23-銀鈴の音は、清く、正しく、美しく響きわたる
こんにちは橘 弥鷺です。
元コンビニSVのダンジョン運営に、ご興味をいただきありがとうございます。
お読みいただければ幸いです。
尚、前作の完結しておりますSTRAIN HOLEもあわせて、是非、お読みいただければ、うれしく思います。
STRAIN HOLE
N6940GN
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銀髪の少女はまるで、国を治める女王のように、国の頂点に君臨する者の威光を纏うように、威風堂々した態度でたたずみ。その隣には、側近の少女が自身の主人を誇り、そしてその場に忠臣として立てる喜びを噛み締めるかのような笑みを浮かべてそばにひかえる。上官のニセンは苦笑し、セリカは顔を手で覆っている。なぜか、ベントレーも天を仰ぎ見ている。
「なんだと小娘! 部外者が! 」
「無礼者! 民主化したとは言えこの国の礎を守り抜いた王家の直系であるアーリエ様を愚弄するつもりか! 」
セナがアーリエの前に立ち、マークの売り言葉に感情的な買い言葉で即答した。その言葉にマークがニヤリと余裕のある笑いを浮かべて口を開いた。
「この期に及んでいまだに姫様気分ですかな? アーリエ・リッター・アードリエ少尉殿。近衛の教育がなっとらんのでは? 民主化し10年、それにここは自治区ですぞ、まぁ本土ではいまだに姫として扱われるのかもしれませんが、貴族が民主化への行政統治を放棄したからこそ我々探索者組合がそれを担ったこの地でそのような横暴な行動に出られるとは…… いやはやお転婆が過ぎるのではありませぬかアーリエ姫」
マークは、明らかに最後は小バカにする態度でアーリエを姫と呼んだ。会議室には凍りつくような空気が広がり、取り繕うと数人の理事たちがマークをなだめようと、ムダな小声でなにか言っているが、マークはすでに取り繕うなどと考えていないようで、アーリエとセナを睨みつけている。そこに割って入ったのはアルトの声だった。アルトはアーリエの隣に移動してマークへと視線を向けた。
「マーク理事、自治区市民の総意のような言い方しないでくださいよ。オレは、今でもアードリゲ少尉に対して敬意を持ってますよ。もちろんだからって姫扱いすることが、敬意ではないと思ってるので、あくまでも一軍人の騎士殿として扱うのが対等であると考えてますけどね。でも、ロータス少尉は、あのロータス家のご息女ですよ。軍の階級が同じであっても、そう育てられ、民主化したからって、主人に食って掛かられたら言いたくもなりますよ」
「ノエル殿…… 」
セナがアルトの擁護の言葉に、自分の何かしらの思いに触れたように感じたのか、その視線には熱いものが宿っている。アーリエもまたセナを護るように半歩前に出て、口を開いた。
「確かに先程のロータスの言動は、過ぎた発言かもしれませんね。しかし、ロータス家は、今も尚、アードリゲ家筆頭の忠臣に代わりありません。一国民となった今も尚、アードリゲ家を支えてくださるひとりです。わたくしは、セナには友人でいてほしいと常々申しておりますが、セナにはセナの思いもあるのでしょう。なら、わたくしは、それに答えなければなりませんね」
アーリエは、優しい声音でそう話しから、一度区切ると、表情をあらためて毅然とした態度でマークを鋭く射ぬくような視線を向けて口を開いた。
「マーク理事、わたくしをどのように仰るのもかまいません。わたくしは気にしませんし、あなたの自由ですが…… ベントレー殿への非礼は許しません! ベントレー殿のお歳から推測するに、わたくしたちのお飾りのような騎士章ではなく、紛れもなく実力の証。騎士とは、シーカーと共にあった貴族社会において家柄や血筋にとらわれない、個人の努力によって授かった爵位です。それを愚弄するなど、探索者の風上にも置けません! 先程のベントレー殿への非礼を詫び悔い改めなさい! 」
アーリエの澄んだ美しい声音の一喝が会議室に響きわたる。美しいにも関わらず鋭くまるで氷の矢で射ぬかれたような衝撃を感じる。公の場で娘のような年頃のアーリエに一喝されたマークは、腹の奥底から煮えたぎるような感情が沸き上がり、暴発するように言葉を返した。
「この小娘が! わかったような口を! 綺麗事でなんでも通ると思うな! 」
「そこまでです。マーク理事! アーリエ少尉もこれ以上の挑発はお止めください」
「アウディ理事長お見苦しい所をお見せしました。大切な会議の場を乱したこと深くお詫び申し上げます」
割って入ったのは理事長のアウディだった。アーリエはアウディへと深々と謝罪すると、隣のセナもアーリエに習って深々と頭を下げている。アウディは、なんでもないように手をヒラヒラと顔の前でさせてから口を開く。
「謝罪は不要です。アーリエ少尉、探索者は血の気が多くマーク理事も探索者です。特に自治区の探索者は口も悪い者が多いですからね。このような口論は日常茶飯事ですよ、マーク理事の失言もお許しくださいね」
「理事長だからってよそ行きの顔はよせ!アウディ。 探索者の縄張りで好きにはさせねぇ。小娘勝負だ」
「マーク大人げないですよ」
「なら、その勝負、運営管理部はアーリエ少尉につかせてもらおうかのぉ」
アウディの静止を聞かずに、マークの挑発にベントレーが乗り、ベントレーはアーリエにこの会議に入って初めて顔を向け笑みを浮かべてさらに続ける。
「アーリエ少尉に護られてばかりでは、騎士とは言えんからのぉ」
しかし、その素顔はアーリエには、隠蔽魔法による認識阻害よって認識できなかった。
お読みいただきありがとうございます。
次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。
前作のSTRAIN HOLEも何卒よろしくお願いいたします。
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