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ナルシストにはコレくらいが丁度良い

「降ろしてええぇぇぇ!!落としてええぇぇぇ!!!!!チカン変態馬鹿●●●~っっ!!!」

「…って俺は人攫いかっっ!!!最後の言葉下品!絶対テレビだったらピーとかバキュンっ!とか鳴ってるぞっ!!」


春ながらもまだ冷たい夜の風が顔にびゅんびゅん吹きつけて来るし,なんか月架の腕は変な位置にあるし,髪の毛乱れるし,なんかもう…あのっ,なな何か気持ち悪いし!!


その他よく分からないイライラやら恐怖やらその他もろもろのお陰で私の脳はパニックに。


ただでさえ絶叫系(お化け屋敷も含む)苦手な私が何でこんなスリリングな飛行をしなくちゃいけないんですかっ!?



という心中の元,今に至る訳である。


「落として下さいいぃっ!!もう何でもしますから!!!」

「精霊学園三ヶ条 “人間を巻き込むな” “正体は明かすな” “殺傷沙汰は起こすな” だから死なれちゃ困るんですよね,俺等おもっきし二ヶ条破ってるし。」

「お前の責任だろーがぁっ!!!」

「うん,でもホラ,後悔先にたたずってのがあるっしょ?過ぎたことがたがた言わない――」


ぐらり


突然の横風に煽られ,月架(&私)の体が傾く。


ビュワッ!!


先程とは比べ物にならないほどの風圧に,月架の体がバランスを失った。


 ああああぁぁぁぁぁ!!!……


私は月架に抱かれたまま,一直線に今まさに戦場と化しているであろう氷柱に思い切りぶつかった。


「ぎゃふぅっ」「うごっ」


コンクリートで頭をかち割られたかと思うほどの痛みが後頭部に集中し,そのまま脳内の回路がショートした。


だが不幸中の幸いという所だろうか,ぶつかった場所が地面から1メートル程の高さでとりあえず垂直落下は免れたようだ。


「い…つつつつ…頭痛い,割れたかもしんない…」


とりあえず頭の安否を確かめる為,右手を頭の上に乗っけた。

べちょっという濡れた感覚は無く,出血はしていない。

自らの目で確認してみても,あの血の赤は手には付いておらず,ほっと一息。


「よかったぁ…血ィ出てなかった…ふゥ。」


私が安堵のため息を漏らすと,地面がうごっと動いた。

続いて途切れ途切れの悲鳴に近い声。全て地面から聞こえる。


「柴…炎…降りろーっ…」


またまた地面がかすかに動いた。

見ると私の下には地面ではなく月架の体が。思い切り馬乗りをしていたようだ,私は慌てて飛び退いた。


「ご…ごめんっ!気付かなかっ…た…」


月架がむっくりと立ち上がり,ぶるんっと頭を振る。

そして探偵が事件の現場に立ち会ったときのようにあごに触れると,思いっきり決め顔(本人的に)を作り,「いやね,」と自慢げに語りだした。


「そんなに重くは無かったけども…やっぱ男が女に押し倒されるってさ,何かプライド傷つくよね。やっぱ将来的「そういう変なプライドは捨てた方がいいよ,月架君」

「わざわざ遮っての冷たいコメント,ありがとうございます。」


ちょっとでも反省の色を示した私が馬鹿でした,二度とお前になんか同情するか阿呆!


↑という軽蔑の眼差しを向けているのに,月架はやっぱり馬鹿だった。

何か激しく勘違いをしだし,右手でサラリと自分の髪を撫でた。


「柴炎…そんなに見つめないでくれよ,俺はみんなの王子様だからお前だけのものにはならな――」

ここらが私の限界だったようだ,体の内側から膨れ上がるようにして生まれた何かに突き動かされ,無意識に右手が動く。鋭く尖った手刀が,月架の懐に直撃した。


声鳴き声をあげ,腹を押さえてそのまま倒れ伏す月架を,私は超冷めた目で見つめていた。

っと…


前フリが長いシイハの小説ですが,10話以内でまとまると思います。




30%の確率で

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