表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/69

第三十九話 トンネルその2

 深夜、私はトンネルの近くでカメラを構えていた。心霊写真を撮るためである。

 このトンネルの周辺では赤い服を着た女の幽霊が目撃されている。噂ではあるけれども、かなりの目撃数があるのだからかなり確実性は高いだろうと思われる。そう考えながらカメラの撮影ボタンを押していると、

「どうなさったんです?」

 と女性の声が聞こえた。振り返ると、赤いインバネスコートを来た女性が立っている。

「ええ、これで心霊写真を撮ろうかと」

「心霊写真? あはは、面白いこと考えますねえ。だいたい幽霊なんていませんよ……」

 彼女は言った。そして続けて、種々の例を挙げながら、幽霊非実在説を立証していく。

 女性の言葉をぼんやりと聞きながら、私はこう思った。

 墓場にて亡霊に怯える二人の若者に、幽霊はいないという証明を様々な古典を引きながら説明しつつも最終的に墓石へと消えていく幽霊の話。確か『聊斎志異』だったか何だったか、とにかく中国の怪奇文学――ジャンルの名称はこれであっていただろうか?――にあったはずだ。

 そうすると、この女性は亡霊ではないだろうか? もしかするといい心霊写真が撮れるはず。そのように考えていると、彼女が言った。

「ちなみに、この辺りの幽霊の噂は私のことなんですよ」

「へ?」

「ええ、そうなんです。赤い服を着て出歩くと目立つんですよね。故意に幽霊の噂を立てられるか、という実験をしてるんですが、どうも上手く行き過ぎたみたいで」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ