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五の甘 「ブラックコーヒーは青春の味」

五の甘「ブラックコーヒーは青春の味」


 

 今の気分を一言で表現するなら…《最悪》の一ワードに尽きる。頗る調子が悪い。気分も悪い。虫の居所ってやつがとにかく悪い。


 だからこそだろう。オレが、このオレがこんな夢をみちまうなんて。間違いなくそうに違いない。今から数年前の、こんな、碌でもないあの頃の夢なんて…。



           ◆ ◆ ◆



 いつもの時間。いつもの教室で、いつものようにドアを開ける。

 いつもの如く、ただただ無言で。その目だけをギラギラ光らせて。

 

 まるで、地獄のような仏頂面を携えながら。


「…」


 オレが教室内へと足を踏み入れたその瞬間。まるで猿山のようにキィキィと騒がしかった教室が、嘘のように静まり返る。これもまたいつもの事。

 腫れ物に触るように。と言うよりも、まるで刃物を扱う時のような、独得な雰囲気、緊張感が瞬時に形成される。だが、そんな事は知ったこっちゃねーぜ、オレは。


「ユータさぁ、教室に入ってくる時はせめてオハヨウくらいは言おうよ。その切れたナイフみたいな目つきは生まれつきだとしても」

 だが、どんな世界どんな場所、どんな場合だろうと例外ってやつは存在する。唯一、いや、たった二人だけの例外のうちの一人。親友とは程遠い悪友、腐れ縁、トーダイがこれまたいつも通りに目ざとく話しかけてくる。

「五月蝿ぇ。顔の話はすんなっていつも言ってんだろ。つーか切れたナイフってなんだよ。ナイフは切るものであってそれ自体は切れちゃいねーよ。いいからほっとけ」

「ダメダメ。そーいうわけにはいかないよ。それにね、何度も言ってるけどさ、ユータはそうやって悪ぶってるけど、小さい頃から根は真面目なんだ。妙に理屈っぽいし。現に、そんな成りして無遅刻無欠席だし。それって、不良キャラのすることじゃないよね」

 幼馴染というやつは、本当にここが厄介な所で。互いにガキの頃から無駄に知り尽くしちまってるだけに、遠慮や空気を読むって事が圧倒的に足りてねぇのだ。見た目なんぞに、騙されてはくれないのだ。

「言いたい事はそれだけか? 義務教育なんだ。オレだってメンドクセーが来ねぇわけにはいかねーだろ。いいから席着けよトーダイ。チャイム鳴ってんぞ」

「それそれ。やっぱり真面目だよね。もう少しだけ丸くなればクラスにだって打ち解けられるのに」

 

 トーダイの言うそれは…オレにとってそんな事は、実に瑣末で心底どうでもいいような、優先順位の最下位に位置するような、そんな事だった。

 

           ◆


 ランチタイム


「ふんふん。ヨルシーちゃん、また腕上げたんじゃない? あの年齢でこれだけしっかりしたお弁当を作れるなんて流石だよね」 

「あぁ。天才だな。むしろ天使だな」

「うんうん。ぶれないねぇ、ユータは」

 給食制度の無いこの学園において、ランチタイムでのスタートダッシュ失敗は死活問題。腹を空かせた成長期のガキ共が跋扈する食堂組。そして、そんな生存抗争とは無縁のオレ。教室では、オレと同じく弁当組、もしくは購買のパン組のやつらがわいのわいのとメシを貪る。総ては妹様様。むしろオレは、この妹の弁当を食うためだけに毎日ツマラン学園に通っているといっても過言ではない。

 

「一口もやらねーぞ」 

「やれやれ、誰もとろうなんて思ってないからゆっくり食べてよ。ってかさ、今日は風が強いね。わざわざ中庭なんかに出ないでさ、皆と教室の中で食べればいいのに」

 オレら中等部三年の校舎は一階にあり、その中心には中庭がある。メシ時はいつも、風が強かろうが雨が降ろうが矢が降ろうが隕石が降ろうが、大体此処で妹の弁当を食す。オレにとっての至福の瞬間。

「オレは誰かさんと違って空気くらい読める。誰だって、メシくらいは笑って食いたいもんだ。そうだろ?」 

「…ユータらしいよね、そーいうとこ」

 何を考えているのか? どういう思惑なのか? トーダイの奴は時々こうやって購買のパンを片手に、ゴールデンタイム中のオレの隣へとやってくる。

「トーダイお前、今日はやけに絡んでくるじゃねーか。いくら腐れ縁とはいえ、オレみてーなはみだし者なんかと一緒にいていーのか? クラスの人気者であらせられるお前が」

 怒るでもなく、悲しむでもなく。いつもの薄ら笑いを浮かべながら、トーダイは言う。

「もちのろんだよ、ユータ。長い付き合いだ、ユータだって知ってるでしょ? 僕がお節介焼きだってことくらい」

「お節介? 人はそれを余計なお世話と言う」

「偽善者とも言うけどね。それにさ、これが一番の理由なんだけど」

 トーダイは、十八番の無駄に溜を入れる演技かかった臭い芝居で十二分に空を見上げた後、ようやくぽつりと漏らす。

「だってだってさ、最近また…なうちゃん、ガッコ来てないでしょ? だからユータが寂しいんじゃないかなーと思って」

「トーダイ、お前がそんなに死に急いでたとは知らなかったぜ。あぁ? 何を言い出すかと思えばよりにもよって古森だと? コラァ」

「違うの?」

「断じて、否だ! つーかいつまでちんたら食ってんだよ、そろそろチャイム鳴っちまうぜ」

「照れ隠し?」

「…今お前が食ったパン、全部リバースさせてやろうか? クラァ」 

 

           ◆


 例え、教室にどんな異物が混入していようと、授業は滞りなく進む。まるで、オレなど最初からそこに存在して居ないかのような暗黙の空気で。これもまたいつも通り。

 そんなランチタイム後の気だるい五時限目の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた直後、休憩時間に移った正にその瞬間、一際勢い良く、疲れもピークに達し、眠気も一塩のこの魔の時間帯に一際勢い良く、教室のドアを開ける珍入者が一人。


「へいへいへーい、キュートでぷりちーな不思議系美少女古森今鹿ちゃん(ぴちぴち十五歳)のご登場だお★」


 オレとはまた違ったベクトルで、教室が一気にしんと静まり返る。だが、それも一瞬の静寂。次の瞬間には、皆、何事も無かったかのように短い休憩時間を謳歌する。

 そう、オレとは違ったベクトルの異端児。オレとトーダイの幼馴染にして腐れ縁、古森今鹿のご登場である。

「やっぴょー、タタタ君にトーダイ君久しぶり。元気してた? 何故だが上靴は無いし机は落書きだらけだけど、あたしは元気だぜ!」

「噂をすればなんとやら、だね。珍しい、なうちゃんだ。一体どうしたってのさ。このところ以前にも増してガッコ来なくなっちゃってさ。一体全体何やってんの? 僕もユータも寂しがってたんだよ」 

「その枠に勝手にオレも入れるな。大方、古森だけに引き篭もってたんだろ」

「にゃははははっ。タタタ君、それ、ちょー寒いお、激寒だお」


 《皆と違うという事はいけないこと》


 まぁ、この歳のガキんちょにありがちな無視できない青臭さ。とでも表現すればいいのだろうか。

 教室には二人の異端児がいる。そのうち一人は野朗で、しかも眼つきの悪い切れたジャックナイフ。で、もう一人は普段から自由奔放なフリーダム且つ自由人なトンデモ女。その上何故か、二人ともクラスの人気者であらせられるトーダイと無駄に仲が良い…と、思われちまってる。迷惑な話さ。で、どっちをターゲットに選ぶかといわれれば、当然後者だろう。どちらに矛先が向くかといわれれば、当然後者なのだ。オレは男で、奴は女。たったそれだけのシンプルな話。

 

 だからこそ。

 そう、だからこそ… あぁ、胸糞が悪い。まぁ、オレが言えた義理じゃねーが。


 長年幼馴染、もとい腐れ縁が続いているからこそ分かる。だからといってコイツは、古森の奴は、そんな瑣末なことで動じるような、そんなキャラじゃない。むしろ、奴が引き篭もる理由の一端にすらなっていないんだろう。そんな事は。奴は、言葉通り文字通り、全く持って気にしちゃいないのさ。周りから何を言われようが、全然気にしてないのさ。実際、奴が何やってんのかは知らんが。奴は昔からそういう奴だった。

 気分が乗らないとこうして顔を出さない。そんな、自分の本能や気分といった概念に心底従順な奴なのだ。


「まー、あたしの事なんて割りとマジでどーでもいーんさ。それより折角久しぶりに顔出したんだし、授業なんて抜け出して三人で遊んで帰ろうぜ!」

「いや、マジで何しに来たんだよお前は」


          ◆


 数日後 - 放課後


 果たして、何が原因だったのか? いや、そもそも原因などという上等なものが存在していたのか?

 そして、どういった経緯とどんな裏思案があったのか? そこに至るいきさつは、今となっては総て謎。まぁ、考えるだけ無駄、むしろ考えなくても分かるというか。安に目に浮かぶというか。

 とにもかくにも、事実はたった一つ。


 今、正に、このオレの目の前で、あの古森の奴が数人の世紀末的ヒャッハーな男共に囲まれ見るからに何らかのトラブルに巻き込まれ、絡まれているという事。


「やーめーろーよー。ってかなんなのさー。あたしが何したってんだお?」

「黙れ糞アマ! てめぇは黙ってされるがままにしてりゃーいんだよ」 


 何故かは知らないが、古森は昔からトラブルを招く天才、いや天災だった。だからこそ奴は、並大抵のトラブルならば自分自身で解決しちまうし、平気な顔して切り抜ける事が出来た。奴はそういう星の下に生まれた人物なのだ。

 では、ここで一つ問題だ。至ってシンプルな問題…この状況って奴は、古森にとって…オレにとって、果たして並大抵の状況と言える代物なのだろうか?


 答えは……否だ。断じて、否だ! 例え古森本人がどう思っていようと、そもそもこのシーンを目撃しちまったオレ自身が見過ごせねぇ。どういうわけか、いつもいつも胸糞が悪かったオレは、我が拳を振るう機会を得たりと、むしろ喜び勇んでその現場に近づいていった。


「うぉいコラァ! 大の男が寄ってたかって、女一人に何しよーってんだ? 場合によっちゃ場合によるぜ、てめーら」

 と、勢いで凄んでみたはいいものの、明らかに多勢に無勢。よくよくみてみりゃ相手は十人。

 ただ単に普通に絡まれたとは考えにくいこの状況。いや、マジで古森、お前、なにやらかした? 

「あっ、やっぴょータタタ君ナイスタイミング。みてみて、あたし、このままだとレ○プ寸前。マジ勘弁だよね★」

 どこまでが本気なのか。こんな状況にも関わらず、相も変らず古森の奴は憎たらしいくらいにいつも通りの軽いノリで。

「おいおいあんちゃん。こっちにはこっちの事情ってモンがあるんだ、見なかった事にして早々に立ち去るのが賢い選択ってやつじゃねーの」 

「犬も歩けば棒に当たるなんていうけどさぁ、タタタ君。今日のあたしの運勢って最悪なんだお。やっぱり今日も今日とて一人淋しく森に引き篭もってりゃ良かったぜぃ」

 考えれば考える程頭の痛くなる状況。だが、いまさら後には引けない。一度振り上げられたこの拳は、残念ながら、そう易々と鞘に収まるものじゃない。この拳、或いは、抜身のオレ自身の話だ。

「…見なかった事、ね。そんな器用な事が出来んなら、オレもこんな眼つきにゃなってねぇって話だよな。だろ? 古森」

「にゃははは。そうそう。ってか何だろね、この状況。テンプレ(笑)かよ。スイーツ(笑)女子って柄じゃねーぜ、あたしは」


『お前は少し黙ってろ!』


 思わず、敵側のリーダー格らしき世紀末を生きるモヒカン野朗とセリフがシンクロしちまった。あぁ、糞。嬉しすぎて涙が出てくるね。

「やれやれ。我ながらアホらしくなってきたが、一度決めた事を反故にすんのは夢見が悪いんでね。誰のためでも無い。オレの安眠のため、やっぱ、素直に帰るわけにはいかねーな」

「おい、あんちゃん。お前、コイツのなんなんだ?」

「…………さぁな。そんなの、こっちが聞きたいぜ!!!」


 と、格好つけてみたはいいものの、状況は何も変わらず。

 多勢に無勢の無理難題。おまけに相手はそれぞれ得物持参と来ている。

 例えばオレが古今無双の喧嘩番長だったとしたら、こんな並大抵でないシーンって奴も、某巨大ヒーローの活動時間より短い間に奴らをなぎ倒してスタッフロールを迎えるんだろう。

 だが現実はそうじゃない。

 例えばオレが魔法使いだとしたら、範囲攻撃の上級魔法を詠唱破棄してノーモーションで一撃見舞ってオーバーキルで粉砕してやるのに。

 だが現実はそうじゃない。

 例えばオレが、そうだな、せめて…《不死身》だとしたら。後先も、なんにも考えずこの拳を振り上げるだけで大抵の事は解決出来ちまうんだろう。

 だが、やっぱり現実はそうじゃない。この頃のオレは、ただ不器用で、ただただ尖っていて、いつも不機嫌で…ごくごく普通の人間だったのだから。


 ………だからこそ、オレは。


           ◆


「全治一ヶ月。あーあー。幾らユータが喧嘩強いって言ってもさ。一度に十人相手ってのは、流石にどうかと思うよ? ヤンキー漫画の主人公にでもなったつもり? 人間には出来る事の物理的限界があるんだよ、ユータ」

 白のベッドに白のシーツ、白の枕に白い部屋。何もかもが無機質な、ここは、某総合病院のとある個室。人間の体って奴は、どうやらオレが思う以上に脆く出来ているものらしい。恐らく、砂糖か何かで出来ているんだろう。そうでなきゃ、オレが入院なんざするはめになるわけが無いのだから。

 反省なくして成長なし? ふん、片腹痛いぜ。

「でも、一応全員病院送りにしてやったぞ」

「ぷぷっ。いい訳なんてタタタ君らしくねーお? しかもその本人まで病院送りになってるとか、相変わらず、すげー律儀だお」

「あぁ? そもそも、誰のせいだと思ってんだよ、コラァ」

「えぇ~? そもそもあたし、助けてくれなんて頼んでないしぃー。ぶっちゃけ、あたし一人でも何とかなったしぃー」


 ほら、な? コイツはこういう人間なんだ。そりゃもう昔から。


「でも……その…、、、ぁりがと」

「ん? なうちゃん、今、何か言った? でもさでもさユータ。こんな警察沙汰一歩手前の事件起こしておいて、学園からは何のお咎めも無しなんでしょ? んー、どうしてだろ」

「んっふっふ。しょーがねーよなぁータタタ君は。あたしがいないとダメダメだよなぁータタタ君は。でも今回だけだぜ、こんなスペシャルサービスは。まっ、あたしにも非がなかったわけでもないしね、今回ばっかりはさ」

 ベッドに横たえるオレに対し、近くの椅子に腰掛けお見舞いの定番であるフルーツ、その中のリンゴの皮をぶ厚めに剥きながら、古森がそんなことをのたまう。

「古森、お前…今の、どういう意味だ? ってか、一体何したんだ」

「き・き・た・い?」

「いや……やっぱいい。むしろ聞きたくない。心労で入院が長引いちまいそうだし」

「さっすがタタタ君。それが賢明ってもんだぜ。それはそーと、二人とも。もうすぐ窮屈なぎむきょーいくって奴が終わるわけだけど、進路とかどーすんの?」

 冬の終わりも近いこの時期。こんなギリギリの時期にそんな今更な話題をふってくる。こいつはそういう精度で引き篭もっている不登校生徒だったということを認識していただきたい。

「オレはサクヨンを受験予定だ。桜ヶ丘第四高等学校」

「ヨルシーちゃんの通ってる学園に近いから。でしょ? 朝一諸に登校出来るから。ちなみに僕もユータと同じサクヨン。あそこって一応県内一の進学校だからね」

「ふーん、そうなのかー。だったらあたしもサクヨンにしょっかにゃ」

「しよっかなってお前な。今のトーダイのセリフを聞いてなかったのか? 県内一の進学校ってことは偏差値も相当高いってことだぜ?」

 と言うよりも、古森の場合は学力云々より出席日数や内親点といったもろもろが怪しい所ではあるんだが。

「はっはっは、そんなの毛ほども心配御無用さ。一見不良ぶってるけど実は良い子ちゃんなタタタ君が受けようとしてる位だぜ? あたしでもなんとかなるっしょー常考」

「そうかよ。ま、勝手にしてくれ。うん。あぁ、そういや、ヨルシーは帰っちまったのか?」

「あらあら。相変らずのシスコンっぷりだねユータ。もう寂しくなっちゃったの? こんなので一ヶ月正気を保てるのかな? この入院生活で、ユータの気が狂っちゃうんじゃないかと思って、僕はそれが心配だよ。まっ、考えようによっては、案外良い更生施設なのかもよ? 病院ってさ」

 どっちが相変らずだよ。トーダイは、十八番のオーバーリアクション&ジェスチャーで充分に間を置いてから答える。 

「それと、死者に鞭打つようで悪いけどさ。ヨルシーちゃんと昼音さんなら、ユータがぐーすか寝てる間に一旦帰ったよ。何でも、《二人で家族会議》だとか。やっちゃったね、ユータ。今回ばかりはヨルシーちゃんに嫌われちゃうかも。彼女、ユータのその姿を見てさ、ちょっと泣いてたし」


 ああ、何だ。そうか。妹は帰ったのか。そいつはちょっと残念だな。

 それに、古森の剥くリンゴはどうにも皮ばっかり厚くていけねぇ。やっぱ、そーゆーのが似合うのは古森より、妹だよな。でもそうか、オレは嫌われちまったのか。その上、泣かせちまったかぁ。そっかぁ。





 ………………………………………………………………………………………は?





 ピィーーーーーーーーーーーーーッツ。


「え? ええ? ちょ、ユータ、しっかりしてよ! 心電図、ってか心臓止まってるよコレ! 嘘でしょ!? 看護士さーん!」

「にゃははははははっははは。タタタ君オモシレー、やっぱ最高だお」 



 嘘のような本当の話。冗談のような真実の話。

 この後、本当に心臓の止まってしまったオレは、電気ショックを受けてなんとかかんとか蘇生を果たしたという。そんなどれだけ時間を経ようと、一行に苦いだけの黒歴史。そんなオレの消えることの無い永遠のナイトメア。



 

 ああ神様。どうか、オレの人生に小さじ一杯のスティックシュガーを。どうか。




五の甘 END


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