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第六十七話 団子坂
団子坂という坂があるらしい。
らしい、というのは行ったことがないので詳しい話ができないからだ。
そこで、なぜ団子坂という名前になったのか、トンチキな話を考えてみることにした。
その一。
某元ボクサーが現役時代、件の坂で減量に励んでいた。何日も続くあまりにきつい体重管理に音を上げかけた瞬間、ある画伯と出会った。画伯は団子の絵を彼に見せたのである。某元ボクサーはその絵を見た途端飢えを忘れた。それほどリアルであった。いや、リアルを越えて超常的でさえあった。画伯の力により某元ボクサーは減量に成功し、チャンピオンになった。それだけでなく、防衛にも何度も成功したのである。引退後、彼は画伯への感謝を込めてその坂の名を団子坂としたということだ。
その二。
時は江戸。坂の上に住む老婆が坂の下に住む男どもと関係が悪化。角材を手にした男どもが老婆を打ち据えようと坂を駆け上がる。すると、老婆はあえてドロドロにした熱い団子を投げつけた。すると、男たちはあっという間に追い払われてしまったのである。その故事から、件の坂を団子坂と呼ぶようになったのだ。




