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元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営 ~固有スキルスーパーバイジングは最強でした~  作者: 橘 弥鷺


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02-異世界の街と歴史

こんにちは橘 弥鷺です。


元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営に、ご興味をいただきありがとうございます。

お読みいただければ幸いです。


尚、前作の完結しておりますSTRAIN HOLEもあわせて、是非、お読みいただければ、うれしく思います。

STRAIN HOLE

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/

  早乙女は、朝食を済ませるとミーナを連れて外へと出る。玄関を出て通りに出た時点で、ここが異世界であることを再認識する。


「これが街なのか? 」

「どうしたの? アルト」

「いや、別に…… 」

「記憶とかは平気? あ、でもアルトは記憶が平気でも図書館の記憶はないよね? 子供の頃から行ってないよね?」

「まぁそうだなミーナに着いていくよ」


 通りはけして広くはなく、クルマのような車両が通る事がないようで、道の幅は3m程度だが、それ以上に早乙女を驚かせたのは、街に岩盤の天井と等間隔に岩の柱があり、遠くに見える街の中心部には、陽光が差し込み、その中心部の様子からここが地下であることが理解できた。おそらく地下2階で地下1階の街並みと地上の岩盤が見え、各階から滝のように水が落ちている景色は幻想的に見えるが、それに反して街並みは家々が密集しており、人口密度の高さを現しているよだし、遠く聴こえる街の喧騒は、機械音や土木工事の重機のような音が下から聴こえるような気がする。


「図書館で何か調べたいの? 」


 ミーナが歩きながら尋ねる。


「まぁいろいろなんだけど……国の歴史とか法律とかかな、仕事に関わることはおさえておきたいしな」


 アルトの記憶が当てにならない上に信用できないため、自分で把握する必要があると判断したからだ。隣を見るとミーナが怪訝にアルトをじっと見ている。早乙女がミーナに返答する。


「どうしたの? 」

「本当にアルトなの? 歴史とか法律ってホントに大丈夫ぅ? 」


 以前のアルトであれば、絶対に口にしないと確信しているミーナからすると違和感しかないようだ。早乙女は変にごまかすこともないと考え率直に返答する。


「まぁ いままでふざけすぎたから大ケガしたようなもんだし、そろそろちゃんと考えようと思ってな」


 その言葉にミーナは先程までの疑いの表情は消え、困惑しながらも、悲しげな笑みを浮かべ下を向く。


「アルトも考えてくれてるんだ? 来週だもんね…… わたしも頑張るね! 」

「来週……? 」


 早乙女は、来週何があるのかアルトの記憶を探るが記憶にない。おそらく大切な予定を忘れているアルトに強い怒りとミーナに言葉に対して焦るが、反応に困っているとミーナがそれに気がついたのか話を続ける。


「日にちは覚えてないの? 詰めが甘いなぁ 運営会議でしょルイガノ兄さんも今、資料作成頑張ってるみたい。それに…… アルトたちの事故原因の説明も追及されるだろうって…… そのランドが亡くなったからちょっとね……」


 最後は言いにくそうにしているミーナの様子を見ると会議での立場はあまりよくないようだ。アルトの記憶では、ガミガミと言う中年の男女に嫌気を感じる感情しかない。以前の会議でどうしてそうなったのかとか事情を把握していないアルトの記憶に早乙女は嘆息をつく、そうしている間に街の中央付近まで歩き上階への階段を上がる図書館はすぐに着いた。地下1階は行政や商会本部など、行政や企業特区のようで、民家はないようで、ビルのような無機質の石やレンガで作られた建物が建ち並ぶ。早乙女はミーナに図書館の前でひとつお願いをすることにした。


「ミーナひとつお願いを聞いてもらえないか? 」

「どうしたの? 改まって」

「さっき言っていた。運営会議の過去の議事録とかあったりするかな? 」

「それはあるけど…… 」

「来週の為に復習をしておこうと思って」

「そっかじゃアルトが図書館で調べものしている間にわたしは事務所に行って取ってくるね」

「ありがとう」

「じゃアルト頑張ってね♪ 」


 ミーナはアルトに手を振って図書館を去っていた。早乙女は図書館へと入り、手当たり次第本を閲覧席へと運んで読むことにした。


 まずは、身近な生活面だが、街が地下に作られている理由は、街の外を下界と言われ、人が生活するには困難な気候であり、それにより、地下に堀進め人の住まう空間を作るになったようだが、地下60メートルほど掘り、地下5階まであるようだ。この街のある国は、元々ロールス王国という王政国家だったが、最後の王が民主化を進め、10年前に王政と爵位制度をなくし、ロールス共和国となり、民主制国家となったのだが、首都から遠くはなれた早乙女のいるこの街は、以前まで辺境伯貴族が領主をしていたが、国王が民主化を進める中で元辺境伯は、この領地を捨て首都へと移住を宣言した為、民主化に伴う行政引き継ぎに混乱来たした為、当時の国王は、この街を含む元辺境伯領地の20の街を4つの探索者組合連合に託し自治区としての運営を任せた。そして組合連合自治区として各探索者組合から代表が選出されて行政を取り仕切っている。


「民主制になったばかりだとまだまだ微妙な感じだろうな? 王政国家がダメだったからではなさそうだなクーデターでもないし、王が自ら民主化を進めたのには理由がありそうだな」


 早乙女はパラパラと本をめくり、民主化を進めた最後の国王の人柄の記述を探す。

 最後の国王のロイス国王と妃は国民からも愛され、街をお忍びで妃と出歩くような国王だったが、一部の貴族が、貴族最大の職務であるダンジョン探索を何かしら理由をつけ、探索をないがしろにしたり、私腹を肥やすことに夢中となり、国家発展に改革が必要と判断したことが発端らしい。


「国王自ら怠惰な貴族を裁いた結果か…… 怠惰な貴族からの反発はなかったのか? でも、民主化するまで国王即位してまもなく民主化を宣言し、15年くらいかけて、退位してるならその間にいろいろあったのかもな、後は一番謎のダンジョンだな」


 早乙女はある程度のこの国を理解したので、別の本を手にするのであった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。


前作のSTRAIN HOLEも何卒よろしくお願いいたします。

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/


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