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第四十七話 ダーツの神

 ある男がダーツを始めた。とは言っても、彼は下手の横好きである。いや、飽きっぽいのである。道具だけ買い揃えて満足してしまった。

 そして三年後、再び彼にダーツブームが沸き起こる。また道具だけ買い揃え、満足し、押し入れの中にしまいこんで忘れてしまった。

 さらに三年後、三度彼にダーツブーム来たる。同様に道具だけ……後はお分かりであろう。

 男が最初にダーツ道具を集めてから九年経った。読者の方々にはもうお分かりであろうが、またしても(四度目か)彼はダーツに関心を寄せたのである。そして通販でダーツボードはじめ一式を揃えて注文し、満足して寝入った。

 その日のことである。彼は夢を見た。目の前に燕尾服を着た老人が立っていた。品の良い顔に青筋を立てている。男は疑問に思った。

「何かお困りですか?」

 老人は答えた。

「ええ、困っていますとも。あなたの飽き性には。ともかく、あなたは悪党です」

「何故そんなことを言うんです!?」

 男が怒鳴ると、老人も怒鳴り返した。

「私はダーツの神です! あなたはせっかくのダーツ道具を四セットも無駄にしようとしている! これは許されざることです! よって、あなたの余命をダーツで決めたい」

「突然何をおっしゃるんです!?」

「いいから矢を投げなさい!」

 そして老人はダーツを手渡し、回転するダーツ盤へ男に投げさせた。ダーツはゼロのマスに刺さった。

 その日の内に男は心臓発作で死んだ。

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