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影だのみ  作者: 須羽ヴィオラ
第一章 日常
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日常 #4

 四時限目終了のチャイムが鳴る。

 先生が教室を出るのも待てず、生徒達が昼食の巣作りを始める。


 教室を出て学食に向かう者。

 連れだってフリースペースへ向かう者。

 机を寄せ合い、お弁当を広げ始める人たち。

 スマホをいじりながら、一人で惣菜パンをかじり始める人。


 私は親友の典子のりこの隣に移動し、机と机を寄せ合わせる。

 典子が私を見上げ、少しだけ口元を緩ませる。

 けれど、その瞳にはいつも暗い影が宿っているように見える。

 相変わらず神秘の微笑だ、典子は。


 私たちがお弁当を広げていると、セミロングの髪を弾ませ友稀ゆきがやってくる。

「あー、待って、待って」

 と言いながら、前の席の机を反対向きにして、寄せ合わせる。

「慌てなくても、ちゃんと待ってるよ」と私。

 典子は無表情のまま、友稀に対して頷いてみせる。


 三人がお弁当を広げ終わると、友稀がそれぞれのオカズを見比べて

「今日も心美こはるは肉類が足りないな。そんなんじゃ育たないよ。ハイこれ」

 と、自分のミートボールを私のお弁当に運ぶ。

「代わりに人参貰うね。典子は、またオニギリと梅干だけなの。しょうがないな、

大サービスでウィンナー上げるよ」

 と盛んに私達の栄養管理をしてくれる。

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