第六十一話 吸血鬼
『探しています! 吸血鬼』
夕日が差していた頃だった。小さなポスターの上部に赤く大きな字でこんな文言が書かれていたのを見つける。字やデザインの拙さから見るに、小学生中学年ぐらいの子が書いたのだろう。何となく興味を持ったので、足を止めてよく見てみることにした。
「どれどれ……」
『探しています! 吸血鬼
(ここに拙いイラスト。八重歯の突き出たツインテールの少女か?)
X月X日に、ペットの吸血鬼が脱走しました。
名前:メアリー・ザ・ブラッディー
身長:百五十二センチメートル
特徴:ニンニクの入ったラーメンが大好き、いつも日傘を差している、ゴスロリ風の服装
見つけてくださった人には、お礼をあげます。
連絡先は下にあります。
電話番号:XXX-XXXX-XXXX』
「……」
これはどういう……。判断に困る。冗談なのか、本気なのか。なんとも言い難い気持ちになって戻ろうとすると、ドンとぶつかってきた人がいる。わざとではないらしくその人物は、すみません、と言い足早に去ろうとしたその人物を見た。不意に口から言葉が突き出た。
「あなた、メアリー・ザ・ブラッディーじゃないでしょうね?」
その少女はびくんと肩を跳ね上げ明らかに動揺した様子で、
「しししし、知りませんよ、メアリーなんて吸血鬼! ど、どこにいるんですかねー?」
と言った。
……私はどうするべきだろうか?




