25-勝利の報酬
こんにちは橘 弥鷺です。
元コンビニSVのダンジョン運営に、ご興味をいただきありがとうございます。
お読みいただければ幸いです。
尚、前作の完結しておりますSTRAIN HOLEもあわせて、是非、お読みいただければ、うれしく思います。
STRAIN HOLE
N6940GN
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アルトたち運営管理部とアーリエたち軍騎士たちとの作戦会議をはじめる。
「アーリエとセナはやっぱり騎士だからレイピアとか使うの? 」
ミーナがアーリエとセナに尋ねる。この場では、誰も武器を装備はしていないので、互いの装備は確認しなければならない。護身用のナイフや短刀を持つ者もいるが、街中で武器を携帯するのはこの世界でもあまり好まれる行為ではない。セナが返答する。
「わたくしは、アーリエの護衛をかねてますので、大楯を装備します。武器はショートソードになりますわね。ですので魔法も防御系を得意としております。そして、アーリエはミーナの想像通りレイピアなのですが、魔力も豊富で攻撃範囲が広いので後方から一気に攻撃をしていただきますわ。その勇ましさはこの可憐な姿からは想像もできませんわよ。それで…… 」
「コホン! 」
装備のこと以外にも、自身の主人の素晴らしさを話したいのか、セナが浮き立つような声音で話をしようとするとアーリエが赤面しながら、セナの袖を引っ張り咳払いをして制止し、慌ててセナに被せるようにミーナに尋ねる。
「ミーナさんや皆さんはどのような装備なのですか? 」
「えっ アーリエの話をまだ聞いてみたい気はするけど良いの? 」
「おかまいなく」
ミーナがセナに視線を向けるが、アーリエが視線を遮り、ミーナに話すように促す。
「前衛のアルトとジークはふたりとも剣だね。アルトはファルカータって変わった片刃の剣で、ジークは両手持ちのロングソード。ふたりとも魔力を剣に纏わせる戦いかたをするね。わたしは槍でルイガノ兄さんは、魔道具のロッドを使うのが得意なのかな? ねぇ兄さんそうだよね? 」
アルトのファルカータは、剣身がゆるく湾曲した先の尖った大きな鉈のような形状の剣で、剣身も厚く頑丈で、通常の剣のようなガードの部分はなく、グリップが鍵状になっており、ポンメルからUターンしナックルガードのような作りをしている。一方でジークやミーナはオーソドックスな両手剣と槍のようだが、ルイガノに関しては、ミーナも曖昧のようだ。ルイガノが苦笑しながらミーナから引き継ぎ口を開いた。
「僕は、立場上後方から支援なので場合によってはダンジョンに同行しない時もあるのですよ。全体の指揮があるので、ですが同行する場合はミーナが言うようにロッドや魔道具を駆使して戦いますね」
ルイガノの回答にセナが質問をする。
「ダンジョンシーカーの方って前衛なイメージでしたが、そうではないのですね」
「もちろん、アルトやジークのように剣術もあって魔力も豊富にあれば、シーカーになりやすいのは正直なところですね。ふたりなら単独でも下界を捜索しかねないですからね。ですが、人命優先から指揮能力やダンジョンの知識など総合的な審査基準で決定しているんですよ」
ルイガノが説明していると、ドアがノックされてミーナがドアを開ける。
「入るわよ」
「母さん? どうしたの顔色悪いよ! 」
「当たり前じゃない会議中にどさくさ紛れにいきなり勝負をふっかけるなんて…… あっ これはニセン大隊長こちらにおいででしたか…… 失礼しました。」
理事長のアウディが入ると同時にぼやいたが、ニセンたちの顔を見るなり、正気を取り戻したようで外面の態度を取り繕うが、すぐに素のアウディへ半眼でベントレーへと尋ねる。
「今さらね。ところでベントレーさんわざと挑発しましたよね? マークのこと…… 」
「なんのことかのう? 」
ベントレーはアウディと視線を合わせようとせずにお茶を飲みごまかそうとするが、アウディの追求が続く。
「ベントレーさん! ごまかしてもムダです! 狙いはなんですか? 」
「ワシも年甲斐もなく熱くなってしまってな」
カップをソーサーに戻して、ベントレーはアウディをしっかりと見てそう答えた。アウディは何かを察したのか、それ以上の追求をやめてミーナが入れたお茶を一口飲んでから口を開く。
「では、勝負を勝利した場合の報酬の件ですが…… マークからは、ベントレー理事の解任と運営管理部の開発部への統合だそうです。こちらは何を報酬に望みますか? 」
「ずいぶんと大きく出たもんだなマークは…… ならこちらもマーク理事の解任。そして後任にはワシが開発部の理事となる。運営管理部の理事はルイガノを推薦しよう」
ベントレーの言葉に室内が驚愕している。特に自身の名前が出たルイガノは、メガネがずれる勢いで体を揺らし、ベントレーへと声をかける。
「さすがにそれは無理ではないでしょうか? 僕のような若手に理事は…… 」
「何を言っている。改革をするのであろう? なら1番連携を取る開発部とは密接な関係を作りあげなければならん。なら、お前たちの望みを理解し共にあろうとする者が理事になるのが手っ取り早いわかるであろう? 」
「そうですが…… 」
「お前さんらはよくやっておる。自信をもって改革に踏み出すが良い。てなわけでだな、お嬢さん方我々には我々の打算があっての今回の勝負だ。だからあまり気にせんでよいからの。なぁアルト」
ベントレーは、ルイガノに言いきったあとに、アーリエとセナに向き声をかける。ベントレーの言葉には優しさと厳しさが入り混ざるような不思議な力を持っている。さらに最後にはアルトへと顔を向けた。アルトも打算でアーリエとセナに手を貸したのを、ベントレーは見抜いているようだが、その目はワシも共犯だと理解させる意味と、巻き込むならば責任をとれという厳しい視線を感じる。後に関しては、なんとなく、彼女のお父さんと不意遭遇してしまった時の視線に近いような感じがしてちょっと怖い。
「では、開発部に報酬の件伝えて参ります。あちらが了承したら、明日勝負となります。理事長としては何も言えないですが…… お願いだから負けないでくださいよ」
アウディはそう言って部屋を出ていく、いよいよ開発部対運営管理部・騎士混合チームの勝負がはじまる。
お読みいただきありがとうございます。
次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。
前作のSTRAIN HOLEも何卒よろしくお願いいたします。
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