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第二十一話 金ピカのフリードリヒ
昔々、一人の騎士がおりました。
この騎士は金メッキの甲冑を着ておりましたので金ピカのフリードリヒと呼ばれておりました。
いかにもヘナチョコに聞こえるあだ名ですけれども、フリードリヒが槍を構えて突撃すれば、いかな騎士でも叩き落され捕虜になるのでした。
さて、あるとき馬上槍試合が開かれました。金ピカのフリードリヒも無論参加しました。
その結果どうなったでしょう? 優勝したのは金ピカのフリードリヒです。しかし、次の日、彼は戦利品も持たずにいなくなってしまいました。一体どういう訳だろうと皆うわさしあいました。
数日後、彼の従士が発見されました。従士は言いました。
「主人はさらわれてしまった」と。
それ以上のことは従士からは聞き出せませんでした。というのもひどく怯えた様子で、黒雲を見るたびに悲鳴を上げるからです。
数カ月経って、あるうわさが流れました。
嵐の夜、周りを怪物どもに囲まれながら、金に輝く鎧をまとった騎士が天空を駆けていく、というものです。
おそらくそれがフリードリヒなのでしょう。




