拾参之間 特殊試験《ボーナスしけん》・弐■
視点変更に関しては前回の最後の時点でのものが引き継がれます。ご了承ください。
日生先生の合図とともに第2種目が始まった。1周目は小学校で習うような簡単なものでこれは全員間違えることなく8問とも答えることができたようだ。続く2周目では中等部1年の時に習うものが出て、脱落者こそいなかったものの数人が間違えてしまっていた。3周目では高等部の入試過去問から出題され、書き問題では脱落者が出現し、私は7問目(書き問題の3問目)で1回目の不正解を出してしまった。現在脱落者は2人でそれぞれ8点と11点を獲得し、私を含めた残りの16人は4周目に突入した。内容は普段は平仮名やカタカナで表記されるが漢字表記が存在し、日常でよく目にするものが出題される。だが私は昼休みは図書室に入り浸っているうえに年不相応なスタイルの良さもあり、陰で「図書室の魔女」と呼ばれていたほどであるため漢字に対してはかなり強い。そんな自信を持ち4周目に突入して読み問題が出題され、私は少々苦戦しながらも4問全部正解した。続いて書き問題だがいきなり難問が出た。その問題は「ニンニク」を漢字に直すものだがここの図書室に置いてある小説にはどれもカタカナで表記されていた。ここは素直にあきらめて不正解となったが案の定殆どが不正解、時間切れ、無回答のどれかだった。だが、肆組の火山さんだけは正解を書いていて私は敗北感を感じた。その後はかろうじて突破したもののもう1問も間違えることができない。現在参組は伊能さんが2つ前の問題で脱落し、一緒に出場している葛木君は現在1問不正解だ。このような状況の中で最後の1周にあたる5周目に突入した。内容は高等部の先生方が厳選した超が付くほどの難問8問で最悪の場合ここで全滅することもあり得るだろう。脱落することに対する覚悟を決めて通算33問目を解くが3回目の不正解を出してしまい、私は16点を獲得して脱落した。数分後、全員脱落したことによりで第2種目が終了し、参組が獲得した得点は50点で上位に近づいた。
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続く第3種目の「硝子アートコンテスト」では伍組の金子君が陸組の輪嶋君が使う分の絵の具が入った小瓶を盗んで失格になったという事件はあったが弐組に対して軍配が上がった。数十秒後に第4種目の「日本国捌拾肆州パズル&早押しクイズ」が始まって僕は次の第5種目の会場である船内のゲームコーナーへ向かった。
十数分ほど歩き、ゲームコーナーの入り口前で待機しているとまだ担当の先生は到着していなかった。だが、硝子戸の横の壁に違和感を感じ、僕は「誰かいるんですよね、姿を現したらどうです。」と呼びかけてた。するとその呼びかけに「あっちゃー、ばれちゃったかー。この隠れ身の術には自信あったんだけどなー。」と言いながら凪咲先生が姿を現した。その時周りからは「リアルな忍術なんて初めて見た。」やら「もしかして霧隠先生って本物の忍者なのか?」といった反応が聞こえてきた。そして「とりあえず全員揃ったら第5種目の内容について説明するから待っててね、といった傍から最後のグループが到着したみたいだよ。それじゃあ第5種目の『グリップスフィーバー』の内容について説明するね。ここでルールを前もってっ説明するけど開始直前にもモニター越しで観戦している他の生徒に対して説明するからそのつもりでいるようにお願いね。」と僕たちに呼びかけ、「この種目では指定された3曲をゲーム内で演奏してその合計得点を競ってもらいまーす。1曲終了ごとに生徒手帳に備えられているカメラで自分が使ってた筐体の画面を撮影して先生の端末に送ってねー。」と説明した。そして、凪咲先生が持ってる端末の着信音が鳴り、何らかのやり取りがされて「今第4種目が終了したらしいから会場入りするよ。それじゃあ戦いの場所へ出発だー。」と安定の高いテンションで筐体前へと連れて行った。
凪咲先生が同じ説明を教室にいる人たちに行って1順目の人たちが演奏を始めた。まあ、グリップすフィーバーがどんなものかを理解している人なら自分のリズム感と相談して参加するか否かを決めているはずだから全員自信があるだろう。演奏に関しては全員可も無く不可も無くといった感じだがこの勝負で僕が1位を獲ることは心の中で確信している。数分後、2順目の4人が演奏を終えて順番が回ってきた。課題曲はどれも僕の腕前では簡単にできるもので結果の方は勿論3曲ともオールパーフェクトでのクリアだった。この結果を見て他の人たちは「これは勝てない」と思っているのか諦めてしまっていた。そして、全員が演奏を終えて結果発表となり、凪咲先生が「それじゃあ種目別の結果発表を行うよー。優勝は参組の瑠璃浜君です。何と断トツの1位でした。」と予想通りの結果が出た。だが、この種目で3組が獲得した点数は期末テストで学年5位を獲った大亀君が足を引っ張ったことが原因で36点と個人1位がいたクラスにしては低かった。
教室へ戻るとクラスのみんなは僕に対しては称賛の声を送ったが大亀君に対しては「ふざけるな」やら「お前が足を引っ張ったせいで獲得点数が少なかったんだぞどうしてくれるんだこの野郎」といった罵声を浴びせていた。
その後もそれぞれ自分の得意分野を武器にして試験をこなし、全種目が終了した。結果はどうであれ今回振り込まれる島内通貨はクラスのみんなの努力の結晶だろう。それは懐が一瞬で豊かになればなるほど実感がわいてくるものだと僕は思ったのであった…
作者の湊です。投稿が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。なお、次回は温泉回になる予定です。
キャラクター紹介・肆
氏名 岩崎 大智(いわさき だいち)
出身 飛騨(現実での岐阜県)
誕生日 7月17日
星座 蟹座
血液型 A型
身長 6尺(約181.8㎝)
好きなもの 肉料理
苦手なもの 緻密な作業
所属クラス・出席番号 鬼岩島学園高等部戦鬼科壱年拾組壱番
部活動 相撲部
得意科目 日本史
苦手科目 家庭科
所属寮及び部屋番号 酒呑寮205号室
ステータス(ランクは下からE,D,C,B,A,S,R,P,I)
物理攻撃 I/物理防御 R/特殊攻撃 E/特殊防御 C/身体能力 A/体力 P/靈力 E/知力 B/運 A
属性 土/ジョブ ウォリアー/武器 斧
角力 惑星空間(玖段角)
解説・肆
島内通貨
鬼岩島の中でのみ使えるお金で通貨は文。レートに関しては1文は日本円で25円の価値を持ち、現金への両替もできる。なお、島の外に出るには専用のATMを使って現金に両替しなくてはいけない。