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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ママになる

作者: 鮭さん

 パパになったことはあるから今度はママになろうと思い、息子に相談しました。

「パパはママになろうと思うんだけど。」

「ええ、ママにならないで」

 そう、息子は言いました。口答えしてきました。カッと頭に血が上りました。

「うるさいぞ!何様のつもりなんだ!!」

 バゴーン!!

 父親に口答えするなんて舐めたガキだと私はゲンコツでぶっ飛ばしました。

 ひぃっ!!

 近くにいたママもこちらを怯えた表情で見ています。

「ママ、俺はママになるぞ!パパはもううんざりなんだ!」

「あ、あなた、なにを、何をいうのよ。あなた、なにを...」

 この野郎!こいつも反対するのか!この、生意気なメスめ!

 バゴーン!!

 ママのこともぶっとばしました。ああっ!ママと息子は部屋の隅で抱き合いながらガタガタ震えています。はっはっはっ!今日から俺がママだ!この家のママは私なのだ。

「ママになったらもうDVはしないのだ!」

 と宣言しました。

「ひひぃ!ひひぃ!」

 息子とママは怯えた目でこちらを見ます。

「まずはちんこを切り落とすのだ。」

 私は包丁を持ちました。

「ひぃいいいい!ひぃいいい!!」

 グンッ!!

 わたしはちんこを切り落としました。

 バシャッ!!

 ちんこが水揚げされた魚のように床に落ちました。

「ひぃっ!!パパのちんこがー!!」

 息子が叫びます。やっぱり舐めているようです。

「うるさいっ!ママだ!ママのちんこだ!!」

 ビューーーー!!

 私はそう言ってちんこを息子に投げつけました。

 ぐちゃっ!!

「うわあー!!ママのちんこだ!!」

 息子は怯えながらも言い直しました。偉いです。私は幸せな気持ちになりました。

「そうだぞ。そうだ。ママのちんこだぞ。」

 ちんこもミミズのようにのたっているように見えます。まるで独立を喜んでいるかのようです。

「わあ!ママの、ママのちんこが動いているよー!!」

「そうだぞ。こいつだって、俺をママにしたかったんだ。パパはもう、パパはうんざりだったんだよ。」

 ちんこがついてた場所からは血が滝のように流れ続けています。

 床はもう、真っ赤に染まっています。

 立っているのも辛くなってきたので私は座りました。

「ふふふふ、ママになったことだし、座ってみたのだ。どう思う?」

「ママなのにおっぱいがないよー!!」

 と息子が言いました。げっ!息子はまだまんこを知りません。だから、まんこの有無よりもおっぱいの有無を最初に指摘してきたのかもしれません。あまりの幼さに私は対話する気を失いました。ああ、もう、殴る気も起きません。息子が幼いから殴る気が起きなくなっているのか、ママになったから殴る気を失っているのかわかりません。もしかしたら、ママになるとはこういうことかもしれません。ところで私がママになったから、ママがパパになる必要はあるでしょうか。ママが2人いても良いかもしれません。だから、私はママ1の希望を取ることにしました。対話するのです。

「私じゃない方のママさん?あなたはパパになりたいですか?ママについてたちんちんをつけてパパになりたいですか?」

「わ、私は、わからないわっ!何もわからないわっ!」

 ママ1は泣いています。幼い。幼さが現れています。息子の方が、冷静に私をママと認識し始めているのに...。そうこうしているうちに意識がどんどん遠のいていきます。ああ、あああ。

 バシャアッ!!

 座っていることもできなくなり、私は血の海に身体を投げ出しました。死ぬのです。もう私は死ぬのです。ああ、何事も急ぎすぎた人生だったな。思いついたら即行動していたけど、小学校でそう習ったからそうしていたけど、今回ばかりは失敗だった。息子をこんな幼稚なママ1に託して死んでしまわなければいけないなんて...。私は悔いました。ぼんやりと視界の隅には電話をする息子が目に入ります。きっと救急車に連絡しているのです。まだまんこも知らないような人間が。そんな中ママ1は腰を抜かしてぶるぶる震えているのです。

 ぶおおっ!!

 ママを叱責しようとしましたが、口からは血が出てきます。

「ママ、喋らないで、喋らないで!」

 息子が声をかけてくれます。しかし私にはもうわかります。間に合いません。息子よ、どうかママ1を真人間にしておくれ。そう願いながら私は生暖かい血の海でゆっくり目を閉じたのでした。

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