3話 旅の意味
読書の皆様にこの作品を楽しんでもらえますように...。
「あんた、なんであんな所にいたの?一人だったし、旅とかでもないでしょ?」
「えっ、旅だけど...」
「は?」
私は、とりあえずはカミラの家に泊まる事になった。明日には怪我も治るらしいし。
「いやいや、旅って一人?魔王討伐の旅でしょ?」
「ま、まあ、そうなんだけど。」
「まさか、仲間が見つからない...とか?」
「ギクッ!」
恥ずかしいからバレたくなかったんだけど、まあバレちゃうよね。魔王討伐の旅って結構危険だろうし。あと、私も強そうな人に話しかけるのとか怖いし。当然っちゃ当然なんだろうな。
「流石にそれは厳しくない?見た感じ、戦闘経験無さそうだし。」
「そうなんだよね...でも、行かない訳にもいかないし。あっ、そうだ!カミラが仲間に...!」
「無理。」
「え?」
カミラを仲間に誘おうとしたら、即答で断られてしまった。でも、カミラってかなり強そうだし。歳も私と同じぐらいだと思うし。こうなったら、粘るしかない!スライムみたいに!
「仲間になってください!」
「言い方の問題じゃない。」
「なら友達から!」
「告白かよ!」
「じゃあ杖あげるから!」
「いらねぇよ!」
中々に頑固だな!カミラにもやる事とかあるんだろうけど、それでも連れて行きたい。何か、何かいい案は...!
「あっ。」
「ん?どうした?何回も言うけど、私は行かな...」
「カミラ、仲間になって。」
私は、勇者の紋章が彫られた首飾りをカミラに見せてお願いした。この紋章は、私が勇者だと証明する物。まあ、勇者の杖があるから要らないんだけど。それでも、これは王族に並ぶ権力を象徴する物だ。
「...ずっる。」
「で、どうするの?行くの?」
私が問い詰めると、カミラは深いため息を吐いて、口を開く。
「分かった、仲間になるよ。でも勘違いするなよ?この旅は...」
「やったあぁぁぁ!!」
「話聞けよ、殺すぞ。」
翌朝、私の怪我は完治して、カミラと一緒に外に出る。多分、この旅は長い旅になる。だからこそ、カミラには感謝しかない。
「カミラ!早く行こっ!」
「シャルロット、昨日も言った通り、これは旅であって遊びじゃ...」
「関係ないって!だって、世界を見に行くんだよ?魔王討伐はそのついで!カミラだって、どこまでも続くこの広い世界を、見に行きたいでしょ?」
私がカミラに手を伸ばすと、カミラは私の手にデコピンをして、森の方へ歩き出す。
「馬鹿か、当たり前だろ?」
「っ!じゃあ行こう!世界を見る旅に!」
今回のお話、楽しんでいただけたでしょうか?ぜひ、応援よろしくお願いいたします!