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銀色の双眸 一
銀色の双眸
一
お月さまみたいな、不思議な色の瞳を持つその人たちと出会ったのは、今からちょっとだけ前。
辺りがどんどん暗くなって、ひとりぼっちで心細くなっていた時、ずっと待ってたお父さんより先に、ひとりぼっちのあたしを見つけてくれたの。
「大丈夫。必ず……迎えに行ってあげるから」
あたしを迎えにきてくれるって約束してくれたお父さんは、約束の場所でいつまで待ってても来てくれなかったから。
あたしは知らない人と話すのがすごく苦手。お姉さんはすごく粗野で怖そうな人だったんだけど、でも本当はとっても優しくて、初めて会ったあたしのこともいっぱい心配してくれたの。
でもこの時はまだ、この人たちとの出会いがあたしの人生を変えちゃうだなんて、思ってもいなかったわ。
今は、良かったと思ってる。でもちょっとだけ、迷ってもいる。だってお父さんとの約束は、まだ果たせていないんだもの。