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第一〇話 「明石艦、連合艦隊編入」

こんちには。

工藤傳一です。


第二章は明石艦の連合艦隊正式編入から内地活動時代を書きます。

舞台も呉から日本各地に広がる予定です。

第一章では割と否定的な事ばかり書きましたが、とりあえず水に浮ける所と資材さえありゃなんとか活動できちゃう明石艦てやっぱり凄い艦だったんですね。


では、これからも明石艦物語をどうかよろしくお願いいたします。

 昭和14年11月。

 この月は連合艦隊にとって人事、編成が抜本的に見直された忙しい時期だった。新たに配属される人員に新たな配属先に旅立っていく人員、編入されてくる艦船に退役していく艦船。出会いと別れが一杯あった時期、それは明石(あかし)艦とて例外ではなかった。





 月初めの11月1日。

 (ただし)が配属された先での初めての特務艦長であった、堀田幸一(ほった こういち)大佐が明石艦を離れる事になった。呉鎮守府幕僚への転出という。前日の送別会では、『笑って送ってくれ。』と言っていた堀田特務艦長だったが、ラッタルを降りる際に目の縁に涙を湛えていた。明石艦初代艦長であった堀田特務艦長の人柄はまさに親父その物で、見送りの為に整列した水兵にも泣く者が相次いだ。豪快に酒を飲んで歌を歌う堀田特務艦長の背中、ラッタルを降りて遠くなっていく彼のその背中に、忠も感極まって目が熱くなった。


 そして入れ替わりで第二代明石艦特務艦長に就任したのは、宮里秀徳(みやざと しゅうとく)大佐であった。宮里特務艦長は小太りのクリッと丸い目をした人で、香取(かとり)型練習巡洋艦の香取艦、鹿島(かしま)艦の艤装委員長から転出されてきた。階級の割りにとても腰の低い礼儀正しい人で、『よし、思いっきりやってみなさい。』と言うのが口癖だった。決して気難しい人ではないのだが、口数が少ないこの人は鹿児島県出身であるからか、どことなく写真で見た東郷(とうごう)元帥にも似ているような気がする。


 艦内幹部では砲術科においては変更は無し。忠は少尉に任官したばかりなのだから当たり前である。

 大きな変更といえば、工作科が工作部へと昇格した。といっても部隊番号を持たない工作部で、明石艦工作部という名で呼ばれる事になる。小笠原工作長が階級と職制をそのまま引継ぎ、配置が艦橋から艦内工作区画へと変更された。


 また、主計長の川島中尉がめでたく大尉に任官となった。

 彼に逆らう事が出来る理由がまた一つ減った事に、一部の幹部達からは小さな声でブーイングが聞こえる。帝国ホテルでの実習をした事も有るという川島大尉は自ら士官用烹炊所に足を運んで腕を振るう事が多々あり、彼が作る洋食は絶品で他の艦からも評判が良い。ところが優男の外見に似合わず、配膳の時間になると彼は炊飯釜の前に仁王立ちして、気に入らない部署の士官の碗に釜の中から麦ばかりよそって渡すという陰湿な性格の持ち主だった。一度、副長附として威張り散らす遠藤中尉と取っ組み合いの大喧嘩をした際、川島大尉は麦ばかりのご飯に具の入ってない味噌汁を3日連続で食わせ、たまらなくなった遠藤中尉が泣いて詫びるという事件を起こした事もある。

 明石艦に限らず軍艦内ではこういう事は日常茶飯時であり、当時の軍艦の中では特務艦長と主計長だけにはおべっかを使う事は当たり前だった。しかし陰湿だが根は正義感の強い川島大尉のこのささやかなお仕置きは、艦内でのイジメ等の徹底的な駆逐に大きく貢献していたりもする。





 そして少し経った11月15日、それは明石艦にとって待ちに待った日であった。

 竣工から2ヶ月、ついに明石艦が連合艦隊に正式に編入される式が挙行されるのである。


 晴天の下の明石艦艦尾には宮里特務艦長を初めとした明石艦幹部に加え、山本五十六(やまもと いそろく)司令長官、福留繁(ふくどめ しげる)参謀長を初めとした連合艦隊上層幕僚も臨席しており、明石艦に掛かる期待の大きさが見て取れる。普段はお目にはかかれない上級幕僚の面々に、青木大尉の後ろに並ぶ忠も緊張した面持ちだった。

 粛々と進められる編入式だが、前に進み出た水兵達が手に持つ物に、その場に居合わせる全員の顔が明るくなる。真新しい十六条の旭日旗、それは正式な明石艦の軍艦旗である。忠の隣に立つ明石の表情も、まるで頭上にて光を放つ太陽の様に輝く。ついに明石艦の艦尾旗竿に帝国海軍艦艇の証、軍艦旗が翻るのである。


『軍艦旗揚げ方! 揚げ!』


 宮里特務艦長の号令と供に、旗竿の下の水兵達が掲揚を始めた。その場に居る全員がその光景に直立不動で敬礼する。

 軍楽隊が奏でる荘厳な君が代が響く中、軍艦旗がスルスルと旗竿に昇っていく。明石艦と同じ工作艦は改装を経た物なら数隻あるが、明石艦は設計時どころか予算の成立に至る時点で既に工作艦と類別されていた専門のお船である。


 これから始まる明石艦の任務は、どれもこれも明石艦でなければ遂行できない任務。オレ達しかやる事ができない。


 その思いに明石艦乗組員達の表情が引き締まった。

 旗が旗竿のてっぺんに位置すると同時に、瀬戸内の風が翻ったばかりの軍艦旗を靡かせる。艦尾の乾舷にも白い平仮名で艦名が書かれた。誇らしげに宙に舞う軍艦旗に、明石と忠は顔を合わせて微笑んだ。



 滞り無く編入式を終えた山本長官率いる幕僚達は、宮里特務艦長の案内で艦内に入って行った。この艦への期待の現われなのか、幕僚達は笑顔で雑談しながら艦内見学と洒落込むらしい。『あれが山本司令長官かあ。』とあちこちから囁くように小さな声が上がって、辺りは少しざわつく。お偉方が居なくなった事にその場の緊張の糸が切れたのか、整列した乗組員達は姿勢を崩し、仲間内で集まってこれからの艦隊勤務にかける意気込みを語り合っている。

 やがてしばらく続いていたその光景に副長が解散を命じ、乗組員達は自分の配置へと帰っていった。騒がしかった艦尾は再び波音と、海鳥の鳴き声と、工廠のあちこちから発せられる機械音に包まれる。





 清清しい気持ちの忠は快晴の空に深呼吸してふと明石を見たが、彼女は何故か少し俯いて寂しそうな笑みをしていた。先程は笑みを向けてきたのにと不思議に思い、忠は口を開いた。


『どうした、明石? そんな顔して?』

『うん・・・。どうして艦魂って皆には見えないのかなぁって・・・。』

『え・・・?』


 いつもの事だが突拍子の無い彼女の言葉。だが笑みを伴ういつものそれとは違い、今の明石はとても残念そうな顔をしていた。


『みんな、私が見えれば、もうちょっと祝って貰えたりとかできるのに・・・。』

『・・・(かすみ)(あられ)達がきっと今日はきてくれるさ。』

『うん・・・。嬉しいんだけど、なんか連合艦隊の一員になったって実感が思ったより湧かなくて・・・。』


 明石はそう言うと小さく舌を出して苦笑いしてみせた。


『仕方ないよね、工作艦なんだし。これから頑張るしかないよね。』

『あはは。元気出してよ。その分はオレが祝ってあげるよ。食い物くらいしか用意できないけど。』


 落ち込む一歩手前の明石の心を忠は読み取っていたが、彼は敢えて笑って声を返してやった。この世界にはどうにもならない事というのは必ず有る。それをくどくどと説教するのも、一緒に落ち込むのも忠は嫌だった。


 明石に似合うのは笑顔。だったらせめて笑わせてやりたい。


 それが忠なりの思いやりであり、優しさだった。もっとも彼の申し出に明石はコロっと落ち込んだ気持ちが翻ってしまったらしく、なんとも無垢な笑みを浮かべるとまたぞろ忠に無理難題をふっかけ始める。


『ふふふ。じゃあ、大福とお寿司が食べたい!』

『おいおい、ありがとうぐらい─。』

『あと天ぷらも食べたい!』


 元気になってくれた事を喜びつつも、その代償に片手を上げてアレコレとまた食い物に関する注文をつけてくる明石に、思わず忠の表情が軽く厳しい物へと変わる。次いでその心情を吐露しかけた刹那、明石は海軍士官たる彼の揚げ足をとるかのような事を言い始めた。



『ったくもう、元気付けてやるとすぐ─。』

『言行に恥づる勿かりしか!』

『あ、きったね〜。こんな所で五省使いやがって!』

『あははは、森さんが言ったんだよ! ちゃんと買ってきてね!』


 明石はいつもの綺麗な笑顔に戻って忠をからかった。


 やれやれ、出費がかさむなぁ。


 そう思いながらも忠は明石に笑みが戻った事に安堵した。

 笑いながら彼は、工廠近くの寿司屋やお菓子屋の場所を記憶から探し始める。ふと見上げた晴天に輝く太陽が、不思議と忠には『がんばれ。』と言って励ましてくれているように見えた。






『さあ、戻ろっか。明石。』

『うん。』


 静かに靡く軍艦旗から顔を返して歩き出した二人だったが、突然辺りを包んだ眩い白い光りに立ち止まった。太陽を直視したような閃光に、思わず目を閉じる明石と忠。やがて光がやんだ事に気づき、白い残像がまだ残る目をうっすらと開ける。


『よっ!』


 二人の前にはそう言って白い歯を見せ、ニコニコと笑みを湛える長門(ながと)がいた。いつもはだらしのない格好の長門だが、今日はちゃんと制服を着て帽子まで被っている。しかし中身までは変わらないらしく、連合艦隊旗艦にして中将の立場である彼女は近所のオバチャンのように片手を上げて挨拶をした。


『な、長門さん?』

『や〜、ついに明石にも軍艦旗が翻ったね〜。良かった、良かった。』


 長門は心底嬉しそうにそう言って忠と明石の肩に手を触れた。長門の眩しい笑みに忠と明石は口元を緩めたが、長門の後ろから発せられた声がそれを遮った。


『姉さん、公務中よ。少しは遠慮してよ。』


 声の主は長門とよく似た顔つきの女性だった。黒髪の長髪である長門に対し、彼女は少し赤みかかったクセ毛の短髪である。『ごめんなさいね。』と困った顔で忠と明石に小さく謝る彼女に、二人は姉とは違った礼儀正しい彼女の性格が読み取れた。

 そして長門と同じ中将の襟章を身につけ、長門を姉さんと呼んだ事から忠と明石は彼女の正体を知る。彼女は長門型戦艦二番艦である陸奥(むつ)艦の艦魂である。


『んも〜、カタイの好きじゃないのに〜。』


 陸奥の言葉に少し俯いて口を尖らせながら渋々と後ろに下がる長門だったが、スッと顔上げると引き締めた表情で明石をみつめてきた。初めて見る長門の凛々しい顔には雄大でどこまでも続く水平線のような静かさと、外洋の波のうねりを思わせる力強さが感じられる。そんな長門の顔に明石と忠は無意識に姿勢を正す。二人のその変化を眼にした長門は、小さく笑って声を上げる。


『明石少尉、本日から貴官は連合艦隊付属として正式に編入されました。堅忍不抜の精神を持ち、常に努力を惜しまず、帝国海軍工作艦たる体面を重んじ、全力を賭して職務に励みなさい。おめでとう。』

『はい!』


 明石はその言葉に大きな声で返事をして敬礼をした。釣られて敬礼した忠に、長門は小さく頷く。するとどこからともなく女性の声で号令が掛けられた。


『明石少尉に敬礼!捧げ〜、銃〜!』


 号令と同時にあちこちから響く金属音に明石と忠が辺りを見回すと、そこには士官服、水兵服の艦魂達が一斉に敬礼をする姿があった。明石の左側では神通(じんつう)那珂(なか)、そして霞、霰が微笑んで敬礼していた。


『陸奥。』

『はい。』


 長門の声に陸奥は小さな木箱を開けて長門に渡した。長門はその中身をとって明石の前に差し出し、明石は視界に認めたそれが何であるのかをすぐに理解する。それは人間の世界では軍医少尉を示す、赤線の入った少尉の襟章だった。


『そ、それは・・・。』


 初めて目にする特別な襟章に言葉を失う明石だが、長門は笑みを崩さぬまま歩み寄って、自らの手で襟章を明石の両襟に結わえ付けながら言った。


『明石、君は私達の中で唯一の専門の軍医さん。ここにいる艦魂達はアタシを含めて、誰一人として明石のように傷を癒す事はできない。でも明石は・・・、神通とさえ渡り合えた明石だけは絶対に上手く出来るよ。前線での戦闘はアタシ達がやる。でもアタシ達の命は、明石に預けるよ。アタシ達は仲間である明石を信じてるからね。』

『うぅ・・・、は、はい・・・。』


 優しく微笑んで口にした長門の言葉に、明石は笑おうとしながらも涙で頬を濡らしていた。そしてその明石の涙を流しながらの笑顔に、忠は彼女の胸に抱いた気持ちを悟って微笑む。

 明石はずっと、工作艦である自分が戦闘艦である彼女達と違う事に悩んでいた。連合艦隊の一員とは思えない自分の姿に、劣等感すら持っていたと言っても良いだろう。しかし彼女はいま、連合艦隊の長である長門に仲間という言葉で歓迎され、皆の前で自分の存在を讃えられたのである。これ程嬉しい事はないだろう。



『ほうら、森クン。こういうのは男の子のお仕事だよ。』


 長門はそう言って、明石と忠の肩に手を触れて向かい合わせた。涙を拭きながら笑みを浮かべる明石に、突然の出番で戸惑う忠は必死に明石を励まそうと声を発する。


『あ、明石・・・、その、泣くなよ。』

『ぅ、うん・・・。』

『か〜〜、も〜〜、若いんだから〜!こうする・・・の!!』


 長門は埒が明かない忠に言葉を荒げて忠と明石の背に手を添えると、グイっと力をいれて二人の身体を重ねた。周りの艦魂達から黄色い歓声が響く。

 すぐ近くにある相手の顔に、忠も明石も頬を赤くして固まってしまった。2ヶ月も一緒に暮らしてきたのに、こんな距離で相手の顔を見るのはお互い初めてだった。目を潤ませながらも見つめてくる明石だが既にその涙は止まっており、泣き止んだ明石を認めた忠は少しだけ落ち着ける事が出来た。


『あ、あはは・・・。良かったな、明石・・・。』

『・・・う、うん!やったよ、私!軍医少尉だよ!』

『おわあっ!』


 明石は再度涙を流しつつも、それを振り払うように忠の背に腕を回して抱きついた。勢い良く抱きつく明石に忠は体制を少し崩したが、明石はお構い無しに忠の胸に顔を埋めてニッコリ笑う。だが明石のその晴れた空のような笑顔に、忠もまた微笑んで明石の両肩に手を乗せて抱き寄せた。


『あははは、ホントに良かったな。』

『連合艦隊だよ!私も連合艦隊だよ!』


 抱きあって笑いあう忠と明石。周りの艦魂達が黄色い歓声をとばして二人を見つめる中、この人が口を開く。


『ふん。見てはおれんわ・・・。』


 隣に立っていた那珂は、その声を放った神通の顔をそっと覗きこむ。神通は目を閉じて頭を掻きながらも、優しく笑っていた。霞と霰もそれに気づき、顔を見合わせて声を出さずに笑いあう。嬉々としたその光景に長門は頷くと、手をパンパンと叩いて声を上げた。


『よ〜し、みんな! 夕食までに各戦隊で明石のご祝儀を用意してくるのよ! 今日は明石の編入祝いね! 別れ!』

『『『 はい! 』』』


 長門の声を受けた艦魂達は返事をすると、一斉に白い光りを放って消えていった。と言っても全員ではないようで、数名の艦魂はその場に残ったままだった。明石は残った艦魂達に笑みを向けて忠から少し離れる。その場に残っているのは神通、那珂、霞、霰、そして長門だった。みんな明石とは親しい間柄の者達で彼女の編入を祝う為であろうと忠は予測するのだが、不思議な事に彼女達は忠の方を見てなんとも優しく微笑んでいる。


『森クン、よくやった! それでこそ男の子!』


 ドンと長門が忠の背中を叩いて言った。ほぼ長門が強行させたという表現が正しいのだが、忠も長門もそれを気にしていなかった。


 明石が心のそこから喜んでくれた、それでいいじゃないか。


 忠も長門も全く同じ言葉を脳裏によぎらせて笑った。


『森さん今日はカッコイ〜!』


 霞が歩み寄って白い歯を見せて微笑む。しかしその言葉には少し引っかかりが有り、忠はその事を彼女に問いただす。


『あはは、今日"は"ってなんだよ?』

『ふはは、いいトコあるじゃないか。明石に胸を貸して、さらにご馳走までオゴってくれるんだろ?』

『あはは・・・、え!?』


 ふと響いてきた神通の言葉に忠は凍りついた。先程そう言ったのは明石と二人でいる時だった筈だし、そもそも明石のみに対して言ったつもりである忠。だが彼はこの時初めて、彼女達が不自然にニヤけている事に気づいた。


『き、聞いてたの!?』


 慌てる忠だったが、それは彼が一瞬にして予想した通りの状況だった。無常にも彼女達の言葉が続く。


『森さん、大福は多めに買うてきて欲しいどす。ウチ大福好きやさかい。』

『ちょ、ちょっと待っ─!』

『ふふふ。森さん、量は多いわよ。直ちに出撃の要有りと認む。』

『那珂、冗談だろ!? 今、勤務中─!』

『あははは、半径30キロぐらいならすぐだよ〜! アタシの主砲の強装射撃で送ってあげる!』

『勘弁してくれよ! お、おい明石、お前もなんとか言え─!』


 忠の声が終る前に、明石は再び忠の胸に飛び込んできた。


『あ、明石・・・?』


 目を閉じて忠の胸に頬を埋めて一呼吸した後、彼女はスッと顔を上げて笑顔で言い放った。


『あんみつも追加!』






 数分後、まるで発射管から圧搾空気で打ち出される魚雷のようにラッタルを降り、艦から飛び出して行く忠の姿が有った。乙女達の笑い声が響く中、それを切り裂くような咆哮が工廠内に木霊する。


『お前等、みんな嫌いだー!!』


 そんな光景を風に揺られる明石艦の軍艦旗が静かに見守っていた。

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