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そこはなにもない小さな島だった。

いや、かつては大きな砦が二つあったがいまは跡形もなくなっている。

「勇者ってすげーんだな~」そんなノンキなセリフがポロッとでた。

山は抉られ、いびつな水の無い川のような地形が視界に広がる。

戦場はみたことがあるがここまで酷い場所は見たことがなかった。


ここは人族と魔族が統治する大陸に挟まれた小さな島

いまは魔族領となっているこの島を開拓することを人族に課せられた罰の一つだ。

魔族の軍人も島にはいるが人族領に近い場所に砦を建設中である。もちろんそれにかかった資金は人族が払うことになっている。


そしてロニが担当する村には魔族の一般人と少数の自衛団しかいない。

人族を信用しているわけではない。後ろには魔族軍がいるため馬鹿なことなどできるはずも無い。

それにしてもこの村の魔族は優しい人ばかりだった。

はじめて村にやってきた日に歓迎会を開いてくれたし、気さくに声を掛けてくれる。

そんな雰囲気に甘え、ロニは簡単に心を開いていく

「やあロニ、今度の祭りは期待して良いのかい?」笑顔で語りかけてくる農家のジャーニーさん

「もちろんですよ、もうあたりはつけてるんすから」

今度の収穫祭用の肉の確保にロニは立候補していた。ロニ自身も祭りは好きだし、なんと言っても肉が食いたい。

この村は特別だが、贅沢ができるわけではない。

村から3日はかかる山に大きなイノシシが取れることは分かっていたが往復で一週間以上かかる場所に祭りだからといって早々やすやすと行けない。

それに取れた肉を腐らせずに持ち帰るのも簡単なことではない。

「空間魔法は最近ですけど使えるようになりました」

ある日、勇者に困っていることを愚痴交じりに言うと要約すると特殊な空間に物を保存できるようになったと言ってきたのだ、もちろん時間が止まった空間に保存できるため肉を腐らせることなく持ち帰るのだ。

「よっしゃ!みんなのためにでけー肉を取りに行こうぜ!」

みんなのためならと了承する勇者を連れ、ベルル山へと向かうのだった。

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