19-ジークへの協力要請
こんにちは橘 弥鷺です。
元コンビニSVのダンジョン運営に、ご興味をいただきありがとうございます。
お読みいただければ幸いです。
尚、前作の完結しておりますSTRAIN HOLEもあわせて、是非、お読みいただければ、うれしく思います。
STRAIN HOLE
N6940GN
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アルトたち3人は、会議室へと訪れていた。すでに会議室には数人のワールドトレック理事が席で座って待っている。
「ようアルト!どうしたその髪? まぁいいか…… カラダはもう平気みたいだしな。今日は会議を滅茶苦茶にしないようにしおらしくしてろよ」
部屋に入室して早々に声をかけられる。声の方向に顔を向けると長身の男性が立っている。見知った顔だと気がつきアルトは返答する。
「安心しろ。もう無謀なことはしないよジーク」
ジークとはワールドトレックのダンジョンシーカーのひとりで優秀な探索者であり、本名をジーク・レオパルトと言い、アルトの理解者のひとりだ。ルイガノやミーナ同様に信頼のおける人物である。190センチの長身に焦げ茶色の髪で、ザッ好青年という出で立ちで老若男女にモテる。もしジークがラスボスなら、誰もが裏切られた気持ちになるほどに良いヤツで、アルトも過去の記憶から友人として信頼を置きつつも、ライバルとして一目を置いており、ルイガノと同い年のジークをどことなく兄のように慕っている。ジークがアルトの返答に目を丸くして驚きをそのまま口にする。
「アルトなんか変なもん食ったか? ルイガノとミーナちゃんとどうフォローするか話すつもりだったが…… 」
「やぁジークその辺りは問題ないと思うよ。アルトも今回の事故で気持ちを切り替えたらしいから…… 」
「そ、そうなのか…… まぁそれなら良いが…… 」
ルイガノがすかさずフォローに入るようにジークへと声をかける。アルトの変化に気がつく者は多いだろうが、アルト本人言うよりも、ルイガノやミーナがアルトが気持ちを切り替えたと口を揃えて言う方が説得力があるようだ。ミーナもルイガノに続きジークに声をかける。
「こんにちはジークさんいつも迷惑かけてたからね。安心してアルトも少しは成長したみたいだから」
「ミーナちゃん迷惑だなんて、オレも力にはなりたいからな、何かあればいつでも言ってくれよ」
「ありがとうジークさん♪ 」
ミーナの屈託のない笑顔にジークは顔をほころばせながら笑みを返す。大型犬と美少女がじゃれているような雰囲気にアルトはジークの気持ちがミーナに届いてないこと察知し不憫に思いそのまま口に出てしまう。
「ジークとなら幸せになれるのにな…… 」
「えっ? 」
「なっ!! 」
その言葉にミーナは何を言ったか理解できない様子で声を漏らし、ジークはミーナの前で言うなと言わんばかりにアルトの口を手で塞いだ。
「なにふふんはほ!」
「余計なこと言うな! 」
「ひーふほへひひょうひょふひほ。ほひはへふへほほへほ」(ジークオレに協力しろ。とりあえず手をどけろ)
「いつもしてるだろ! わかったよ絶対変なこと言うなよ! 」
「相変わらずバカ力だな」
「でなんだ? 協力しろって 」
「ルイたちとデイリーダンジョンの建て直しを図る」
「建て直し? 」
「今のままじゃいつか衰退する。だから思いきった構造改革をする」
「構造改革? 」
「対価はミーナにお前の良いところを思う存分見せつけられる。頼りになるとこ見せつけられるぞ! 」
ジークは、アルトから半歩身を引いて呆れたような顔をしてアルトを諭すように声をかける。
「それをお前が言うのかよ。ミーナちゃんの気持ちを踏みにじるつもりか? 」
アルトは横に首を振って否定してから返答する。
「その辺は安心しろって、オレに対するミーナの淡い恋心は今後薄れていく、ミーナは完全にフリーになる」
「マジか? 」
「ああ、オレに世話を焼くことが減るからな、そしてその気持ちの隙間に入り込みたいと思っている男は、結構いるはずだ。その最有力候補にジークはなりたくないのか? 」
ミーナは、世間的に見ても外見内面的にも美人で、周囲には、ミーナを恋人にと考えている者は多いのだが、ミーナ自身がアルト以外を見ていないことに気づいた男どもは、思いを伝えることもなく敗北するのだ。時折、ミーナに告白する者もいたのだが、ミーナはキッパリ断り勝負にもならない。ジークは、曖昧な表情のままアルトに尋ねる。
「お、お前は良いのか? 」
「何を今さら…… オレはミーナに幼馴染み…… いや妹のような存在としての感情しかないな。だから安心しろ」
キッパリとアルトはそう言いきった。ミーナがズンズンとアルトとジークに近寄ってきた。話しは聞かれていなかったはずだが少しむくれている。ミーナは半眼でアルトとジークを見て尋ねる。
「なんかわたしの話してなかった? ジークさんと目があったんだけど」
ジークのせいだったようだ。
「たまたまじゃないか? 」
「ホントにぃ? 」
アルトの返答にミーナはギロリとジークを見て再度尋ねる。
「そうだなたまたまだ。ミーナちゃんが素敵なレディになったから見惚れていたんだよ」
「もっ! ジークさんたらっ! そんなこと言っても何も出ないぞ! 今度ごはん食べに来てね♪ 」
ミーナは、顔を真っ赤にしてキャーとか言って、ジークの太いに腕にポカポカと恥じらいのラッシュを喰らわしている。
「あ、うん 結構本気だったけどな…… 」
ミーナは恥じらいのあまり聞こえていないようだ。それを見てアルトは率直な心の声が漏れてしまう。
「案外チョロくないか? 」
ミーナのガードが堅いのではなく、ただ単に男の好意に鈍いだけなのかもしれないと、アルトとジークは苦笑を浮かべていると会議室入口から声がかかる。
「自治区常駐騎士大隊隊長と騎士団監査官がおいでになりました」
いよいよ監査のはじまりだ。
お読みいただきありがとうございます。
次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。
前作のSTRAIN HOLEも何卒よろしくお願いいたします。
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