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第三十七話 来週の星座占い

 星を見るのはロマンチックなことだ。むろん、職業として天空を覗く人々はそう思わないだろうが。

 星座の話をするのも楽しいものだ。もっとも、どうしてその線の結びがその星座になるのだ、とか、山羊座は落ち着きを持て、とか蟹座は出落ちにも程がある、とか、そういったネタ方面の楽しみ方も大いにあるものではあるが。だいたい、ギリシア神話はどこか悲劇性を帯びた話が多いのに、星座にまつわる話となるとコメディチックになってしまう。一体どういう故あってそうなったのか。バランスをとるためなのか。

 占星術はバビロニアだとかメソポタミアだとかで始まったらしい。今後の考古学の発展如何によってはバビロンより遥か何千年とさかのぼるかもしれないけれども。

 さて、現代日本の某所。「来週の星座占い」と看板を立てた露店があった。試しに占ってもらうことにした。

「あなたは双子座ですか」

 占い師が問うてきた。すなおに首肯すると、

「そうですか、なら特に言うことがありません」

「どういうことですか!」

「本当に何もないんですよ、来週のあなたには。幸運とも不幸とも言い難い不可思議な週ですよ」

 そう言って占い師は金を取らず私を返した。

 そして一週間経った今だが、私は冥界にいる。占い師に会ってすぐトラックにぶち当たってしまったのである。死んでしまえば幸不幸もないというわけだ。なるほど、あの占い師、腕は良いようだ。次会うことがあればまた行ってみようか。

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