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元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営 ~固有スキルスーパーバイジングは最強でした~  作者: 橘 弥鷺


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14/19

11-ダンジョンガイドの仕事

こんにちは橘 弥鷺です。


元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営に、ご興味をいただきありがとうございます。

お読みいただければ幸いです。


尚、前作の完結しておりますSTRAIN HOLEもあわせて、是非、お読みいただければ、うれしく思います。

STRAIN HOLE

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/

 ダンジョンに探索者が入る時には、必ず探索者ランクや装備をダンジョンガイドに開示して、ダンジョンガイドの提案を元に自身の状況にあったレベルのダンジョンへ転移し、経験を積むことで下界での探索依頼の案件内容も変わってくる。その為、ダンジョンガイドは、引退した元探索者の年配者が多く、中でも上位ランク者でなければなれない職種であり、探索者ランクの最上位であるシーカーと、以下A~Eランクとなる中で、ガイド職はBランク以上でなければなれない職種となる。


「で、アルトはワシに何を聞きたいんだい? 」


 ベントレーが顎髭を撫でながらアルトへと尋ねる。


「探索者にはどのような指針とか助言で案内してるかなって…… 」


 ベントレーは、アルトの質問に少しだけ驚いたような表情を向けて返答する。


「まさかアルトから指針なんて言葉が出てくるとはな…… そうだなガイドにもよるが…… ワシは、顔見知りの探索者やパーティーなら少しチャレンジさせるように助言するかのぉ」


 ベントレーが言うには、よく知る常連の探索者であれば攻撃だけでなく、防御力や回避や撤退の引き際のタイミングなども話を聞き、攻撃的な探索者なのか防御的な探索者なのかを見極めるそうだ。


「回復薬の持ち合わせだったり、リスク管理をどう考えているかも考慮してだな」


 探索者は、ダンジョン内で撤退を三度、重傷以上のダメージと認定されるとランクを下げるペナルティがあるので、慎重にダンジョンでの訓練を吟味する必要がある。その為、経験のあるダンジョンガイドが指南役として常駐している。


「なるほど、それなりにチャレンジさせなきゃランクも上げられないしな」

「アルトの言うとおり、ワシらがガイドとしているのは、ひとりでも多くシーカーとして育てるためだからのぉ しかし、ガイドの皆がそう思っているとも限らんのが現実だ」


 ベントレーは、苦笑しながら肩をすくめる。アルトだけでなく、ミーナやルイガノもベントレーの様子に曖昧な表情を浮かべる。ベントレーは、それを見て自身の後ろの同僚たちに視線を向ける。ベントレー以外にダンジョンガイドがふたりいるが、ひとりはやせぎすの年配の女性ガイドで、読書にふけっている。もうひとりは、恰幅のいい年配の男性ガイドがいびきをかいて寝ている。


「ふたりともちょっといいかい? 」


 ベントレーが同僚に声をかけると、年配の女性ガイドが視線を向けてベントレーを訝しげに見いる。


「ベントレーさん何か? 」

「この3人のことを知っているかい? 」

「ええ、ご無沙汰してます。何かご用ですか? 」


 年配の女性ガイドは、無表情にアルトたちへと事務的に尋ねる。


「探索者には、どのような指針とか助言で案内してるか調査していて、今後の改善点があれば役に立てたくて 」


 ルイガノが女性ガイドへと返答すると、女性は無表情に即答する。


「無謀な事を言わない限り探索者の希望に沿って案内していますよ。駆け出しの若い探索者じゃない限りそうそう無謀な方もいませんしね」

「チャレンジさせたりしないんですか? 」


 ミーナが尋ねると、女性は不思議そうな顔をしてから返答する。


「チャレンジ? そんな危険な案内して何かあったら責任とれませんしね。ああベントレーさんが言ってるあれですか、わたしはベントレーさんと違ってやっとBランクになって引退した探索者ですからね。Bランクになれば引退後にこうしてガイドの仕事を得られるわけですからね。わたしは基本的には探索者の希望通りにしています」


 女性ガイドは、自分の助言は可能な限りしないようにしているようだ。ガイドの必要性があるのか疑問に感じるし、彼女がBランクの探索者になったのも引退後にガイドの仕事を手にするつもりだったからのようで、ベントレーのようなシーカーを育てるつもりはないようだ。確かにハイランクの探索者でなければ、ガイドになれない為、ガイドの給与は確かに高い部類の職種だ。探索者をあきらめて、他の職種に転職した者に比べれば、最低でも2倍の給与が保証され、シーカーであれば3~4倍にもなりかねない。この女性がやる気ないように感じるが、週末を使って他のダンジョンでも同様の話を聞いたが、彼女のようなガイドは少なくない。もし重傷を負って探索者生命を終わらせるようになったら、気分が悪いという意見が多かった。彼女の様子を見ながらベントレーが嘆息をこぼしながら口を開いた。


「その責任をおうからこそ責任ある助言ができるのだがのぉ」

「それはベントレーさんが元騎士までなったから言えることですよ」

「なんだぁ話し声が聞こえると思ったら探索者でも来たのかぁ? もう受付は終わりだ明日にしてくれぇ」


 ベントレーと女性ガイドの会話に寝ぼけた恰幅のいい男性ガイドが割り込んで口を挟む。受付終了までの時間はまだ20分はある。


「なんだ坊っちゃんたちかい」

「もう成人してるんだから坊っちゃんはやめてください」


 ルイガノが男性ガイドに声をかけるが、男性ガイドはどこ吹く風と言わんばかりに背伸びをし、あくび混じりに尋ねる。


「でぇ なんの話してんだ? 」

「探索者に、どのような助言で案内してるか調査しているんで聞かせてもらえます? 」


 ルイガノが男性ガイドにも尋ねるが、男性ガイドはつまらなそうに耳掃除をはじめている。


「助言ねぇ 大変なところに行きてぇヤツは行けばいいし、ビビってるヤツは行ったところでろくに戦えずに逃げるだけだから、そういうヤツには行かせねぇなぁ 」

「それだけですか? 」

「こっちから無理やり行かせるわけにいかねぇだろう? 」

「まぁそうなんだけど…… 」


 ルイガノが男性ガイドの発言に苦笑していると早乙女が尋ねる。


「やる気もレベルも見合っているけど装備が不足してる場合どう話してる? 」

「それはそいつらの判断に任せるわなぁ」

「そうね。武具や回復薬だってそうそう買い足せる物でもないですからね」


 男性と女性はそう言いきって探索者の判断に任せるようだ。早乙女は視線でベントレーにも尋ねる素振りをすると、ベントレーは自分のデスク脇に置いてあったトランクをデスク上に出して明け広げ、アルトに答える。


「さすがに武具は用意していないが、回復薬や解毒薬は一通り各10ずつは用意している。小物や薬が不足している探索者たちに提供するためにな」

「まさかサービスで? 」


 ミーナがベントレーに尋ねるがベントレーは即座に首を横に振って否定し口を開いた。


「そんなことをすれば甘やかすだけだ。回復薬を自身の者とワシから買った分をしっかりと個数管理もさせた上で本人たちに管理意識もさせている」


 小物や薬はベントレーが用意し、その辺りが準備不足の探索者には提供している配慮をしているそうだ。


「わざわざ買いに行かせるには、早朝やマーケットが休みの日では、探索日を変更させることになるからのう。こうして用意しているがワシの説教のサービス付きだお得だろう? 」


 ベントレーが回復薬をトランクから取り出し皆に見せ笑って見せるが、説教付きと聞き皆が苦笑する。女性ガイドがため息ひとつ着いてから口を開いた。


「ベントレーさんが手厳しいから、断られた探索者たちがわたしたちのところへ来るんですよぉ~ さすがに隣で断られてこちらで通すわけに行かないから、後日にベントレーさん避けて来る探索者もいるんですからね。あっもう定時ですね。わたしは帰ります。」


 女性ガイドは、そう言って皆に背を向ける。男性ガイドも酒の時間だと言って、そそくさと帰り支度をはじめる。それを見たベントレーが小さく息を吐いてアルトたちに口を開く。


「君らの両親や多くのシーカーが所属していた頃はこんな感じではなかったんだがな…… 」


 ベントレーは少し遠い目をしてから、話題を変えるようににこりと笑い改めて口を開く。


「3人とも最近はウチにも寄りつかないから婆さんが寂しがってるぞ! たまには婆さんの料理を食べに来てやってくれ」


 ベントレーは、そう言って手を振り帰り支度をはじめる。アルトたちはダンジョンを後にするのであった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。


前作のSTRAIN HOLEも何卒よろしくお願いいたします。

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/


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