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第三十五話 ショートショート集

「何か儲かる話ないかな?」

「電子書籍でも出してみるか? 上手くやれば制作に費用はかからないらしいし」

「おお、いいね! でもどんな本にするんだい?」

「難しいな……。ああ、そうだ、ショートショート集なんかどうだろう? 二人で書けばそれなりの量が作れるんじゃないか?」

「なるほどなるほど、じゃあ試しに書いてみるか!」

 そういう訳で、ある大学生二人がショートショートを一ヶ月間毎日書くことにした。

 その間、アルバイトや講義、演習などで忙しく、二人が顔を合わせる機会はあまりなかった。それに、お互いの三十編全てを持ち寄ってからショートショート集の話をしよう、そのほうが面白そうだから、という理由で一ヶ月経つまでそれにまつわる話はしないことにしていたのだ。

 さて、件の最終日を過ぎた。二人は学内食堂でパソコンを持ち寄り、お互いの作品を見合う。ネットでやっても良かったのだが、あいにく二人のクラウドサービスは画像や写真で埋め尽くされていたので出来ない相談だった。

「……」

「……」

 双方の作品を全て読み終えて、二人は微妙な表情をしていた。実際、作品もハッキリ言えば微妙な出来だった。

「……ショートショートって難しいなあ」

「すぐ書けると思ってたんだが……」

「……電子書籍化はどうしよう?」

「取り敢えず、見送りにしないか?」

「……賛成」

 そうしてショートショート集の話はナシになった。

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