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放課後のふたりごと 〜廃部寸前の放送部で始めた二人だけのラジオが、いつの間にか学校一の人気番組になっていた〜

作者:Studio Flint
最新エピソード掲載日:2026/03/24
声が怖い僕らは、放送室で声を取り戻す。

放送室のドアを開けたら、夕日と、椅子が二脚と、静寂があった。

完璧だ。ここなら誰にも邪魔されない。

――そう思ったのは、一日だけの話だった。

翌日。同じドアを開けると、黒髪の少女が座っていた。
音羽澪。五月に転校してきた、教室ではほとんど喋らない女子生徒。

「月に一回、校内放送をすること。それが部の存続条件です」

顧問に突きつけられた条件のもと、俺たち二人はしぶしぶマイクの前に座る。話す内容なんかない。初回の放送は十五分間まるごと音楽だった。

でも、三人だけが聴いてくれていた。

お便りが届いた。週一の定期放送になった。番組名がついた。「放課後のふたりごと」。

不思議なことに、この部屋でだけは声が自然に出る。
防音の壁に守られた六畳の空間で、俺は音羽の声のトーンで感情が読めるようになった。嬉しいとき半音上がること。安心しているとき柔らかくなること。何かに蓋をしているとき、温度が消えること。

そして音羽は、俺の声をずっと聴いていた。

「真白くんの声が好きです。安心するんです」

――声が好き、と言われた。声が。

それ以上の意味は、たぶん、ない。たぶん。

中学時代、声を上げて誰かを傷つけた俺と。
中学時代、声が出なくなって誰かを失望させた彼女。

声が怖かった二人が、放送室で声を取り戻していく。
互いの声に救われながら、名前のつけられない感情が、少しずつ育っていく。

これは、ラジオの話であり。
声の話であり。
たぶん――いや、確実に、恋の話だ。

3月19日全話リメイクしました!一度読んでくれた方ももう一度読んでいただけると嬉しいです!
放送室の二人
紙をめくる音が、二つ
2026/03/19 02:23
昼休みの放送部です
2026/03/19 02:27
聴いてた人が、いたらしい
2026/03/19 02:29
沈黙の種類
2026/03/19 02:30
最初の相槌
2026/03/19 07:10
声で分かること
2026/03/19 09:10
放送室の外で
2026/03/19 10:10
ここでだけは
2026/03/19 11:10
夏希の指摘
2026/03/19 11:40
リスナーが増えていく
2026/03/19 12:40
雨の日の放送室
2026/03/19 13:10
安心する声
2026/03/19 13:40
選曲が被る
2026/03/19 15:10
夏休みの放送室
2026/03/19 15:40
瀬戸颯太の笑顔
2026/03/19 16:10
続けたい
2026/03/19 16:40
声が届き始める
二学期の声
2026/03/20 16:16
新しい企画
2026/03/20 22:15
校内を歩く
2026/03/20 23:00
ゲスト出演
2026/03/21 00:00
変わらないもの
2026/03/21 10:33
公開放送の話
2026/03/21 15:00
音羽の壁
2026/03/21 20:16
昨日の続き
2026/03/22 22:02
反響と、冗談
2026/03/23 16:29
夏希と澪
2026/03/23 19:03
触れた理由
2026/03/24 13:34
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