくなった学校にひっそりと来ていた。
御風のクラスである、3年2組に担任の黒瀬いのりがポツリと立っていた。
手作りの卒業証書を眺めながら。
担任は、名残惜しそうに席を見つめる。
蓮は教室のドアを開け、先生に声をかける。
「黒瀬先生、他の生徒は?」
「来なかったわ…さぁ、御風くん。少し…いいえ、結構早い卒業式を始めましょう。」
教室でひっそりと行われた。
教卓の前で卒業証書を手渡す。
「御風くん、卒業おめでとう。もし、地球が無事だったら会いましょう。」
「はい、黒瀬先生。」
その時には、世界終末まで残り2日だった。
結構早い卒業式が終わった後、御風は故郷である静岡県西伊豆に行った。
東京から電車を乗り継いで、バスに乗り1時間ほどの周りに海と山しかない場所
「ほんとに、何もない。」
あるとすれば、コンビニと宿ぐらいだろうか?
そう思いながら歩いて、家について、すぐに浜辺に行った。
人があまりいない、砂浜を一人で見たかった御風はゆっくりと眺めていた。
「ねぇ、そこの徳を積んでいる君_」
世界終末だけど、願い事はある?