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第四十五話 アルバイトその2
久々、というほどでもないけれどもアルバイトの話だ。少々退屈かも知れないがお付き合い願いたい。
バイト先は(話としては代わり映えしないが)食品加工工場である。私はそこで検品の作業をすることが多い。これがなかなかに悩ましいのだ。
この検品というのは、具材を相手にする。虫やらビニル片やらを選り分けるのである。慣れてくれば別に何でもないのだけれども、厄介なのが一つある。キャベツの芯だ。
せっかくのチャンポンに硬い芯が入っていたら嫌なもの。ご理解いただけるだろう。だがこいつを除くのは案外難しい。大体が大きい欠片の癖に隠れんぼ上手なのだ。選り終えた、と思った瞬間にまた出てくるのである。なんと嫌らしい奴なのか!
まだキャベツの芯には怨恨(?)がある。奴が入っているのは炒め物だけにとどまらず、トロリとしたあんかけの中にも堂々と存在しているのだ。このあんかけという奴がまた曲者で、水分を多く含むが故にずっしりと重い。そして選別の作業時にはぬらくらとあの憎ましきキャベツの芯をすりぬけさせるのだ。ああ、あんかけを食す人に罪はない、だがキャベツの芯よ、貴様は駄目だ。




