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灰色の精霊  作者: 翡翠蝶
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炎vs闇

東の国【ザスチェル】

「ふむ。中々見つからないな。」

ファイが考え込むように呟く。

「当たり前でしょ。そんなに簡単に見つかるとでも思った?」

シャルルが不機嫌そうにファイを睨む。

「どうするの〜?」

リリシアがホワンとした表情で聞く。

狼が、呆れたように首を振る。

「捜すのは、諦めた方が・・・・・」

ティーナがそう言いかけた時、

「見ぃ〜つけたっ!」

と、明るい声がした。

ハッと後ろを振り返ると、ヘラと見知らぬ青年が居た。

「ほう。そちらから姿を見せるとは。 捜す手間が省けた。」

ファイが不敵な笑みを浮かべる。

「フフフ、お姉ちゃん。その身体、グチャグチャにして上げるっ!」

青年は、困惑した顔つきでヘラを見ている。

「ヘラ、どういう事?君が探していたのはオモチャじゃ・・・・・」

「そうよ。で、見つけたの。最高に面白い人間(オモチャ)を!」

ヘラはいきなり飛び上がるとファイの顔めがけて襲い掛かる。

ファイは側転して、それを避けると呪文を唱え始めた。

「ファイ!手伝った方が良い?」

リリシアが叫ぶ。

「手出しは無用!こんな子供、私、一人で充分だ!」

ファイが手を水平に動かすと、炎の剣が現れた。

獅子が、吠えヘラの首を噛み千切ろうとする。

ヘラは、ニコリと可愛らしく笑うと、

「『ダーク・パラソル』」

と言った。

ヘラの周りに真っ黒な傘が何本も浮かび、ヘラが自分の手にある傘をファイに向けると傘はファイに向かって来た。

ファイは炎の剣でそれを全て薙ぎ払うと跳躍し、ヘラに接近した。

そのまま剣を振り下ろす。

ヘラは傘で防ぐが、耐え切れず地面に叩き付けられる。

「きゃあぁぁ!」

ヘラは起き上がることが出来ず、呻くばかり。

ファイは地面に着地すると、ヘラの首に炎の剣の切っ先をぴたりとあてる。

「私の勝ちだ。」

ヘラは、何も言えず悔しげに唇を噛むだけだった。




その後、青年、ディールに訳を説明した。

ディールは、驚いたように目を丸くしていた。

そして、ファイは拗ねるヘラに研究所で何を見たかを尋ねたが、ヘラは特別、何も見ていないと言う。

「あの研究所では、エネルギーを無限化出来る機械を開発してるって聞いたけど。」

ディールがボソリと言った。

「無限化?!」

ティーナが声を上げる。

「ディール、その話を詳しく聞かせてくれないか?」

そう言う、ファイの表情は厳しいものだった。

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