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第三十話 アダム博士の秘密

 アダム博士は新薬の開発に成功した。さっそく、助手のビクトルに飲ませようとする。

「ビクトルくん、こいつを一つ飲んでくれないかね?」

「一体なんの薬なんですか?」

「そいつを言ってはつまらないだろう?」

「だったら僕は嫌ですね。得体の知れないものを飲まされてひどい目にあうのはごめんですから」

「おやおや、心外だな! 私が一度でも君にろくでもない薬を飲ませたことがあるかね?」

「お忘れですかね! 一度や二度じゃない、今思い出せるだけでも十二回はありますよ!」

「なにを言うか! 嘘を吐くんじゃない、嘘を! 私の思い出せる限り事故はゼロだ!」

「本当にそんなことをおっしゃるんですか!? では、この研究所から僕は出て行かせてもらいます!」

 ビクトルが背を向けて足早に去っていこうとするのを見て、アダム博士は拳銃をそっと取り出し、発砲した。銃弾はビクトルの脳天を貫いた。血と脳漿が飛び散る。ふう、とため息を吐いて、博士はモップを取り出す。

「これで三百二十二体目のクローンがダメになった。もっとも、クローンの自給自足は私の専売特許だ。片付けを除けば特に問題ない」


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