20-事情聴取
こんにちは橘 弥鷺です。
元コンビニSVのダンジョン運営に、ご興味をいただきありがとうございます。
お読みいただければ幸いです。
尚、前作の完結しておりますSTRAIN HOLEもあわせて、是非、お読みいただければ、うれしく思います。
STRAIN HOLE
N6940GN
https://ncode.syosetu.com/n6940gn/
「では、会議をはじめる前に、本日は先日の事故の監査を行うとのことで、本国軍部より監査官の方たちがお見栄になられています。この場でアルト・ノエルへの事情聴取を行います」
ルイガノとミーナの母親で、ワールドトレック探索者組合理事長のアウディが声をあげると、その視線はアルトへと向いて声をかける。
「よろしいですね。アルト」
選択肢を与えるような問いかけであったが、その声音は、言葉に反して選択肢を与えてはいない鋭さを持っているが、アルトはそれにいっさい動じない素振りで立ち上がり、理事たちを視線で見回してから即答する。
「無論監査には全面的に協力するつもりです」
アルトは、端的に言葉を告げると、理事長は軽く頷き口を開いた。
「では、本人も同意しているのでこのまま事情聴取をしていただきましょう。お入り下さい。」
その言葉に会議室のドアが開き、自治区常駐大隊隊長のニセンが先頭に入室して用意された席に案内される。ニセンと3人の監査官が座り、そのニセンの後ろに用意された席にセリカが座り、監査官の後ろにアーリエとセナが座っているのが、アルトの視界に入る。アルトは、想像通り監査官の同行でアーリエとセナが自治区に来たのだと納得しているが、アーリエとセナは、少し驚いている表情を浮かべているのが見えた。おそらく、今日の監査内容をふたりは知らされていなかったのだろうと思いながらも、アルトはアーリエとセナに微笑みで答えていると、ニセンが口を開いた。
「本日は、貴重なお時間をいただき感謝します。これも重要な騎士職務となりますので、おつきあいを…… 」
ニセンの言い回しに若干の含みが感じながらも、そのままニセンは監査官と副官のセリカの紹介すると、そこで一度区切ってからあらためて口を開いた。
「尚、本日はこちらの勝手で申し訳ありませんが、新人騎士を2名同行させております。ふたりとも挨拶を」
「はじめまして、本国教導隊所属アーリエ・リッター・アードリゲ少尉です」
アーリエとセナが、その場で立ち上がり、敬礼後に名乗ると、アーリエの銀髪と名に理事たちが、やはりと納得げに頷いたり、軽く目を見開いた様子でアーリエを見ている。当然のリアクションで、アーリエが何者かを理解したからだったが、アルトはそれと同時に視界全体が赤く点滅しはじめ驚くが、特に体調が悪くなったとか痛みがあるわけではない。はじめてのことで驚いた程度だが、そのままではわずらわしいので、点滅している視界に浮かぶ緊急メッセージに意識し、内容を確認する。
緊急メッセージ
魔法の顕現を感知
魔法使用者 ベントレー
魔法の種類:隠蔽魔法
アルトは、魔法顕現者のベントレーに視界を向ける。アルトの視界には、ベントレーの周囲に魔法が展開されているのがはっきりと視認できているが、他の会議室の参加者には感知できていないようだ。するとベントレーがアルトを見て、口の端を軽く上げて微笑み、その視線をニセンへと向けると、ニセンもアルトへと顔を向け、少し驚いた様子を見せてから、軽く頷いた。アルトにはふたりの態度が理解できなかったが、ベントレーが元貴族で騎士だった事を考えると、監査官たちに身元を知られたくない人物がいて、ニセンとはその辺りの話しはついているのだろうと推測した。だから先程のふたりの態度は、余計なことを口にするなよと言うことなのだろう理解した。
「では、探索者ランド氏はダンジョンシーカーになる為の武勲がほしくてあんな無茶を? 」
「はい、確かに最初は回避を優先してましたが、部隊全員で対応してましたが、そのままで応戦していれば大きな被害、最悪全滅もありえる状況でした。ランドに経験を積ませる為に部隊を分け、ランドの分隊とルイガノの本隊に別れ、分隊の指揮はランドが行ってましたし、基本オレは指揮者でなく攻撃担当なので…… 助言をすることはしても指揮権はありませんし、そもそもランドはオレの指揮は聞きませんよ」
アルトは事故当時をありのまま説明する1番年配の監査官がアルトに尋ねる。
「そうですか…… ノエルさんあなたの指揮にランド氏が聞かないとは何故ですか? 」
アルトは肩をすくめてから口を開いた。
「ランドは、開発部で基本的には部隊編成で別々になるのが通常です。けど、今回は、ランド昇格試験の前に経験を積ませるってことで、いつもは組まないメンバーで分隊編成して指揮をさせるって話でしたからね。開発部はダンジョンシーカー不足ですからね」
アルトたちダンジョン運営をしている部署を運営管理部が務め、ランドが所属していたのは、開発部といい、下界にある未発見にダンジョンを探索する準備を行う部署で、その調査結果を元にワールドトレック探索者組合全組合員から選抜して部隊編成が行われる。その際に、運営管理部と開発部を中心に部隊が編成される。何故かといえば、この2つの部署が職務上、ダンジョンシーカーをはじめとする高位ランクの探索者が所属するためだ。
「まるで開発部が悪いような口ぶりだなアルト」
理事のひとりがいきなりアルトに声をかけた。
お読みいただきありがとうございます。
次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。
前作のSTRAIN HOLEも何卒よろしくお願いいたします。
N6940GN
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