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カノンを捜して~Ⅱ  作者: 塘夜 凛
10/22

10 藤沢さんの片思い。 Ⅴ

朝目覚めると外で何やら盛り上がっていた。覗きに行くと・・・うゎー甲板でジャグジーとか・・・

セレブの世界だわ・・・楓くんと椿ちゃんが水着を来てきた。


「藤沢さんも入りませんか?」


椿ちゃんが誘ってくれた。いいのかな・・・


「善かったら入りませんか?」


葵さんも誘ってくれた。私は急いで部屋に帰ると水着に着替えジャグジーへと向かった。


「おはようございます。」


声をかけて中へ入る。


「おはよう。藤沢さん。私もうでるわね・・・」


そう言って立ち上がった花音さんを見て驚く・・・


「長く入ってるとのぼせちゃって・・」


「セクシーダイナマイト・・・・花音さんそのお胸の膨らみは何カップですか?・・・・」


「ふふふっ・・・何言ってるの藤沢さん・・・面白い子ね・・・」


そう言ってジャグジーを出て行った・・・あわわわ・・・声に出てた?・・・


「花音、タオルとローブ早く着て・・・風邪引く・・・」


「ん・・・あき兄ありがと・・・入らないの?」


「俺はいい・・・」


是迄、結構胸には自信が有った私は急に自分が恥ずかしくなる・・・

皆あの胸を見てたから私のビキニ姿に何の反応もしなかったんですね・・・

ちっパイとか思われてたかも・・・


ジャグジーを上がった後キッチンに飲み物を取りに行き香織さんと合う。


「どうだった?ジャグジー良かった?」


「はい。海の中のお風呂って感じで贅沢を味わえました。」


「そうなの?じゃあ私も夕方入ろうかしら・・・」


「あのぅ・・・花音さんのお胸・・・」


「みた?・・・驚くでしょ・・・Fカップ・・・産後はGカップだったらしいわよ・・・あそこまで大きくなると下着が専門店に行かないと売ってないのよね~しかも高いしデザインも可愛いのないし・・・私標準で良かったわ~」


「因みに香織さんは?」


「私はEカップ。普通でしょ・・・小百合さんもお義母さんもEだし・・・」


この中で私が一番小さいの?巨乳の集まり?


「ははは・・・そうですか・・・」


「花音と比べたらダメよ・・・あの子なにげにハイスペックだから・・・比べると凹むのよね・・・

それでいて性格良いから競おうとも思えない・・・馬鹿らしくて・・・」


それは身内だからでは・・・?それにしても1児の母とは思えぬボディだったなぁ・・・


男性陣のナイスボディは初日のシュノーケリングで見ていたし、昨日のダイビングで全員見た。葵さんと花音さんのお父さんの迄。家のお父さんみたいなブヨブヨは一人もいない・・・


女性は今日花音さんを初めて見た・・・椿ちゃん以外だけど・・・香織さんも見逃したし・・・

環境がそうさせるのか?もしかしたら家のお父さんもこういう人達の中で生活したらブヨブヨにはならなかったとか?・・・・ありえない・・・


1人ブツブツと呟き部屋でシャワーを浴び着替えた。


お昼は自由行動になったので其々出て行った。私は花音さんに誘われソーキそばを食べに行く。

ショーンさんは船で仕事だそうで葵さんと瑛さん未來君の5人で出かけた。


途中花音さんが態と未來君を怒らせて、未來君は飛び出して行き葵さんは彼を追いかけた。

瑛さんは花音さんを心配する。花音さんは渋々答えた。


「心配なだけよ・・・あの人も、未來も、あき兄も・・・」


「俺は無理してないよ・・・可愛い息子の為だ・・・」


「あき兄・・・恋しなさいよ・・タマには・・・無駄イケメン・・・」


「ぶっ・・・無駄イケメンって・・・」


「藤沢さんもそう思わない?」


「優子です。藤沢さんじゃ無く優子って呼んでください。」


ずっと自分だけが苗字で呼ばれる事が引っかかっていて漸く言えた。


「じゃぁ・・・優ちゃんね・・・ここよ・・・雑誌に載ってたお店・・・」


注文後未來君と葵さんは戻ってきた。

何も無かった様に再度注文を繰り返した花音さんはさっきの不安を微塵も見せない。

ご飯の量を見て食べられなさそうだったので先に花音さんと分けた。

花音さんは大盛りそばの途中でギブアップする。

当然のように葵さんは花音さんの食べ残しを食べていた。

食べ掛けですよね・・・何時もの事だから気にしないでと葵さんに言われた・・・・


帰りに葵さんに夕食後話がしたいと告げた。

多分今夜私は振られる。それでも自分なりのけじめを付けようと思った。


「葵さん。もう気付てるかも知れないけれど、貴方が好きです。」


「そうだね。結構露骨だったもんね。じゃぁ・・・俺の気持ちも気付てるよね・・・悪いけど君の気持ちには答えられない。」


「ずっと花音さんの事を思い続けるつもりですか?」


「先の事なんて分からないよ。案外違うタイプの人を好きになるかもしれないし・・・

説明出来る感情じゃないんだ・・・悪いけど」


そう言って部屋に帰って行った。



「振られちゃいました・・・」


ダイニングの外にいたカイルさんに報告する。


「うん。優は頑張ったね・・・また新しいステップに進めるよ」


「優って・・・」


「花音が優ちゃんって呼んでいただろ?」


年下に上から頭をナデナデされて複雑な顔をする。


「私暫くは恋より自分を磨きたいのでお仕事お願いします。」


「了解です。これからはビジネスパートナーだね。よろしく」


そう言ってカイルさんは出て行った。


夢の様な沖縄旅行から帰ると私は引越しの為荷物を纏めた。

家に帰った日から片時もイヤホンを外さない。中身は英会話。

仕事先の希望は東京と地方どちらがいいか聞かれ、地方とは花音さんの自宅の一階にあるカフェだと知り地方を選んだ。自分もすっかり花音さんの信者だ・・・


東京で6畳ワンルームマンションに住んでいた私は衝撃を受けた。

同じ家賃で以前瑛さんが住んでいた2LDKオートロックマンションに越す事が出来た。

瑛さんが大家さんに掛け合ってくれたらしい。

すっかりリホームされた後でとても綺麗たった。


『Café future』と言うお店に案内されオーナーの坂口さんを紹介された。

坂口さんはオーナーシェフだが経営はショーンさんの会社だと教えて貰う。

カイルさんは私の指導係にイタリア人のエミーリオ・ランツァーレさん28歳を紹介した。

そして店内で他のスタッフと話す時は英会話、エミーリオさんとはイタリア語でと言われる・・・

最初は大サービスして英会話でいいと言って消えた・・・・悪魔か・・・カイルさん・・・



夕方ワラワラと女の子に囲まれた未來君が小学校から帰って来る。お店の前で花音さんにただいまの挨拶をすると私に気付いて手を振った。途端、中学生女子に睨まれる。マジか・・・最近の中学生って怖っ・・


《優さん今日からですか?頑張って下さい》


《はい》


いきなり英語で話しかけられ。YESしか答えられない大人・・・泣きたい・・・


《daddyが優さんに話すときは英語かイタリア語だって言ったから・・・》


笑いながら何か言っている未來君の言葉が聞き取れない・・・笑って誤魔化そうとしたら楓君が来て通訳してくれた。未來君は楓君に英語で注意した。椿ちゃんが笑ってる。

もしかして椿ちゃんも聞き取れてる?目で聞いたら・・・


「I will do my bestって言って・・・」


耳元でこっそりと教えてくれた・・・ほんと頑張るよ・・・


やたら知能が高い子供達に挟まれた私。花音さんは坂口さんに『歓迎会しようね。』と言って上がっていった。取り敢えず英会話が出来ない事には海外研修にも行けないらしい・・・











ここまで呼んで下さって有難うございます。

取り敢えず此処で藤沢さんの片思いは終わります。

藤沢さんはの事はまたいつか書きます。そのときはよろしくお願いします。


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