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元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営 ~固有スキルスーパーバイジングは最強でした~  作者: 橘 弥鷺


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27/28

24-探索者の勝負

こんにちは橘 弥鷺です。


元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営に、ご興味をいただきありがとうございます。

お読みいただければ幸いです。


尚、前作の完結しておりますSTRAIN HOLEもあわせて、是非、お読みいただければ、うれしく思います。

STRAIN HOLE

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/

 ロールス共和国は、王君主制時代より、決闘や死闘を禁じている。人同士で争う暇があれば、下界でダンジョンを発見し、領土を広げることに重きをおいていたからである。人々が暮らす土地を得るには、ダンジョンを発見し、ダンジョンマスターとなりダンジョンの力によって、人々が暮らす環境と食料をはじめとした資源確保を優先しなければ国が滅びかねないからだ。

 ちなみに、ロールス共和国周辺に隣国が数国あり、東西と南に位置する隣国とは、自治区同様に地下のトンネルを街道として、交易が盛んに行われている。北側に位置する自治区は、ロールス本土との区間に、大きな山脈があり調査の結果。下界の頂点に位置するドラゴンの縄張りがあり、地上からの自治区への陸路移動は、下界の中でももっとも危険を伴う地域の為、街道が作られた。隣国によっては、ロールス本土と自治区の方が、離れている場合もある。過去には、隣国同士での戦争もあった。どの国もダンジョン無しには領土拡張ができない中で、ダンジョン探索よりも他国の領土を奪った方が早いと、思い至る者が国を動かすことも過去にはいたりもした。ダンジョン探索を国民に求め、それでも良い結果が得られるとは限らない。調査不足によってドラゴンの縄張りに多くの探索者や軍を進攻させ、帰り打ち所か国を滅ばされた国家も過去にはあり、それだけ下界でのダンジョン探索は過酷である。だからこそ、ダンジョンシーカーや騎士をはじめとして、探索者の強化は各国にとって国策であるのだ。


「やってくれたなぁ~ アードリゲ少尉」


 苦笑でそう言ったニセンは、頭をかきながらアーリエとセナに歩み寄る。アーリエとセナは、直立不動でいるが、その表情はなんともいえないほどに落ち込んでいるようだ。自身たちが、立場を忘れ感情に任せて言ってしまったことを悔いているのだろうが、アーリエが何かしらを振り払うように口を開く。


「大変申し訳ありません。申し開きはありません。どんな懲罰もあまんじて受ける所存です」

「アードリゲ少尉と同意であります」


 セナも同様にニセンへと声をかけたが、ニセンは手をヒラヒラとさせてからふたりに声をかけた。


「別にかまわん。罰などするつもりはないが、さすがに軍人が、探索者とはいえ民間人に負けるわけにはいかないからそこは肝に命じてくれよ」

「理事長も仰っていたけど、自治区じゃ探索者同士の勝負ごとなんて日常茶飯事のことよ。まぁそこにうちの大隊の兵が挑まれることはないけど…… 」


 セリカもフォローするが事実として軍人が勝負することがないことは伝える。


「まぁまぁ 開発部の連中を黙らせるいい機会だから協力しますよ」

「アルト殿、先程はありがとうございました」


 アーリエたちのところにアルトが声をかけ、アーリエが礼を言うと、アルトは大したことじゃないと首を横に振り言葉を続ける。


「ベンじぃも公言したからオレたちは協力しますよ」

「元々開発部とは最近仲が悪いからいずれこうなっていたから気にしないで」


 アルトに引き続きミーナもアーリエとセナの間に入ってふたりに抱きついた。


「ミーナさんありがとうございます」

「他人行儀だなぁ もうふたりはわたしの友達認定したんだから、どうしたら勝てるか作戦会議しないとね♪」

「ミーナ本当にありがとう」

「いいってことよ! 運営管理部の部屋に移動しよう」


 アーリエたちを連れて運営管理部の部屋へと移動することとなり、会議室で作戦会議を行うこととなった。軍からは、当事者のアーリエとセナはもちろん、ニセン、セリカも参加する。運営管理部はアルト、ルイガノ、ミーナ、ジークと遅れてベントレーが入ってくる。


「それでふたりはルールは知らないですよね? 」


 ルイガノがアーリエとセナに向いて尋ねるが、ふたりはルイガノを直視して率直に返答する。


「ええ、申し訳ありませんがどのような勝負をするのか存じません」

「決闘とは違うのですよね…… 決闘ならさすがに大隊長も止められると思うので…… 」


 アーリエとセナの返答に、ニセンは肩をすくめて見せるだけで、ルイガノに先を促した。


「シンプルに言えば、ダンジョン内で宝探しの速さを競う勝負です。しかし、宝はひとつなので見つける中で、妨害行為や直接攻撃しあうようなことは、黙認されているだけでありえます。当然こちらも必要であれば行うことになります」

「協力せずに妨害行為に直接攻撃を? それは自治区では違法にならないのですか? 」


 セナがルイガノの言葉に驚きでなく呆れたような表情で返答する。ダンジョン探索は多くの人の協力を必要とし、先程の会議でもそう話していたはずだと、セナは表情で訴えつつ、隣のアーリエへと視線を向けるとアーリエも同様に表情を暗くしているのを見たルイガノは、苦笑しながらふたりに説明を続ける。


「探索者は、第一発見者とそれ以外では報酬が違うんですよ。だから、違法行為をしてでもという者がいるのは事実です。ですから探索者への依頼する探索区画を厳格化してるんです。合同選抜探索の時は、報酬は一律としています。ですから、選抜されるような探索者ならば、そのような人物は限りなく少ないですが、探索者組合の所属先が違えばその辺りは曖昧になってきますし、探索者の質も様々です」


 貴族とってダンジョン探索は、一種の名誉のようなモノであり、生活の糧としている探索者とは根本的に違うのだが、その名誉が不要となったことで、騎士になろうとする貴族が減ったのも原因のひとつではある。発見した騎士には、国王からそれなりの褒美が与えられていたのだが、危険を犯すには天秤は傾かず。安全な貴族社会で小金を稼ぐことを選ぶ貴族が増えていき、貴族の存在が意味をなくし民主化を推し進めたのだが、アーリエやセナのような貴族の中でも大貴族とっては、その辺りも違う感覚のようだ。黙って聞いていたニセンが、ふたりを諭すように口を開いた。


「貴族も変わらん。過去には、武勲をあげるために人の手柄を横取りしたり、部下に探索させその手柄を搾取する貴族は少なからずいた。民主化しそのような者がいなくなっただけだ。」


 騎士も変わらないとニセンが言いきると、アーリエとセナはショックを受けたような顔を見せる。崇高な騎士と高潔なシーカーへの憧れが、ふたりの中で瓦解したような時が流れる。


「なら、ふたりが理想の騎士になればいいだけですよ」


 アーリエとセナの心に一筋の光が差し込んだような気がした。その声はアルトだった。


「ノエル殿…… 」

「理想があるなら目指せばいい、シーカーが共にあれというなら、オレ、いやオレたちがそれになればいい、一人でダメなら仲間に頼ればいいそう思いませんか? アードリゲ少尉」


 アルトは、アーリエへと協力する旨を伝える。それは、アーリエの価値への打算的思惑であったのだが、純粋無垢に育ったアーリエにとっては、刺激的な一言であった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。


前作のSTRAIN HOLEも何卒よろしくお願いいたします。

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/


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