フェルミ粒子
フェルミ粒子=スピン角運動量の大きさが
ℏ\hbar の半整数 (1/2, 3/2, 5/2, …) 倍の量子力学的粒子であり、その代表は電子である。
スピン角運動量=スピンは2×2複素行列を軸とする空間(以後、「複素空間」とする)で定義されるため、実数軸のみの空間(以後、「実 空間」とする)では表現不可能で「内部自由度」と言われる。したがって、複素空間でのスピンの歳差運動は実空間と は異なっている(後述)。これは、水素原子などの軌道電子が、虚数を含む波動関数として確率的に記述されるとき に、回転について不問に付されるのと同じ。ただし、スピン角運動量はマクロ系の角運動量として外部に取り出せる ※ことから、古典力学系での歳差運動に相当する「状態」にあると考えていいだろう。
例えば中性子は、電荷が存在しないにもかかわらず僅かに磁気モーメントを持つ。1/2のスピンも持っている。中性子には内部構造があり、たまたま電荷の合計がゼロになっているのではないかと疑われている。
中性子は電気的には無電荷で中性であるが、磁気モーメントを持っており、その値 μn は
電気的には中性である中性子が磁気モーメントを持つ理由は、中性子を構成する3個の各クォークの磁気モーメントの和として説明される。
クォークモデルが確立するまではハドロンが強い相互作用を行う粒子であり、また素粒子であると考えられていた。しかし異常磁気モーメントの問題、特に電荷を持たない中性子が強い磁気モーメントを持つ事は未解決問題であるとされていた。加えて新たなハドロンの発見が続き、結局は核子について、より小さい構成要素による構造を仮定せざるを得なくなった(クォークモデル参照)。現在では、ハドロンは、6種類のクォークとハドロン内部で強い相互作用を伝播する8種類のグルーオンとから構成されるものとして考えられている。
中性子=udd
uの電荷=2/3
dの電荷=-1/3
2/3-1/3-1/3=0
中性子の電荷=0
陽子