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カノンを捜して~Ⅱ  作者: 塘夜 凛
17/22

17 今日も未來君の心配事が尽きません。Ⅱ




daddyとmom僕の3人で買い物に出ると家族と見られるが、僕と母2人になると何時もデートと勘違いされる。仕方ない。momは日本人特有の童顔で、僕は最近daddyに似てきた容姿とこの身長。


僕のクラスの親子に有ってもまず色んな方向からの誤解をされる。

過度なスキンシップと頬へのキスは相変わらずで、日本人はあまりスキンシップは摂らないらしい。

momの癖だが日本では場所を考えて欲しいとパパに相談したが無理だと却下された。


momの場合気づいて無いから処構わず僕にキスする癖?(僕限定)も一度指摘すると気にしてそれ以降一切無くなるからだって言ってた。

僕の事を愛して止まないmomの癖だと思って諦めろと言う事らしい。





最近momは長期休暇を取った。去年からお願いしていた僕の兄弟がやっと授かったらしい。

今日も朝から青い顔して送り出してくれた。


この後はパパが付き添って検診に行くらしい。僕の時も検診に付き添ったパパは何の抵抗もないみたい。良いのかそれで?・・・当時は高校生だった筈なのに。


ウチはdaddyが何時も日本に居ない代わりにパパや蓮音、他にお父さんが居るけど、偶にパパにお嫁さんが来なかったらどうしようか心配になる。

日本でもアメリカでもパパは本当に僕の面倒をよく見てくれた。

そんなパパが幸せになるなら心から応援したい。

でもそう言うと、『まだ運命の人に出会って無いだけだよと。』やんわりと否定された。

決して僕とmomのせいじゃ無いって言ってくれる。


日本人男性としてこんなに出来た人は居ないと思うんだけど・・・

どっちかと言うと蓮音の方が血の繋がりがあるけど大雑把だね。詩音に良く似たゴリマッチョの伯父。


何で美容師がゴリマッチョ?とか思ったら趣味は空手と筋トレ。家の4階には筋トレルームが有る。

全部自由に使えと言われるが僕は興味が無い。アメリカに蓮音が来ると護身術迄やらされた。

今も毎週月曜日に色んな犯罪をシミュレーションして訓練される。



話は大分逸れたが今日も何時ものスーパーで買い物してると同じクラスの女子親子に出会ってしまった。


「こんにちは、未來君。今日もお姉さんと買い物?兄妹仲が良いのね?」


「こんにちは。長谷川さん。」


「未來君。ウチのお母さんと未來君のお姉さんが買い物してる間にアイスを食べない?」


あからさまだなぁ・・・と思うが1人を構うと次から全部付き合わなきゃならなくなるので


「ごめん。今日は買い物の量が多くなるから付いて来たんだ・・・また今度ね。」


ガッカリとうな垂れた長谷川さんを見た母は


《未來、アイスクリーム位付き合ったら?》


ボソリと聞いて来た。


《mom僕の事を大事に思うなら余計な事は言わないで・・・》


とニッコリ笑って答えた。此処で長谷川さんとアイスでも食べただけで、明日学校でとんでもない事が起きる。学校で楓には話架けるが椿には声を架けない。女子とはそういう者らしい。

これはお父さんが教えてくれた。

お父さんにとって可愛い姪が僕と話しただけで虐めの対象になるのは避けたい処。


昔お父さんがmomを好き過ぎて、momは小中で同級生だった女子に暴力を受けたらしい。

その後のmomの行動に唖然としたが・・・そこは敢えて言わない。


買い物が終わりスーパーを出た処でdaddyに遭遇。高級な仕立てのスーツを来た外人は目立つ。


「花音。大事な時に買い物なんて行かないで。ちゃんと宅配サービス使って・・・」


《daddy 僕が居るから大丈夫だよ。》


「そうよ。未来もいるんだし・・」


「君の身体が心配なんだよ。」


momにはとことん甘い顔をして腰を抱く。


「あのぅ・・・未來君のお父さんだよね?」


「そうだけど、何か?」


「じゃあ・・・此方はお姉さんじゃなくお母さん?」


「僕学校でもmomって言ってたよね。」


「・・・・・・・」


「何時も息子と妻がお世話になっております。未來の父でショーン・ディランといいます。」


「こっ・・こちらこそ娘から何時も未來君のお話は伺ってます。」


《家で話されるような付き合いはしてない筈なんだけど・・・》


「未來・・・」


momその困った笑顔が怖いよ。長谷川さんのお母さんはdaddyをうっとり見つめていた。

そこに車で待っていたパパが呼びに来た。


「何時まで立ち話してるの?帰るよ・・・」


「パパ・・」


「あき兄迄来たの?」


「ショーンが帰ってきて二人が居ないから探しに連れてけって起こされたんだよ・・・」


おっ・・ちょっと不機嫌?イケメンは怒ってもイケメンだなぁ・・・

なんて思っていたら手荷物を受け取りさっさと車に帰って行った。


「パパ?」


「あぁ・・あの人のニックネームみたいな?・・・」


「未來君の周り素敵な人多いのね・・・」


「そう?・・・じゃあまた学校で・・」


daddyはmomの腰に手を回したまま車へと促す。

daddyとパパを見て赤い顔でうっとりしていた長谷川親子を置いてさっさと帰った。


次の日学校へ行くと僕は長谷川さんと買い物デートした事になっていた。

面倒なので否定も肯定もしなかったらいつの間にか付き合ってるとかいう噂になってる。

あれ以来話もしていないのに?・・・


でも二時間目の休み時間に廊下で合った椿が泣きそうな顔をしていたから昼休みに3年生のクラス迄行って話を聞いた。

この学校でかなり目立つ僕が3年生のクラスに行くのは戸惑いも有ったけど、妹の様な椿が泣いているのは放って置けなかった。


「椿?・・・どうした?・・・誰かに意地悪された?」


「未來君。何でもないよ・・・」


「何でも無い事で泣いてたの?・・・」


皆に注目され俯きながら首を振っていた椿はハッとした顔で


「お兄ちゃんには言わないで・・・」


「何があった?」


「未來君。あゆみちゃんのお姉ちゃんとスーパーで合ったでしょ?

だからスーパーで偶然会っただけよって、あゆみちゃんに言ったら怒っちゃったの。」


「??・あゆみちゃんって誰?」


「長谷川あゆみちゃん。」


「長谷川さん?あぁ・・妹いたんだ・・・分かった。僕からキチンと話とく。」


「でも・・・」


「大丈夫。椿は心配しなくて良いよ。」


椿の頭をヨシヨシと撫で任せてと伝える。途端にクラスの女子は悲鳴をあげる。

しまった・・・過剰なスキンシップは外ではやってはいけなかった。

クラスに戻り長谷川さんに声を架ける。


「長谷川さん妹いるよね。」


真っ赤な顔した長谷川さんは頭をコクコクと動かす。


「何故か知らないけど、僕と君が付き合ってるって云う噂が有って、椿が買い物で合っただけだって否定したら君の妹に怒られたみたいだよ。それで、椿が泣いちゃって・・・困ったなー。

椿を泣かすとパパやお父さんに迄、僕が怒られてしまうんだよね・・・

そもそもスーパーで合っただけで変な噂が立つとか理解できないな・・・そう思わない?・・・」


「ごっ・・・ごめんなさい・・・妹が何か勘違いしたみたいで・・・」


「僕のせいで楓や椿が傷付けると家のmomが怒るんだ。弟妹の面倒も見れないのって・・・」


「私も妹には注意しておくね。」


「うん。有難う。お願いするよ。」


此れから椿が虐めに合う事もないだろう。でも注意しとかないとね。

本当は長谷川姉妹が周りに噂を流して僕と交際している事にしょうとしていた事は知っていたけど、卑怯な人間に興味は沸かないし目下僕の興味は日に日に大きくなっていくmomのお腹の弟妹?で精一杯だ。


家に帰り椿の事をmomとパパに報告するとmomは大きな溜息を付いて腕組、パパは困った様に笑い偉かったと頭を撫でてくれた。夜になると梓一家がやって来た。


「未來君。今日椿泣いてたんだって?」


「あっ・・椿、ちゃんとあゆみちゃん?のお姉さんに言っといたから。でも楓には言ってないよ。」


「未來君が3年生の教室に来た時点で噂が広がるから・・・僕の勘で、椿に何かやったなって・・・」


あぁ・・・やっぱりか・・・何処に居ても目立ってしまう。

いっそアニメで見るような瓶底眼鏡でも掛けてダサい服着ていこうかなぁ・・・


「僕、いやだからね・・・・ダサいチェックのシャツ着たダラシない未來君とか・・・」


楓ってやっぱり本田の子供だなぁ・・・勘の鋭さがパパにそっくり・・・


「う~ん。持ってないよ・・・ははは・・・」


「椿の事気付いてくれて有難う・・・未來。でもそんなに心配しなくていいぞ・・・椿だって花音程強くは無いけど弱くも無い。未來に関した噂は放っとく様に言ってあったんだ。」


梓が椿を窘めていた。


「だって。あゆみちゃんが将来は未來君が自分のお兄さんに成るとか皆の前で言うから・・・」


「最近の小学生は怖いな~買い物で会っただけで結婚まで話が飛躍するんだ・・・」


「瑛叔父ちゃん、未來君の事なら今始まった事じゃないよ。」


「そうよ。学校で一番人気なんだから・・・」


甥姪に注意を受けるパパに同情しながらmomを見た。


《未來、日本は居づらい?》


《問題ないよ。日本に居るとどうしてもこの外見は目立つし、何処にいたって注目を浴びて来たんだ。》


そう言うと困った顔で笑うmomに寄り添った。


《未來、どうしても無理と思ったら何時でも言ってくれ。パパが直ぐにでもアメリカに連れて行くよ》


《有難う。パパ》



「嫌だー未来くんがアメリカに帰る時は僕も行く・・・」


「楓?・・・行かないよ・・・」


しまった。楓は最近英会話が聞き取れる様になってたんだ・・・余計な心配を架けてしまった。


「楓。その時までしっかり英会話出来ないとね。家に来たら英語で話すと良いよ。」


笑ってmomを見ると怪訝な顔をした。



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