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闇夜に響く雄叫び 頑張れ柴炎ちゃん☆

「でな,ここの学園にはおっかねー奴らが沢山居て,なかでも特に…」

「話が脱線してるアル。さっさと戻さんかばかたれ」


旬藍の渇に月架は「はいはい」と棒読みの生返事を返すとどこから話せばいいんだっけ?と首を傾げた。


私はさっきからちらほら出てくるちょっと理解しがたい生物(らしい 月架の話によると)について問うてみる事にした。


「じゃぁ次の質問。その…精霊でも人間でもない(らしい)ないとめあって何??


……沈黙………


その質問に月架は突然口を噤んだ。

旬藍も同様,唇を歯で噛んで言うまいかと耐えているように見えた。


『え,何で沈黙!?』


そんなに重要なことなの!?もしかしたら言ったら殴られるとか!!?何々,永久追放!!!??


「何で沈黙…」


 グルル


「え,何でグルルとか鳴くの?もしかしてアレですか?モノマネすか?」


 ガルルルッ


半ばノリのような気持ちで私は月架と旬藍を見た。

どうせこの2人が沈黙を破る為にしたちょっとしたギャグだと思ったからである。


しかし現実は私の予想と大いに違っていた。


2人はただ無言でブンブンと首を横に振っている。

目が点になっているので嘘だとはとても思えない。


…じゃぁこれって…


 ウォォォォォォッッ!!!


耳の鼓膜が敗れるかと思うほどの鋭い雄叫びに私は硬直した。

明らかに人間の真似できる領域を超えている。


ということは考えられる事はただ1つ…


「「あーっっ!夢悪魔(ナイトメア)っ!!」」


月架と旬藍が声を揃えて私の後ろを指差した。

もの凄い2人の気迫に余計に体が固まる。


そんな私を差し置いて瞬時に行動に移ったのは月架だった。


「旬藍っ!お前は先に飛べっ!レディーファーストだっ!」

「待って!あの…はどうするつもりネっ!」


あ,今私の名前のトコあやふやになった!

…教えてなかったっけ?


ってこんなこと考えてる場合じゃないよっ!

そう思っても凍りついた体はなかなか元には戻せない。

後ろを振り向きたくとも恐怖心に押し流されて首を回せない。

実態の掴めないモノって余計に恐くないっ!!?


「掴まれーっ!!!」


旬藍はさっさと空に舞い上がったようで,月架が大きな翼を広げて私のほうに手を差し伸べてくれた。

私はガクガクとかろうじて右手を上げる。

月架は私の右手を両手でがっちりと掴むと大空へ舞い上がった。


 ウォォォォォンッ!!オオォォォォッ!!!!!


空から確認できたのは真っ黒なオオカミだった。

真っ黒な毛並みに細いながらも筋肉は流々とした四肢,そして真っ赤な鋭く光った赤い光を放つ目にノコギリのように白く光った牙。


「旬藍!何でアイツ実体がはっきりしてやかるっ!」

「すぐ霧化するアルっ!どうせ上空まで追ってくるヨっ!!」


両足,左腕がだらりと垂れ下がった状態で浮いている私の体は月架の両手によって右腕一本で支えられていた。

もし月架がてを放したら私は……


「くそっ,おぃ!お前名前はっ!?」

「へっ!?え,えとっ…日暮 紫炎!しえんですうっ!」

「うっしゃ!行くぞ柴炎!旬藍っ,受け取れーっっ!!」


月架がぶんっとわたしの体を一回転させると,その反動で旬藍に向かって放り投げた。


「オーライオーライっ!」

「ぎゃあぁぁぁあ!!」


私の体は旬藍の遥か頭上を弧を描いて飛んで行く。


「月架ああぁぁっ!上に行き過ぎアル――――っ!」


旬藍の手が右手に掠ったが,受け止めるまでには至らない。

皆知ってる?上昇したものが次に辿る道はね…


「落下だよおおおぉぉぉっ!!!」


体が真っ逆さまに地面へと墜ちて行く。

私死ぬんだ…


みっちゃんゴメンね,借りた本返せなかった

お母さん,お母さんのお饅頭つまみ食いしてごめんなさい

あ,あとお父さん 借りてた100円返せなくてごめんね

こころちゃん,あげるって約束してたキーホルダーあげれなくってごめん

それから―――


私が謝罪の文を考えていると,私の体が何か柔らかいものに包まれた気がした。


 冷たい


まるで体に氷河が触れたようなそんな感覚が伝った。


「うわ,あっつ。君本当に人間?っていうか平熱何度?俺溶けそうなんですけど」


男の子の声。

月架よりももう少し高くて冷たい声。

ついぞ聞きなれない声…誰だろ?


硬く結んでいた目を開けると涙のせいで視界が曇って実体を確認できない。


すこし待つと徐々にかすみがかった景色が輪郭を持ち始め,だんだんはっきりと見えるようになってきた。


まず私の視界に飛び込んできたのは少年の顔。

でも角度がおかしい。

下から見上げている様な映りかた。


真っ白白銀の流れるような髪に大きいながらも目尻が鋭く切れ込まれた鋭い氷河のように澄んだ蒼い瞳。

雪のように真っ白な一点の曇りもない肌。

世間一般では“美少年”という類に分類されるだろう。


純粋に整った顔立ちの美形の顔だ。こういうのを女子は“イケメン”って言うのだと思う。


最後に出てきた〇〇〇さんっ!

自分的に精学の中で一番気に入ってるキャラです♪←どーでもいい


本当はもっと後に出そうと思ってたんですけど…出しちゃいますたっ☆

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