第二の依頼:恋人はセカンド
今度のサブタイトルの恋人はセカンドって誰って?
もちろん、あたしの恋人じゃないわよ。
今度の依頼人の恋人のことなの。
サンデーがとってきた依頼なんだけど、←嫌々引き受けた、だってお金ないもん。
依頼人の女性は高校の野球部のマネージャーをしていて、恋人がセカンドで←二塁手ってこと
主将をしているんだ。最近、様子がおかしいから浮気しているか調査して欲しいってことなの。
あたしだと格安の5万+調査費でOKだからサンデーが持ってきたんだ。ちなみにサンデーは探偵事務所をやってるらしい←あくまでらしいってこと、謎が多いの
さて、今日は、その恋人の高校に来てるの。グランドで野球部が練習をしているわ。これから、あたしの姿が見えるか調べるところ←見えないと何かと便利だしね
あたしは野球部の全員集まったところでかけて行って一周してみた。念のためまた一周した。だれも気がつかないみたい。
じゃ、次の調査に行くわ。
あたしは野球部の部室に入った。
え〜と、早乙女忍←もちろん男よ
のロッカーはっと
あった
ラッキー、鍵かかってない。
ガチャ、
臭い!
あたしは鼻をおさえて中身をチェックした。
制服、カバン、バック
変わったものはないわね。
パタン
ふう
さて、次はどこを調査しようかな。
ガヤガヤ…
野球部員が戻ってきた。
あたしはたいていの人間には姿も見えず声も聞こえないけど、実体はある、そう触るとわかるの。だから邪魔にならないように物置の中に入ろうとして開けた。先客がいた。
「誰?」
ドタドタ…
「とにかく入って」
あたしはメガネをかけた小柄な男の子に手を引っ張って中に入れられた。
ガラガラ…
「忍、ラーメン食べて帰らない?」
おっ、調査対象のことだ。
「俺、用事があるからパス」
どこ行くのかな。
ガラガラ…しーん
さて、出るか
パタン
メガネくんのことはおいといて急いで追いかけなきゃ。
あたしは走り出した。後からメガネくんも走って追いかけてきた。
恋人は下駄箱にいた。
ふう、間に合った。
あっ、依頼人のマネージャーだ。
「俺、用事あるからまたな」
「またなの?なんで?」
早乙女忍はその言葉をとりあわず
「じゃまた」
とさっさと去って行った。
うーん、確かにちょっと怪しい。
あたしはその後をそっとつけだした。メガネくんも後からついてきた。
しばらく歩くと、早乙女忍は辺りをキョロキョロしたあとアパートの一室のドアを開けて入った。
あたしはピンときたので集中するため眼を閉じた。(メガネくんのことは気にしてられないわ)
赤い眼をゆっくり開けて耳をすませた。
透視とテレパシーだ!
「今日は、どうだった?」
「昨日と同じで変わらないわ」
部屋には若い女性と奥のベビーベッドに生まれたばかりの赤ん坊がいた。
あたしは集中を強めた。
「早く一緒になりたいわ」
「俺が卒業するまで待ってくれ」
え〜、ということはあの赤ん坊は早乙女忍の子供なの
あたしはビックリして集中が途切れてしまった。
もう一回集中
あたしは眼を閉じてゆっくり赤い眼を開けた。
金沢早織16歳、早乙女忍の前の彼女、一年前に別れたはずが子供が出来たため、復活した。
彼女は高校をやめてしまったため、生活に困っている。
あたしは眼を閉じて青い眼を開けた。
ふう、こんなところかそれにしてもビックリ高校生で子供か、どうするのだろう。
ちょっと離れたとこにいたメガネくんが走ってきた。
「君!今、眼が赤くなったね。どうして?なぜ?」
メガネくんは興奮してる。
あーぁ、めんどさいから本当のこと言うか。
「これは、あたしがエスパーだからよ。超能力を発揮する時に眼が赤くなるの」
「エスパー!始めて会ったよ。僕、新聞部なんだ。詳しく教えて欲しいな」
メガネくんは顔まで真っ赤になってしまった。
「あたしは超能力のこと秘密にしたいからお断りします」
あたしはくるりと後ろを向いて歩き始めた。
リーン
あたしが屋根裏部屋の事務所でくつろいでいると、電話がかかってきた。
もしかすると、仕事の依頼ってワクワクして出たら、さっき解決した依頼人からだった。
サンデーの事務所が受けた仕事だからここの電話は知らないはずだのに。
「ウソ、ウソ…。信じられない。あんなに優しかったのに。…」
えんえんと愚痴を聞かされた。
あたしは電話をきった。
ちなみに、前に言ったとおりほとんどの人間にはあたしの声は聞こえない。相手の声は聞こえるけどね。
これじゃ依頼料もらえないかな?
リーン
とりあえず、出てみると今度は依頼人の恋人、いや元恋人からだった。
「お前のせいで学校にばれて野球部も学校も止めなきゃいかなくなったんだぞ。なんとかしろ…」
あたしはまた電話をきった。
リーン
あたしはおそるおそる電話に出た。
「俺だ」
サンデーからだった。
「今、依頼人と依頼人の元恋人から電話があったの。…」
「ああ、わかってる。事務所のねえちゃんが苦情に耐えられず、そっちの電話を教えたんだ。お詫びがわりにマホ犬をあげるぜ。もうドアの前だ。手が塞がってるから開けてくれ」
マホ犬!あの魔法使い専用魔法犬なの。
ガチャ
あたしはドアを開けた。
サンデーが片手にマホ犬の入ったバック、反対側に粉ミルクの袋を持って入ってきた。
「ああ、疲れた」
あたしはワクワクしながら、バックを開けた。
真っ白い柴犬の赤ちゃんだった。
「いつから魔法使えるの?」
あたしは柴を抱っこして聞いた。
「生後半年からだって聞いたな。今、3ヶ月だから、あと3ヶ月後だ。詳しくはマホ犬マニュアルを参照だ」
バックのポケットから電話帳くらいの厚さの本を取り出した。
「いい忘れてたが、今回の依頼は金を払えないぜ。それから、ここの住所も教えちまったから、来るかもな」
あたしは、犬に顔をなめられて、嬉しかったので、うわのそらで頷いた。
「じゃ、またな。頑張って生きのびろよ」
サンデーはドアをすり抜けて出て行った。
また、めんどくさがって
そうだ。なんて名前にしよう。あたしの名前、千羽羽から、ちをとってチップにしよう。
「今日からお前はチップ。家の子よ」
あたしはチップをギュッと抱きしめた。
ピンポーン
依頼人かしら?
ガチャ
そこにはメガネくんが立っていた。
「なんでここ知っているのよ」
あたしはドアを閉めようとしたが足を入れられて入りこまれてしまった。
「僕の情報網をあなどらないでもらいたいな」
メガネくんは入ってくると名刺を差し出した。
松井雷太
〇×高校新聞部部長
電話〇×〇〜×〇☆
「真夜中 千羽羽くん、君の気が代わって取材に応じようと思った時のためだよ」
「あたしの気は代わらないわ。帰って」
ピンポーン…
ガチャ…
しまった。鍵を閉めなかった。
「あら、あなた何故ここに?」
今回の依頼人が入って雷太を見た。
あたしは反対側からはチップを抱いて姿を現した。しかし、依頼人には見えていないはずだ。
依頼人は気配を感じたのか振り向いた
「犬が宙に浮いている〜。お化けだ」
依頼人はくるりと振り返って走って出て行ってしまった。
チップの姿だけが見えたんだわ。
あたしはチップを床に下ろして、マニュアルをめくった。
マホ犬は人間に姿が見える。注意!
注意ってもう遅いよ。
お化けが出るって噂になったらどうしよう。
「君は人間に姿が見えないんだね。何故、僕には見えたんだろう?」
雷太は手帳にメモしながら言った。
「そんなこと知らないわ。さあ帰って」
あたしは雷太を追い出した。
あぁ、今回は簡単な依頼だったけど、疲れるな。でも、良かった、マホ犬が手に入って。
あたしはチップの頭をなでた。
これで第二の依頼:恋人はセカンドは終わりです。次は「サンデー」で千羽羽とサンデーの過去のお話です。良かったら読んでください。




