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勇者の杖の魔法使い  作者: mito
二章 騎士王と謳われた剣士
10/40

10話 深い闇

読書の皆様にこの作品を楽しんでもらえますように...。

いつも悪夢を見るんだ。顔が見えないから誰か分からないけど、3人の死体が転がっていた。ただ、大切な人だって事は分かる。その後、私は視界に入った物を全て壊し尽くしながら歩く。とても苦しくって、とても悲しかった。私は、その悪夢がただの夢じゃない気がして、いつも怖かったんだ。


「っ!風の鎌(ヴィントゼンゼ)!」

「あはっ!」

カミラが放った魔法を糸で防ぎ、あの魔族が私の方へ歩いて来る。私も何かしないと...!

「あら、何もしないの?」

「っ...!」

「動け!シャルロット!」

動けない。怖い、この魔族の圧に負けて、立つことすら出来ない。これが、高位の魔族...人型の、魔族。

「うん、あなたはもう動けないみたいね。なら、他の子を狙いましょうか。」

あの魔族がソフィアの方へ歩き出す。カミラは魔法を何発も放ったけど、それは全て防がれた。このままじゃ、ソフィアが殺される。

「ちっ!風の(ヴィント)...!」

「いい加減、飽きたわ。」

四本の糸がカミラの四肢を貫く。今私が動かなきゃ、みんな殺られる。でも、足が...

「い、いやっ!来ないで!!」

「あらあら、そんなに怖がらなくてもいいのよ?大丈夫、痛いのは一瞬だけよ。」

体を震わせて、地面に座り込んでいるソフィアにあの魔族が手を近付ける。ソフィアの顔は恐怖で歪んでいた。

「待てっ...!ソフィアを殺るなら、私を殺してからだ!」

「うふふっ!なら、止めてみなさい?」

あの魔族がソフィアに糸を伸ばそうとした時、私の頭に悪夢の光景が浮かび上がった。

『...全部、もうどうでもいい。』

その瞬間、私の身体が動いた。いや、動かされた。


「ぎゃあああああっ!!」

耳障りな悲鳴がする。ただ腕が無くなっただけだ。人型の魔族にとって、その程度は一週間もすれば生えてくる。

「シャルロットさん?」

「...早く離れて、邪魔。」

こいつは近距離、中距離、遠距離に対応出来る魔族だ。ソフィアは邪魔だ。

「お前、シャルロットなのか?」

「...さあね、どうだろう。」

私はシャルロットであってシャルロットじゃないと思う。まあ、今はそんな事はどうでもいい。

「あなた、よくもやってくれたわね!この私の腕を!」

「ん?ああ、だから?」

「はぁ?」

「だから、その程度で何か問題でもあるのかって言ってるの。」

私が挑発をすると、魔族の身体から魔力が溢れ出す。こいつは蜘蛛の魔族、本来の姿は人型じゃない。

「ふふふっ、いいわ!なら、私の本当の姿を見せてあげる!」

「はい、どうぞ。」

魔族の姿が変化し、八本の足が生えた巨大な白い蜘蛛になる。後は、倒すだけ。

「"地を駆ける者(シュネル)"。」

魔法を発動し、魔族の間合いに入る。至近距離で魔法を放てば、直接大ダメージを与えれる。

燃え盛る(フラム)...」

「遅いわ!」

魔族の足に投げ飛ばされ、私は壁に激突する。やっぱりこの身体じゃ一筋縄ってわけにはいかないか。

「どうしたの?あなた、まさかその程度なわけないでしょう?」

「...燃え盛る火の玉(フラムグロース)。」

「っ!まずっ...!」

私が放った魔法は魔族に直撃した。だけど、まだあの魔族は生きている。殺さないと。

地を駆ける者(シュネル)。」

私は再び魔族の間合いに入って、魔法を構える。

「だから!遅いって言ってるでしょ!」

「それはさっき見た。」

私は魔族の真上に飛び、魔法を再び構えた。でも、私は糸に引っかかった。

「っ!シャルロット!」

「あらあら!ちゃんと周りを見ないから、こうなるのよ!」

私の胴体を魔族の足が貫いて、私はまた投げ飛ばされる。でも、それでも私は立つ。こいつは、壊さないと。魔族は、殺さないと。

「"大食い(グルトヌリー)"。」

杖から巨大な口が出現し、魔族を襲う。この魔法は、喰らった対象の全てを奪う。血も肉も、能力すらも私の糧とし、私は更に力を増す。

「よし、これで終わっ...」

あの魔族を完全に喰らったと思った途端、私は違和感を覚えた。私は、奴の能力を奪えていない。つまり、私は奴を喰らえていない。ならばどこへ?

「ああ、可哀想に。こんなにも傷ついて...」

「っ!冗談...だろ?」

あの魔族を抱えて、一体の魔族が私達の背後に立つ。その魔族は他と別格の存在感を放っていて、私の身体は硬直した。

「もう大丈夫だ。後は、私に任せればいい。」

その魔族は、魔王に並ぶ化け物だ。

今回のお話、楽しんでいただけたでしょうか?ぜひ、応援よろしくお願いいたします!

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