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第四十話 左手クロッキー

 三ヶ月ほど前、絵の練習のためには左手のクロッキーが良いと聞き、さっそく2Bの鉛筆二本とスケッチブック一冊をホームセンターで買い求めた。後にスケッチブック一冊では足りないと思い、もっとコストを抑えられる無地の大判ノートを買った。

 一ヶ月の間は余って使う予定のないルーズリーフ(A4かB4サイズ)を一枚埋める程度に左手をスケッチした。一日二ポーズを片面に写生する。最初の間は手を開いただけ、握っただけの手の形二種類だけだったけれども、そのうち満足せずにピース、キツネサイン、フレミングの左手の法則ポーズ、一本指立てなどなど種々の形を追加していった。

 二ヶ月目になると、ルーズリーフが尽きたのでようやくスケッチブックにクロッキーをし始める。面白いことに、と言っても当たり前の話ではあるものの、紙の質が違うと鉛筆の滑りも変わってくる。それが楽しくて、一ページに書く左手の個数も増えていった。最大で五つほど写生しただろうか。ともかく、マンネリ化しないよう手のポーズとクロッキーの方向を考える必要に迫られる。こちらが大変だった。

 今もなお左手のクロッキーは続けている。上達した! と思える瞬間も、失敗した! と思える瞬間もどちらもある。なかなか絵の道は厳しい。今度は外に出てのスケッチに取り組んでみようか。


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