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第四十九話 双数形
またしても私は笹野先輩とお茶をしていた。例によって今川焼きがお供だ。
「さて芳月さん」
笹野先輩が話しかけてきた。
「何でしょうか」
「クイズを出します。正解できたら今川焼きを一つあげますよ」
「あの、今はお腹いっぱいなので……」 私が言うと、笹野先輩は一瞬残念そうな顔をしたけれども、仕方ないこと、という表情を見せて、
「確かに、今川焼きを五個も食べたら普通の人は満腹になりますね……」
と言った。そうなのだ。私は今川焼きを既に五個もお腹に入れているのだ。よくもまあ食べられたものだと自分でも呆れてしまう。
「でも、クイズだけなら大丈夫ですよ。賞品はなくても」
と、私が言うと笹野先輩は、
「……個人的には賞品があったほうが面白いのですが……そうだ、このカードをあげましょう」
と言って一枚のトレーディングカードを取り出した。
「『黒蓮の杖』?」
「かなりレアなカードですよ。それでは問題いいですか?」
「はい、お願いします」
笹野先輩はこほんと咳払いをして、
「今回は知恵ではなく知識を問うてみましょうか。仏教には金剛力士という天部、いわゆる神格がいますが、この名前で呼ばれるにはある条件があります。さて何でしょう」
結論から言うと、私はこの問題が解けなかった。さて一体何なのだろう?




