表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

服は着る人を選べない

 日焼けしていない肌は青白く、喀血(かっけつ)したことによりそれは鮮明になった。先程まで侵入者を一人で叩きのめした人物と同じには見えない。

 ぐったりと椅子に沈み込む青年を助けたサギリは、手際良く侵入者を縄で縛り上げ、中庭の片隅に積んでいった。

 ひらりと(ひるがえ)る紺色のスカート、茶色の髪を包むキャップ、裾にフリルがあしらわれたエプロン。青年と変わらないくらい(はかな)げな顔立ちをしているが、身体(からだ)つきはがっちりと鍛えられていると解るほどだ。

 侵入者を積み上げていくサギリの全身を確認した青年は小首を(かし)げる。

「サギリ、服を新しくしたのかい?」

 商家程度の(やしき)しかないことからも推測できるように、青年はあまり裕福なほうではなく、サギリもそれを承知で雇われているため普段はとても質素に暮らしていた。

 けれどサギリが着ている服が新品のように思え、青年が問いかければ「ロングスカートは(やぶ)れやすいのが難点ですね」とサギリが(うな)る。

「そもそも(やぶ)れるような行動をしなければ良いと思うんだけど」

「それでは護衛になりません」

 そう、サギリは女性使用人(メイド)ではなく、青年の護衛だった。

 中性的な顔つきに女性使用人(メイド)服は似合っているが、鍛えられた身体(からだ)には似合っていない。

 そのひどくアンバランスな事実をサギリは受け入れず、女性使用人(メイド)であれば侵入者も油断するという思い込みから女性使用人(メイド)服を着ているのだ。

 幾度となく青年は、騎士服か護衛服のほうが動きやすいだろうと提案したのだが、(いま)だ聞き入れてもらえない。

 幼馴染みでもあるサギリは青年の病状も理解しているため解雇も受け入れてくれず、よって青年が諦める方向で折り合いがついてしまっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ