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第十七話 鬼瓦

「店長、なんで鬼瓦なんて置いてあるんですか?」

「いやあ、蚤の市で手に入れたんだよ。なかなか味のある瓦だろう?」

 小洒落たカフェの店長がアルバイトの女子と話していた。うーん、と唸って女子は、

「面白い作りだとは思いますけど……このカフェに合うでしょうか?」

「あー、それは……」

 と、店長は頭を掻く。確かにこのカフェのインテリアとしては場違い過ぎる。サンクトペテルブルクで安来節を踊るような、そんな違和感を抱かせる。

「片付けとこうかな、これ」

「そのほうがいいですよ、店長」

 そういうわけで鬼瓦は奥へ引っ込まされることと相成ろうとした、その時である!

「そ、それは!」

 一人の老紳士が戸口に立っていた。彼の視線は鬼瓦に吸い込まれている。

「いらっしゃいませ」

 アルバイトが挨拶した。店長もにこやかに、

「どうかなさいましたか」

 と言った。老紳士は鬼瓦を指さして、

「そ、そ、それは……!」

 と震えながら言うばかりである。カフェの働き手たちは怪訝な顔をして彼を見つめる。

「一体、どうしたんです?」

「それはね、こいつは私を使って嫁を撲殺したからだよ!」

 と鬼瓦が叫んだ。

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