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花火
花火だって考えるんです。
花火だって恋をするんです。
花火
私は一瞬で散ってしまう。
貴方に一番綺麗な所を見せて。
本当は知っている。
貴方の瞳に何時も映っているのは白く輝く月だってこと。
本当は知っている。
……知っているんだ。だけど私は君の瞳に映ることを諦めきれなかった。
だから、今夜、私はたった一夜だけ、貴方の瞳に映ることが出来る。
その間は私の、私だけの貴方。
他の誰も見ていて欲しくない。貴方のその綺麗な瞳に映して欲しくない。
私は試行錯誤。
月の面影を隠して。
月を見えないようにして。
月を忘れさせて。
月とは違う、大きな花を咲かせて、貴方の瞳に映りこむ。
……こんな貪欲な私を許してくれるのなら、後一つわがままを聞いてほしい。
月は昼間でもみることができるでしょう?
だから………━━━━━━……………
『今夜は私だけを見ていて…?』