金騎士と銀の姫
謎の短編のぷろろーぐ。なおそれに書きたい内容が全てが詰まっている模様。
とある場所にある私立亀無女子学院。所謂お嬢様学校であるここでは女子生徒達が仲睦まじく勉学に励んでいる。そんな学院に現在注目を集めている2人の生徒がいた。
「騎士様……今日も凛々しいお姿ですわね」
「本当あのお方が男性でしたらすぐにでも執事として迎え入れますのに」
「執事だけでいいのかしら?身分違いの恋……そこからのロマンスも捨て難くありませんこと?」
などと遠くから言われている騎士様こと「セネ・S・フランク」。両親がハーフであり帰国子女。綺麗な金髪と180の高身長、鋭い目付きと藍色の瞳、騎士然としているその佇まいから「金騎士」と呼ばれている人物である。
「一緒にいらっしゃるのは銀姫様ね。相変わらず可愛らしいお姿ですこと」
「騎士様と一緒におられるのは羨ましいのですが、あそこには入っていけませんはね」
「お二方が揃うととても映えますからね。割って入ろうとは思えませんわ」
騎士と一緒に居る銀姫様こと「琴中アンネ」。セネとは正反対の銀髪で低身長、丸みを帯びた目付きに紅の瞳。誰もを癒すその雰囲気から「銀の癒し姫」と呼ばれている。
2人が揃った場面はそのアンバランスさとは裏腹に互いの雰囲気の為かとても絵になっていた。そんな絵になる2人が遠くから見られている事に気付き手を振る。
「手を振って貰えましたわよ!」
「手を振る仕草1つとっても完璧ですわね!」
「良い1日になりそうですわ」
はしゃぐ女子生徒達。そんな反応をされた2人はというと……
「相変わらず人気ですね。お姫様は」
「いやいやセネの人気でしょ。自分にそんな魅力は無いって」
互いが互いにあそこまではしゃぐ理由を言い合っていた。お互いに自分に対してはありえないと思っているのっである。なぜなら
(こんな可愛い女の子、注目されない訳がないですよ。それに引き換え)
(こんなカッコいい女性、憧れるのは当然だよね。それに比べて)
((自分……男だもんなぁ))
これは互いが互いに性別を勘違いしたまま続いてゆく学院生活。そんな生活の何気ない1ページである。
続きはしない……はずです。要望次第とだけ。