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第二十六話 映画製作部

 映画制作部というサークルに彼は入っていた。

 映画制作と名は付いているが、実際のところペーパーサークルと呼ばれるほど活動を全くしていなかった。部室でだらけたりレポートを写したりする輩が数名いるぐらいである。

 彼はそれを苦々しく思っていた。なんとなれば映画を作りたくて入部したからである。しかし事前の調査が足りずにそんなサークルに入部してしまった彼にも責任はある。

 それはいいとして、彼――アルファと名付けておこう――は映画を作ることを決意した。

 まず、部室に入り浸って無軌道生活を送る連中の中で、脈のありそうな奴を選ぶ。

 その作業を行いながら、アルファはこの計画が頓挫する可能性に突き当たった。誰もやる気がなさそうなのだ。そこで、彼は独りででも映画を作り上げてみせようと考えた。

 ところが、である。映画製作部には機材が一切なかったのだ。創部当初からペーパーサークルだったからではない。部室に入り浸っている連中に売り払われ、件の輩のモツ鍋代へと消えていったのである。

 結局、アルファは映画製作を諦め、中堅ユーチューバーになった。


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