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第五十一話 東西紛争

 今となっては昔のことだが、K大統領が急死した。

 このことが意味するのは、大抵未来の難事であるけれども、かの大統領の死は端倪すべからざる問題を投げかけた。

 それというのも国が東西に分かれて内戦していた頃である。Kは東部諸州連合を率いていた。内戦は一進一退だった。が、彼が亡くなったのは西部諸州連盟に追い風が吹き、東部に暗雲垂れ込めていたときだった。

 本来ならば、P副大統領が臨時大統領として選ばれるべきである。しかし、実は西部諸州連盟を率いているのはPなのだ。一方、Kは彼一人による独裁――彼の言葉によれば「より決断力のある政権を作り上げる上で欠かせない諸制度の結果」――を強めていた。にも関わらず後継者を指名していなかった。したがって、こういった急変に対応できる体制は整っていなかったのである。

 よって、この事件の持つ意味は歴史的にも大きくなる――そのはずだった。

 実際のところ、東部諸州連合はKの甥っ子を大統領に選出し、劣勢を押し返し、見事勝利したのである。

 一体何が効用を発揮したのか。それは東部諸州連合の役人たちである。

 Kは独裁制を強めていったと述べた。しかし、実際は役人たちによる傀儡に過ぎなかったのである。大統領の名に強力な権威を持たせ、その威を借りて自由に振る舞うべく彼らは努力した。その結果、責任だけが大統領には残されたのである。全ては役人天下を形成するために過ぎなかったのだ。

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